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ニュース・フラッシュ

鉱種:
アルミニウム/ボーキサイト
2020年12月21日 北京 塚田裕之

EU:国産アルミ転換箔製品に対する反補助金の立案調査申請を提出

 2020年10月20日、EUのアルミ生産企業6社(表1)は、中国から輸入したアルミ転換箔(Aluminum converter foil)に対する反補助金の立案調査を申請した。これら6社生産企業の生産は欧州でのアルミ転換箔の総生産50%以上を占めている。

表1.立案調査申請企業リスト
提訴企業
1 Carcano Antonio S.p.A
2 Eurofoil Luxembourg S.A.
3 Hydro Aluminium Rolled Products GmbH
4 Impold.o.o.
5 Slim Aluminium S.p.A.
6 Symetal S.A.

 今回の反補助金の立案調査申請を提出した企業は、反ダンピング立案調査の申請企業と同様である。本案件調査対象期間は2019年第1四半期から2020年第1四半期まで。立案調査申請の中に、南山アルミ業公司と杭州五星アルミ業公司の2社に対する単独調査も記載されている。欧州のデータによると、2019年、欧州が輸入したアルミ転換箔8.0万tのうち、中国から5.4万t、輸入総量の68%を占めた。EUのアルミ転換箔の消費量は24.6万tで、そのうち中国製が22%を占めている。

表2.EUにおけるアルミ転換箔輸入及び消費状況     (t)
2016 2017 2018 2019
総量 57,732 67,002 75,265 79,870
中国からの輸入量 37,252 41,246 49,768 54,377
占めている割合 64.5% 61.6% 66.1% 68.1%
EU転換アルミ箔 消費量 244,775 260,686 254,895 245,944
そのうち中国産市場占有率 15.2% 15.8% 19.50% 22.1%

出典:欧州連合

 通常、EU合同委員会は反ダンピング調査を行った後にすぐ反補助金調査を行う。2017年12月、EU合同委員会は「新貿易防御法」改訂版を公表するのと同時に、中国による市場歪曲の実態報告書も公表した。アルミ産業は同報告書にて注目する四つの産業のうちの一つである。近年、中国のアルミ業界に対しEUから高い関心が集まっているが、アルミ箔製品は、EUの貿易摩擦により最も早く被害を受けたアルミ製品であった。今回のEUの生産企業が中国製アルミ転換箔に対する反ダンピング立案調査を申請後、反補助金の立案調査申請を提出することについては予想内であった。今回の反補助金の立案調査申請を提出した企業が、前回反ダンピング立案調査の企業と同様で、EUが反補助金調査を開始すれば、EU初の中国製アルミ製品への反補助金調査案件となる。もしEU合同委員会が最終的に反補助金・反ダンピング承認を裁定すれば、中国からEUに輸出したアルミ転換箔製品に対し、反ダンピング・反補助金の一括した税率を徴収することになり、輸出抵抗が大きくなる。

表3.これまでEUの対中国製アルミ材及びアルミ製品の貿易摩擦事件
順番 事件時間 事件内容
1 2015年12月18日 中国製アルミ箔に対する反ダンピング日没再審で初の承認裁定(アルミ箔:0.008〜0.018㎜)
2 2017年1月24日 アルミ合金ハブに対する反ダンピング日没再審で初の承認裁定
3 2019年1月15日 中国製アルミ放熱器に対する反ダンピング日没再審で初の承認裁定
4 2019年6月5日 中国製アルミコイルに対する反ダンピング日没再審で初の承認裁定(厚さ:0.007〜0.021mm)
5 2020年8月14日 中国製アルミ圧延に対する反ダンピング調査を開始
6 2020年10月13日 中国製アルミ型材に対する反ダンピングの仮裁定を下した
7 2020年10月20日 中国製アルミ転換箔製品に対する反補助金立案調査申請を提出
8 2020年10月22日 中国製アルミ転換箔製品に対する反ダンピング調査を開始
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