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ニュース・フラッシュ

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2020年4月17日 バンクーバー 佐藤すみれ

メキシコ:COVID-19の拡大に伴い活発化する犯罪組織、鉱業部門のリスクが高まる

 2020年4月14日付け地元紙の報道によると、現在国内の犯罪組織が新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を逆手に取った犯罪を行い、複数鉱山が被害を受けていることから、Sonora州鉱業協会(Amsac)は連邦及び州政府に対し治安強化を要請した。この要請は、2020年3~4月の2週間で起こったNoche Buena銀鉱山およびMuratos金鉱山での生産物盗難事件を受けて決定されたものである(2020年4月13日付 ニュース・フラッシュ:Mulatos金鉱山において、生産物強盗事件が発生http://mric.jogmec.go.jp/news_flash/20200413/124286/参照)。Amsacは公式Twitter上にて、「現在世界的に公衆衛生上の緊急事態にある中、国内鉱山も操業停止措置を取っているが、脆弱な部分が犯罪組織のターゲットとなっている。頻発する惨事に懸念を表明し、州および連邦政府に対し鉱山会社の安全を強化するように要請する。」と述べた。
 地元紙によると、現在米国との国境が封鎖されていることから、犯罪組織が麻薬輸出によって得られる収入も減少しており、結果鉱山での盗難も増加しているという。IHS Markit社のラテンアメリカリスク分析担当者は、鉱山セキュリティを確保できない弱体化した国家能力の結果として、犯罪組織がこれまで以上に勢力を強めていると分析している。また、多くの鉱山がリスク回避のため貴金属輸出に航空機を利用しているものの、Mulatos鉱山での事件により、組織がいかに高い犯罪能力を持っているかを知らしめることとなったと述べた。近年、鉱山企業はより高度かつ高価なセキュリティ対策を施しているにもかかわらず、犯罪組織はその弱点を悪用し続けている。過去2週間で発生した事件は2件と報じられているものの、多くのケースが報告されないため、実際の犯罪件数を把握することは困難である。COVID-19が広まるにつれ犯罪が増加したように見えるが、同時に警察が十分な治安維持能力を備えていないことを反映している。
 Control Risks社のアナリストは地元紙に対し、大統領による治安維持戦略は良い結果を生み出しておらず、特に鉱業部門に対する治安の懸念が高まっており、この状況は今後も続くであろうとの見解を述べた。

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