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ニュース・フラッシュ

鉱種:
その他 ニッケル
2020年11月4日 ジャカルタ 南博志

インドネシア:政府が国内EV向け電池工場の建設を強力に推進

 標題のニュースに関して、2020年10月の地元メディアの報道を取りまとめた。
 10月15日付け、16日付け及び18日付け記事によると、国営鉱業持株会社MIND IDのOrias Petrus Moedak CEOは、電気自動車(EV)向け電池を生産する事業持株会社「Indonesia Battery Holding(IBH)」の設立を計画していることを明らかにした。IBHには、MIND IDに加えて、国営非鉄金属会社PT Aneka Tambang(Antam)、国営石油会社PT Pertamina(Persero)、国営電力会社PT PLN(Persero)の国営企業計4社が参画予定とのこと。さらには、IBHが中国・電池メーカーCATL(寧徳時代新能源科技)社及び韓国・LG Chemical社とJV会社を設立し、EV向け電池工場を建設する計画となっており、現在協議を進めているという。これら中韓2社で合計12bUS$を出資する見込み。なお、同CEOによると、日本企業にも声をかけていたが、中韓企業との協議の方が早く進行したという。JV会社の事業においては、上流のニッケル鉱山から中間製品や電池生産の下流に至るサプライチェーンに加えて、電池のリサイクルまで一貫して関与する方針としており、MIND ID及びAntamが原料ニッケル鉱石等の供給、Pertaminaが中韓2社とともに工場建設や製品の製造工程、PLNが製品の流通を担当する予定。生産開始の目標は2023年である。同CEOは、「MIND IDのPT Vale Indonesia株式20%取得によりニッケル原料は十分確保できている。しかし、少なくともリチウムの確保には国外への投資が必要である。」と説明した。また、将来的には、インドネシア国内でEV自体の製造まで行うことを視野に入れているとのこと。インドネシア政府としては、2020年7月に、Luhut Pandjaitan海事投資調整大臣が将来はEV向け電池の主要供給国になると宣言していた。
 他方、10月7日付け記事によると、海事投資調整大臣府インフラ・輸送担当Ayodhia Kalake次官は、EVメーカーの米Tesla社がインドネシア国内での事業投資を計画していることを非公式に伝えてきたことを明らかにした。投資可能性についての協議は初期段階とのこと。Tesla社のElon Musk CEOは2020年7月、バッテリーのコストが同社の成長の大きなハードルになっているとして、ニッケル鉱業各社に生産拡大を求めていた。また、10月19日付け記事によると、Agus Gumiawang Kartasasmita産業大臣が、Tesla社が大きな工業地帯である中部Java州Batangに工場を建設する可能性に言及した。ただし、メディアの取材に対しTesla社はコメントしていない。
 また、その他にもインドネシアにおいてEV向け電池工場の計画は散見される。地元乾電池会社International Chemical Industry社(通称:ABCバッテリー)や、中国系エネルギー貯蔵・充電技術会社DESTEN社及び金融投資等会社JTA Holding Investment社の投資協力のEV向け電池工場建設計画が報じられている。

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