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2020年6月23日 バンクーバー 佐藤すみれ

メキシコ:鉱業界を揺さぶったAMLO大統領の発言10選

 2020年6月19日付け地元紙によれば、Andrés Manuel López Obrador(AMLO)大統領がこれまでに環境及び社会的観点から鉱業界に対する批判を継続してきたことで、鉱業界にとって不穏な状況が続いている。AMLO大統領が選挙で勝利を収めてから約2年が経過する中、地元紙はこれまでの大統領による発言を振り返り、最も鉱業界を揺るがせた発言として以下のとおり抜粋した。
・2018年4月「鉱山労働者が互いに団結することを求める。鉱業界は労働者を救済しない。」
 当時世論調査で最有力候補となったAMLO大統領は、鉱山企業と鉱山労働者、鉄鋼労働者の紛争、及び労働者間の派閥分裂(加盟労組紛争)を解決するために努力すると発言した。
・2018年5月「Germán Larrea氏は今が順調であるから環境の変化を望んでいない。」
 選挙キャンペーンの演説において、国内の億万長者がこれまでの腐敗した政治環境から恩恵を受けてきたと非難し、Grupo Mexico社のCEO、Germán Larrea氏を名指したことでその後論争に発展した。Larrea氏は従業員に対し、AMLO大統領候補(当時)が掲げるポピュリズム経済モデルが国に災いをもたらすと警告し、大統領選挙において賢明な投票を行うよう促していた。
・2018年9月「鉱山企業は周辺コミュニティに危害を及ぼす一方で恩恵をもたらさないことから、地元コミュニティを支援しなければならない。」
 この発言とともに鉱山企業が過去にもたらした社会及び環境的問題を非難し、地元住民の福祉を重視する政策方針の先触れとなった。
・2018年9月「民主主義とは、あらゆる事柄の決定に関し民衆と協議し、実行に移されることである。Los Cardonesプロジェクトの開発に関する一切の決定は住民に委ねる。」
 AMLO大統領は、住民に鉱業プロジェクトに関する投票権を与えることで、住民に拒否権を与えることができると主張し、墨Invecture Group社が南Baja California州に保有するLos Cardones金プロジェクトが、鉱業プロジェクトとして初の住民協議対象に決定された。
・2019年3月「『鉱業反対』と南Baja California州の住民に申す。なぜなら我々は楽園を守り、自然を保護しなければならないからだ。」
 Los Cardonesプロジェクト開発に対し行われた住民協議の結果、開発中断が決定されたが、これに関し企業による鉱山開発計画及び投資家による意見は考慮されなかった。
・2019年8月「鉱山労働者に対する賃金をカナダや米国と同等の水準に引き上げることを要求する。なぜメキシコでは10分の1の賃金しか支払われないのか。」
 AMLO大統領は北米と比較し、メキシコ鉱業部門の労働賃金が低いこと指摘、それに加え環境基準を北米と同等に設定すべきと主張した。
・2019年8月「現行の鉱業権は廃止しないが、すでに十分付与されているため、今後新たな鉱業権は承認しない。」
 これまでに最も物議を醸した公約の1つであり、過去の政権があまりにも簡単に鉱業権を付与してきたと主張したほか、その多くが採掘ではなく投機のみを目的としていると非難した。
・2019年11月「引き続き現行の鉱業規制に従い活動を行うことになるが、必要に応じて政権中期に修正案を提出することも考えられる。」
 環境規制や鉱業権に関連した法改正の可能性に言及し不確実性が高まったことで、鉱業界は今後の投資に影響を与えると懸念を示した。
・2020年6月19日「複数のカナダ鉱山企業が税金を滞納している、各社は国際司法裁判所に出向きたいようだ。」
 AMLO大統領はカナダ企業による滞納を指摘し、加First Majestic Silver社はメキシコ国税庁より209mUS$の追加徴税を課されたことから、2020年5月に仲裁手続きを開始した。
・2020年6月「連邦政府は対話の場を設ける用意はあるが、納税義務の免除は許容できない。」
 先述の発言に関連し、大統領は加Trudeau首相に対し各企業に支払い圧力をかけるよう求めたことを明かした。

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