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2020年5月22日 ジャカルタ 南博志

インドネシア:改正新鉱業法がインドネシア国民議会で可決

 2020年5月13日付け地元メディアによると、2020年5月12日、インドネシア国民議会は2009年新鉱業法(2009年第4号)の改正案を可決した。主な改正のポイントを以下にまとめる。

  1. 2009年新鉱業法で規定された鉱業事業許可(IUP)及び特別鉱業事業許可(IUPK)について、新鉱業法以前の労働契約(KK)及び炭鉱労働契約(PKP2B)からの切替えとともに、最長で20年間の操業期間延長が保証されることとなった。この操業期間延長については、金属鉱物に関しては、PT Freeport Indonesiaの株式売却交渉に伴うIUPKへの切替えの際に既に課題の一つとなっており、合意書では操業延長20年を承認したとしていたが、この改正により整合性をとった形となった。また石炭に関しても、IUPやIUPKへの切替えに際しての操業期間延長が問題になっていたが、これにより障害がなくなった。主要な石炭事業者の鉱業事業契約(CoW)の契約期限が2020年に切れるという背景もあり、石炭業界は本改正を歓迎している。
  2. 高付加価値化の促進、具体的には金属鉱業会社の新規製錬所開発や、炭鉱会社の石炭火力発電所開発等の下流産業への投資を引き出すためのインセンティブを導入した。鉱山操業のみの事業者には、上記のとおり20年間の操業期間延長が保証されるが、下流の施設も開発した事業者には30年間の延長と無制限の更新が保証されることとなった。また、エネルギー鉱物資源省が2年以内に、5年間の下流産業開発ロードマップを作成することも要求している。
  3. 今後3年間(2020~2023年)、未加工鉱物の輸出の緩和を規定した。輸出認可の条件として、製精錬事業の実施、新規国内製錬所の建設、他の事業者の製精錬事業への協力を行っていることが挙げられている。これにより、銅精鉱、アノードスライム、洗浄工程後ボーキサイト(品位42%以上)については、輸出緩和の停止が1年間延期となる。なお、エネルギー鉱物資源省は、ニッケル鉱石の輸出を再開する予定はないと発言している。
  4. 外国資本が所有するIUP及びIUPKについては、2009年新鉱業法においても生産開始後5年経過後から事業の株式を政府・地方政府・国内資本へ売却することが規定されており、その後2010年施行の大臣規則にて5年経過後から段階的に売却し、10年経過後には51%売却とすることを規定していた。今回の改正新鉱業法では、この売却義務が詳細に規定されているとのことであるが、改正新鉱業法の法律全文が現時点で公開されていないため、詳細は不明となっている。なお、エネルギー鉱物資源省は「この売却の規定がインドネシアへの投資の障害にならないようにし、かつ、国内経済成長と雇用をサポートするものである」と述べている。
  5. 新規鉱床発見のための探鉱準備金の積み立て義務が規定された。鉱業会社の探鉱投資促進、未探鉱地域を探査することによる国の資源埋蔵量の拡大が目的である。
  6. 環境保護の観点から、鉱業会社に閉山後の覆土及び覆土のための基金積み立ての義務が規定された。

 以上、本改正新鉱業法制定には過去の政策との整合性をとるという側面もあるほか、法制定時2009年と同様に、今後1年以内に関係する施行規則を制定するとされており(前回の2009年には1年以内の期限から遅れて制定された規則もあった)、この改正新鉱業法の運用を詳細に把握するためには、関連施行規則等の改正・制定について、その都度情報を収集していく必要がある。
 なお、本法案は現在大統領府に送られているところであり、30日以内にJoko Widodo大統領が署名し、押印後に正式に公布・施行される予定。

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