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ニュース・フラッシュ

鉱種:
その他 コバルト
2020年6月23日 北京 塚田裕之

中国:2020年5月の国内電池正極材料生産状況について

 中国における情報・通信・家電産業(3C)の需要回復により、5月の四酸化コバルト及びコバルト酸リチウムの生産は増加となった。安泰科の統計データによると、5月の四酸化コバルト生産は、前年同月比0.66%増の4,530t、前月比3.66%増加した。コバルト酸リチウムの生産は前年同月比10.74%増の5,980t、前月比5.65%増であった。以上2種製品の生産量は前月比で伸び幅がやや減速したが、全体の生産は通常レベルに戻った。
 5月の三元前駆体及び三元系材料(リチウムイオン電池(LIB)の正極材料)の生産はやや増加したが、伸び幅は小さい。新エネルギー車の生産・販売は依然回復段階あるため、駆動用バッテリー向け三元前駆体及び三元系材料の需要は大幅には増加していない。5月の三元前駆体生産量は、前年同月比9.6%減の2.07万tで、前月比3.43%増加した。三元系正極材料の生産量は前年同月比15.64%減の1.43万t、前月比4.44%増加した。国内需要の飽和状態は、正極材料の生産・販売量の増加を後押しできず、今後2か月は現状維持あるいはわずかに減少する見込み。ただし、海外の新型コロナウイルス感染拡大が9月中に収束すれば、欧米諸国のクリスマス商戦に向け、工業生産及び消費活動が徐々に回復し、3C製品の需要増が見込まれる。
 欧州での新エネルギー車生産販売促進政策の推進による駆動用バッテリーの需要の回復とともに、海外の電池生産企業による需要が高まり、中国の正極材料前駆体と正極材料の輸出量も徐々に回復することが期待される。また、国内の新エネルギー車の生産販売も徐々に軌道を回復し、駆動用バッテリー正極材料需要も次第に高まる見込み。
 リン酸鉄リチウム電池(LFP)が注目を浴びているが、三元系材料の市場構造を変革させることは困難であるため、三元系材料の生産販売量は着実に増加する。第3四半期末にはコバルト製品への需要に大幅な改善がみられる見込み。

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