閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛
2020年2月19日 北京 塚田裕之

中国:新型肺炎感染拡大下での鉛・亜鉛鉱山生産状況

 安泰科によると新型肺炎の感染が拡大するなか、各地で感染拡大防止策が強化され、鉛亜鉛業界の生産に影響を及ぼしているところ、国内19省区70か所の鉛亜鉛鉱山を調査対象に設定し、生産への影響について調査した。対象鉱山の生産能力は、精鉱中金属量225万t、鉛精鉱81万tで、それぞれ国内総生産の54%、41%を占める。生産中の企業はほぼ通常の生産状態を継続しているものの、生産中止した企業の復旧時期に大幅な遅れがみられている。
 また、春節期間中でも生産を継続させた大規模鉱山の生産は、従業員の構成や流動が少ないため、今回の新型肺炎感染拡大による大きな影響は見られず、予定通り安定した生産をしている。一部の企業では感染拡大防止のため、坑内作業員数を制限し、稼働率が例年同期比で下回っている。
 一方、春節期間中に点検作業を行ったり、生産停止した企業では大きな影響がみられる。一部の鉱山は、春節休暇を利用した設備点検のため、生産停止且つ休暇明けの2月15日まで点検作業を実施したのち、生産を再開する予定にしていたが、新型肺炎の拡大によって、地方政府の管理体制や従業員の復帰時期に問題などを抱えることとなった。この調査により、現在生産停止中の数多くの鉱山は積極的に生産再開に取り掛かっているが、例年と比べ時期が1~2週間遅れている。通常操業に戻るのは2月末かさらなる遅れも見込まれている。特に厳しい感染拡大防止を実施している湖南省、河南省、江蘇省、陝西省、浙江省等では、一部鉱山の生産再開には地元政府からの承認許可が必要となる。ただし、これら省区の鉛・亜鉛鉱山生産量は国内総生産に占める割合が大きくなく、影響は限定的とみられている。
 内モンゴル北部、東北地域、チベット等高原の寒冷地域では、一連の鉱山は生産停止状態であるが、季節要因によるもので、例年と比べ実質的な影響を受けていないが、生産再開の延期については新型肺炎拡大の状況によって決められる。
 統計データから見ると、感染拡大後、国内68%の亜鉛精鉱生産能力や53%の鉛精鉱生産能力は計画通りに生産を行っており、影響は見られない。約4分の1の鉱山は感染拡大により生産再開時期を遅らせており、そのうち16%の亜鉛精鉱生産及び14%の鉛精鉱生産が再開済または間も無く再開する見通しである。生産停止となっているのはそれぞれ8%、13%となっている。残り、8%の亜鉛精鉱生産能力、20%の鉛精鉱生産能力は計画的な生産停止段階で、新型肺炎拡大による生産への影響は更なる調査が必要とされている。
 感染拡大による鉛・亜鉛産業への影響は、生産だけではなく、輸送面でも非常に大きい。国内鉱山の精鉱輸送方法は、道路が多く、鉄道・水路は非常に少ない。生産中の鉱山からの情報によると、各地の交通規制基準が異なるほか、一部地域の道路が通行止めとなっているため、特に省間の精鉱輸送が問題となっている。同時に鉱山生産に必要な原料の調達等、物流面にも影響が出始めている。鉄道輸送手段を行う鉱山は影響が少ないが、揚子江の輸送が完全に停止すると、製品の輸送が非常に難しくなるのは、国内鉱山の共通課題である。

ページトップへ