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ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛
2019年11月13日 メキシコ 森元英樹

メキシコ:亜鉛生産量、大幅増の可能性

 2019年11月4日付け業界紙は、世界第6位のメキシコ亜鉛生産量(世界の鉱業の趨勢2019 メキシコ参照)は更に順位を上げる可能性があると報じている。同紙推計では、メキシコには6つの主要プロジェクトが存在し、その他にも商業生産に至っていないプロジェクトを含め資本投資額は1bUS$を超えており、今後、150千t/年以上の生産増の可能性があるとしている。しかし、Buenavista亜鉛プロジェクトでは開発遅延の可能性があり、また、Oposuraプロジェクトなどは、小規模事業であり探鉱結果、技術面での課題に加え、市況が大きな影響を与えると付け加えている。
 2019年には、開発が若干遅れている2つのプロジェクトが商業生産に入る可能性がある。1つ目はIndustrias Peñoles社がGuerrero州に保有するMinera Capelaプロジェクト(投資額303mUS$)で、当初の予定では2019年第3四半期に生産が開始される予定であったが2019年末に延期された。2019年第3四半期の同社決算報告書ではプラント・テスト段階であると記されており、生産量は亜鉛40千t/年、銀4.7百万oz/年、銅7千t/年、鉛8.6千t/年を見込んでいる。2つ目は米Southern Copper社(Grupo México社子会社)がZacatecas州に保有し、87mUS$を投じて11年振りに操業を再開(2018年8月29日付 ニュース・フラッシュ:Grupo México社、San Martín鉱山の操業再開を発表参照)するSan Martín鉱山である。Grupo México社の2019年第3四半期決算報告書によると、既に約70mUS$が資本投入されており、近く操業が再開される見込みで亜鉛20千t/年、銀2.8百万oz/年、銅8千t/年、鉛1千t/年の生産を見込んでいる。
 2020年以降に商業生産が開始されるプロジェクトとして注目されるのが、Southern Copper社がSonora州に保有するメキシコ最大級のBuenavista銅鉱山敷地内に新しい亜鉛濃縮装置を建設し新たな亜鉛鉱床を開発するプロジェクト(2019年6月11日付 ニュース・フラッシュ:Buenavista亜鉛プロジェクト開発状況参照)である。2019年第3四半期決算報告書よると、基本設計は終了し環境影響評価を進めている段階にあり、当初計画では2022年第3四半期の生産開始であったが、2021年第4四半期(未発表)に早まる可能性がある。
 また、豪Azure Minerals社は、同社がSonora州に保有するOposura多金属プロジェクト(2018年7月9日付 ニュース・フラッシュ:豪Azure Minerals社、Oposuraプロジェクトの亜鉛資源量2.9百万tと発表参照)において実行可能性評価を進めており、予測では亜鉛19千t/年、鉛10千t/年の生産が見込まれる。
 さらに、世界的に注目が集まるプロジェクトとして、加Silver Bull Resources社がCoahuila州に保有するSierra Mojada亜鉛・銀プロジェクト(2019年7月9日付 ニュース・フラッシュ:Sierra Mojada亜鉛・銀プロジェクト、ラテンアメリカの注目プロジェクトの一つに参照)がある。2019年10月に地元鉱山労働者組合による道路封鎖問題(2019年10月4日付 ニュース・フラッシュ:Silver Bull Resources社、Sierra Mojada亜鉛・銀プロジェクトの作業一時停止が発生参照)が発生したが、その後の探鉱作業は順調に進んでおり、総掘削深度8,000mのボーリング調査が終了する見込みである。なお、2013年に同社は予備経済性評価の結果を公表(2013年10月7日付 ニュース・フラッシュ:加Silver Bull Resources社がSierra Mojada銀・亜鉛プロジェクトの予備経済性評価結果を公表参照)し、金属市況の下落から再検討を行っていたが、小規模、高グレード、高収益のプロジェクトとして調査を進めている。なお、加Southern Silver Exploration社(本社:バンクーバー)がDurango州に保有するCerro Las Minitas多金属プロジェクトは、2019年に新しい評価結果を公表し、概測鉱物資源量(la categoría indicada)は、平均品位がZn 3.7%、Ag 105g/t、Au 0.1g/t、Cu 0.16%、Pb 1.2%で11.1百万tと推計されている。同社の探鉱計画では、プラセオジム2019~2020年に資源量増を目的とした探鉱作業を進める予定であり、2019年9月に4.2mC$を調達し一部を同プロジェクトの探鉱費に充てると発表した。

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