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ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛 鉄鉱石 その他 リチウム
2020年9月24日 リマ 栗原健一

ペルー:アフターコロナにおける中南米鉱業の動向見通し

 2020年9月17日付け地元業界紙によると、BNamericasが、Vantaz Group(コンサルタント)やペルー鉱業技師協会(IIMP)をはじめとする各国の鉱業関連団体の協力のもと、2020年7月26日から8月21日の間にアフターコロナにおける鉱業活動に関するアンケートを実施したところ、325人から回答が寄せられた。なお、回答者の所属先は主要大規模鉱山企業16%、中小鉱山企業7%、ジュニア企業5%、重機やその部品メンテナンスサプライヤー14%、コンサルタント13%などとなっている。また回答者の所属する企業が活動する国は、ペルー71%、チリ44%、メキシコ24%、アルゼンチン23%、コロンビアとエクアドルはそれぞれ22%、ボリビア15%、パナマ10%で、ターゲットの金属は銅74%、金65%、銀54%、亜鉛・鉛41%、鉄27%、リチウム26%などとなっている。
 アンケートでは、まずCOVID-19の感染収束後における中南米地域の鉱業活動について、全回答者の39%が新規プロジェクトの承認・設計の動きが高まるとの見通しを示した一方、32%が新規プロジェクトはむしろ減少すると回答、また13%は特段の変化はないとの見通しを示した。この結果についてBNamericasは、ここ2~3か月間における金属価格上昇が、新規プロジェクト増加の見通しの主な要因だが、政府による投資・経済回復推進政策への期待も反映されているとの考えを示した。その上で、新規案件の増加が実現するには多くの国で長年懸案である許認可手続き(の簡素化)が最重要課題の一つであるとの認識を示した。
 次に、COVID-19以前の投資レベルの回復時期については、全回答者のうち76%が2021年(このうち48%が下半期、28%が上半期)と回答した一方、6%が2020年下半期、18%が2022年以降になるとの見通しを示した。この結果に関してアンケート結果報告書では、主にCOVID-19により中断された建設段階以降の事業が最初に再開し、それ以前の段階にある探鉱や地質調査などの活動再開にはより時間がかかるとの見方が示された。
 また融資に関しては、30%が今後12か月以内に資金調達を行うと回答した一方、35%は行わないと回答した。また、45%が現在の融資条件は12か月前に比べ厳しいと回答した一方で、41%が2021年には現在よりも融資条件は改善するとの見通しを示した。
 さらに、アフターコロナにおける鉱業セクターや所属企業・団体の回復にとって最大の脅威は何かとの質問に対しては、31%がCOVID-19の感染再拡大、28%が政治的・法的な不安定性、10%がカントリーリスクや資源ナショナリズムの増大であると回答した。
 最後に、域内諸国の投資環境については、チリが1位(47%)で、ペルーが2位(30%)、エクアドルが3位(5%)となった。
 これに関してアンケート結果報告書では、チリやペルーはともに政治・社会的な不安定性が存在するものの、大規模鉱業の長い伝統、熟練労働力、合理的な法的明確性と安定性、鉱業中心に確立された経済、中央政府による揺るぎない鉱業支援など、長期的な鉱業活動の支えとなる共通要素が存在するためであると分析した。

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