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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2020年9月1日 ジャカルタ 南博志

インドネシア:政府がニッケル鉱石取引価格監視チームを設置

 2020年8月17日付け地元メディアによると、政府は、規定したニッケル鉱石販売時の下限価格を遵守させるため、海事投資調整大臣令2020年第108号を8月13日付けで制定し、ニッケル鉱石取引価格監視チームを設置した。同チームは海事投資調整大臣、エネルギー鉱物資源大臣、商業大臣、貿易大臣、財務大臣、投資調整庁長官の各閣僚を責任者とし、チームリーダーを海事投資調整庁・鉱業及び投資担当次官、副リーダーを各省庁の担当局長等が務めるほか、各省庁の幹部クラスをチーム員とする構成となっている。作業にあたっては運営チームと実装チームの2班に分け、前者は「取引にあたり鉱山側(売り手)、製錬者側(買い手)の双方に取引監督者の紹介・割り当て・管理を行う役割」、後者は「取引監督者として、取引価格が法令で定めた下限価格を遵守しているかどうか、鉱山側と製錬者側の双方が法令を遵守して事業活動を行っているか等を確認する役割」を担う旨、規定されているとのこと。
 また、同年8月18日付け地元メディアによると、これに対し、鉱山側を代表する業界団体のインドネシアニッケル鉱業協会(APNI)は「すべてのニッケル関係者が規定したニッケル鉱石販売時の下限価格を遵守するようになること」について期待感を表明した。一方、製錬者側のインドネシア製精錬事業者協会(AP3I)は「すべての取引に公正な審判がくだり正当な価格で売買が行われること」について期待すると述べた。今のところ、両者ともそれぞれこれまでの対立する意見・姿勢を崩していない。
 なお、インドネシアでは本年1月からのニッケル鉱石の再度の全面輸出禁止に伴い、ニッケル鉱石の国際販売価格が国内製錬会社への販売価格より高値であることにより、鉱山会社(特に自社で製錬所を持たない中小の鉱山会社)が損害を被ることが懸念されたため、政府は国内販売価格の下限設定を行う規則を本年4月に制定していた(下限価格は、毎月の複数の国際指標価格を参考に決定するHPM鉱物ベンチマーク価格を基準に設定)。しかし、制定当初から鉱山側と製錬者側の意見が対立し、この規則が遵守されない事態となっていた。

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