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2020年9月15日 リマ 栗原健一

エクアドル:憲法裁判所、Azuay県知事の3回目の住民投票実施要請を却下

 2020年8月31日、エクアドル鉱業会議所は、憲法裁判所が28日、2020年8月初めにAzuay県知事により提出された住民投票実施要請を却下し、かつ結審する旨決定したと伝えた。
 憲法裁判所の全体会議における過半数意見の結論は、審理対象のAzuay県知事による質問が、前段のいくつかの考慮事項において不明確、誘導的、不完全で、投票者が自由に責任を持って決定することを妨げるとした。加えて、異なった鉱業規模が単一のカテゴリーにまとめられていると判断し、投票者は一つの質問の中にある複数のテーマについて意見を表明せざるを得なくなることから、「司法権の保証と憲法管理組織法」が禁止する「賛成或いは反対の一括表明」に明確に抵触すると判断した。裁判所は更に、質問が曖昧であり、投票結果が質問に賛成する形になった場合、どのような措置が取られるべきかを決めていないと判断した。
 他方、裁判所は、これら形式上の不備があるために、住民投票の根本として、「憲法261条が国家の独占的権限として規定している事項に関して地元レベルの住民投票は実施し得ない」、「既得権侵害」、「憲法407条が(禁止地域として)規定していない地域における金属鉱業活動を住民投票が新たに禁止することはあり得ない」という点について、裁判官諸氏が決定を下すことが出来なくなったとコメントした。
 一方、9月1日付け地元紙によると、Cuenca郡議会は同日、全員一致で住民投票実施を決定した。この内容は、5本の河川(Norcay川、Machángara川、Tarqui川、Tomebamba川及びYanuncay川)の涵養域内にある高山草原地帯と湿地帯に近い地域における大規模金属鉱業プロジェクトを受け入れるか否かを同郡住民が決めるというもので、次のステップは合憲性審査のため憲法裁判所に5つの質問を提出(合法性審査要請)することとなる。Aguilar議員によれば、投票者が混乱しないよう、5つの質問は中立的な言葉遣いで、主観を交えず、偏らずに作成され、憲法裁判所が却下しないよう影響地域を限定かつ活動を特定しており、その結果質問は次のようになるとした。
 (質問)クエンカ市通信・上下水道・衛生市営企業(ETAPA)が設定した境界に基づいたTarqui川涵養域における大規模金属鉱業の採掘活動を禁止することに賛成するか?
 つまり、内容は変えず5本の河川の名称を入れ替えて計5つの質問にするとした。郡議会は、早急に要請を提出のうえ30日以内に回答を得ることを期待しており、憲法裁判所が承認した場合、来年2021年2月の大統領選挙時、または、決選投票が行われる場合は2021年3月の投票実施を検討している。
 なお、Azuay県鉱業会議所のVargas会頭は、憲法裁判所には「法廷助言者(Amicus Curiae)」を提出すると述べ、Azuay県知事の要請が3回とも却下されたように本件も却下されることが期待されると発言した。

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