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ニュース・フラッシュ

鉱種:
コバルト
2020年4月28日 ロンドン 倉田清香

その他:Roskill社、新型コロナウイルスのコバルト供給への影響分析を公表

 英Roskill社は、2020年4月17日付けで新型コロナウイルス肺炎の拡大によるコバルト供給への影響に関する分析記事を発表した。
 各国が新型コロナウイルス肺炎拡大の防止と管理のための措置を講じており、今年3月以降多数の鉱山でコバルト生産に係る操業が一時停止している。Roskill社は現在21の操業停止を確認しており、これらにはブラジルVale社による加Voisey’s Bay鉱山、スイスGlencore社による加Sudbury鉱山、マダガスカルAmbatovy鉱山、フィリピンCoral Bay社及びTaganito社並びにモロッコCTT社を含む。現時点で、これらの停止による減少量は2019年の全供給量の1%を超えている。
 Roskill社は、こうした防止と管理のための措置が世界規模でさらに拡大された場合には、コバルト市場がより深刻な供給の混乱に直面すると予想している。新型コロナウイルス肺炎の流行がまだ初期段階にある主要なコバルト産出地域のアフリカにとっては、この影響が重要な意味を持つ可能性がある。南アでは3月下旬から5週間のロックダウンが発表され、続いてDRコンゴのHaut Katanga地域では48時間のロックダウンが発表されたことにより、市場はすでに懸念を示している。
 Haut Katanga地域とこの近接のLualaba州では、Glencore社のKatanga鉱山、カザフスタンERG社のRTRプロジェクト及びDRコンゴChemaf社のEtoile鉱山といった多くの主要なコバルト事業の操業が行われている。これらの地域やDRコンゴの他の地域で採掘されるコバルトは、一般的に南アDurban港を経由して、製錬のため主に中国に輸送される。
 しかし、南アにおける閉鎖の拡大により、ほとんどの貨物は現在モザンビークのMaputa港やタンザニアのDar es Salaam港といった他の近隣港へ持ち込まれる必要がある。この物流変更により、水酸化コバルト・コバルト精鉱を運んでいる数千台のトラックが現在DRコンゴの国境の通関で行列を作っているため、輸送可能なコバルトの量が減少している、とRoskill社は理解している。
 一方で、物流の制限や利用可能なトラック数の減少により、機材や試薬などのコバルト生産に不可欠な品々の輸送も課題となっている。パンデミックの拡大によって物流の制限が続くか、又はより厳しくなった場合、建設や事業の立ち上げが遅れ、新プロジェクトにとっては特に困難な状況となる可能性がある。
 供給と需要の両方を取り巻く不確実性の結果として、コバルト製錬業者が固定価格による購入を優先して慎重に原料を購入し、将来リスクを最小化している、とRoskill社は理解している。中国及び他のアジアの港には5月以降必要な水酸化コバルトの在庫が十分にあるものの、Roskill社は中間供給が2020年第3四半期にタイトになると予想している。

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