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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2019年10月17日 ジャカルタ 南博志

フィリピン:インドネシア・低品位ニッケル鉱石禁輸前倒しに対するフィリピンの動向

 標題のニュースに関して、2019年9月後半以降の地元メディアの報道を取りまとめた。
<政府の動き>
 環境天然資源省鉱山地球科学局(MGB)Wilfred G.Moncano局長は、インドネシアの低品位ニッケル鉱石輸出禁止の前倒しについて、市場を活用する機会となり、また、いかにより高い品位のニッケル鉱石を供給できるかどうかが鍵となる、との見方を示した。一方、同局長は、ニッケル生産については持続可能な開発を重視しており、現時点で規制緩和は検討していないとも述べた。
 フィリピン政府の動きとしては、現在の規制の中で操業停止命令を出していたニッケル生産者3社に対し停止措置を解除したほか、まだ停止措置が継続している鉱山(ニッケル以外の鉱山も含む)についても、是正措置を講じることを前提に2019年末までの操業再開を示唆した(10月には、そのうちの1件が停止措置解除となったとの情報あり)。特に、地方政府の監査実施のため操業を停止しているTawi-Tawi鉱山については、比較的高い品位の鉱石を産出し2018年は中国向け輸出量も多かったため、迅速に必要な是正措置を講ずるべきだとコメントしている。
<民間の動き>
 フィリピンニッケル産業協会(PNIA)Dante Bravo会長は、インドネシアの輸出禁止前倒しはニッケル業界の追い風になり、各社の増産や中国向け輸出量の増加により、経済成長の牽引役になるかもしれないと述べている。一方、政府の規制がその足枷になるかもしれないとの見方も示している。
 また、ニッケル大手Nickel Asia社が、Mindanao島Caraga地方Cagdianao鉱山の生産能力を2020年から1割増強する方針であることを明らかにしたほか、中規模ニッケル生産会社の中からも新規鉱山開発計画を発表する会社が出てきている。
 なお、リサーチ会社Fitch Solution Macro Research社は、2020年以降はフィリピンのニッケル生産量が再度増加し、インドネシアの生産量を逆転、少なくとも2023年までは世界第1位となるだろうと予測している。

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