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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2020年8月3日 ジャカルタ 南博志

インドネシア:ニッケル鉱石販売下限価格の違反に制裁を科す方針

 2020年7月29日付け地元メディアによると、エネルギー鉱物資源省は2020年5月13日付けで施行された国内製錬会社へのニッケル鉱石販売価格に下限を設定する大臣規則(2020年第11号)について、違反した企業に対して制裁を科す方針を明らかにした。海事投資調整庁Septian Hario Seto次官は7月23日、「政府はニッケル鉱石全面輸出禁止を撤回することはない。規則に則り、鉱山会社は鉱石全面輸出禁止を、製錬会社は鉱石販売下限価格を遵守しなければならず、違反した場合には既に許可している輸出割当量の削減や操業許可の取り消し等の制裁を科す可能性がある。」と明言した。これに対し、鉱山会社側団体のインドネシアニッケル鉱業協会(APNI)はこれを歓迎、製錬会社側団体のインドネシア製精錬事業者協会(AP3I)は強硬に反対しているという。
 なお、インドネシアでは2020年1月1日からニッケル鉱石の再度全面輸出禁止を当初予定より2年前倒しで実施。それに伴い、ニッケル鉱石の国際販売価格が国内製錬会社への販売価格より高値であることにより、鉱山会社(特に自社で製錬所を持たない中小の鉱山会社)が損害を被ることが懸念されたため、政府は国内販売価格の下限設定を行う上記規則を制定していた。規則によると、下限価格は毎月エネルギー鉱物資源省が複数の国際指標価格を参考に決定しているHPM(Harga Patokan Mineral:鉱物ベンチマーク価格)を基準として設定される。しかし、制定当初から、AP3Iはこの基準が鉱山側に有利な価格設定になっているとして反対し、本規則に従わない国内鉱山会社のみから鉱石を購入する等したため、APNIはニッケル鉱石全面輸出禁止の撤廃を政府に要求する等、上記規則が遵守されない事態となっていた。
 さらに2020年7月24日付け地元メディアによると、国内のニッケル製錬所、ステンレス鋼メーカー等合計23社は、インドネシア・ニッケル産業フォーラム(Forum Industri Nikel Indonesia:FINI)を設立した。同フォーラムのWebサイトには、「ニッケル鉱石の価格決定に積極的に貢献する」旨がビジョンとして記載されていることから、本件が設立のきっかけの一つとなっていると推測される。

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