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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2021年2月10日 ジャカルタ 川村伸弥

インドネシア:車載電池の協業候補7社選定

 地元メディアが2021年2月2日に伝えたところによると、インドネシア政府は、国営企業が主体となって進めている車載用電池の製造事業について、国営企業と協業する国際企業を中韓米と日本の計7社に絞り込んだ。政府は国内の年産能力を140GWhとする目標を掲げており、川下から川上までの総投資額は最大17.4bUS$規模が必要になるとみている。
 政府の車載電池プロジェクト促進チームを統括するAgus Tjahajana氏が、国会第7委員会(エネルギー・鉱物資源関連)の作業部会で明らかにした。7社は、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)、比亜迪(BYD)、中国系ファラシス・エナジー、米電気自動車大手テスラ、韓国のLGエナジーソリューション(旧LG化学バッテリー事業部門・LGエナジー)、サムスングループのサムスンSDI、日本のパナソニック。年内に協業相手の決定を目指す。
 政府は協業企業の選定を進めると共に、国内への誘致のために優遇策の策定にも取り組む。国営企業省は財務省やエネルギー鉱物資源省など関連省庁に、リチウムイオン電池の材料やリサイクル用電池の輸入関税免除、関連企業へのタックスホリデー(法人所得税一時免税措置)の適用、ニッケルの加工に必要な許認可の簡素化などを提案している。
 Joko大統領は豊富な資源を武器に世界最大のリチウムイオン電池生産国になる目標を明らかにしており、国営企業省が6月までに設立する方針の国営企業のコンソーシアム(共同企業体)を開発主体に位置づけている。MIND ID、PT Antam、PT Pertamina、PT PLNの4社で、PT Indonesia Battery Holdingというコンソーシアム会社を設立し、外国のパートナーと協力して国内の電気自動車(EV)のバッテリー産業を発展させるとしており、膨大なニッケル埋蔵量を保持するMIND IDとPT Antamは、ニッケル鉱石を硫酸ニッケルに加工し、さらに前駆体やカソードなどのEVバッテリー製造用の中間製品に加工、PT Pertaminaは、バッテリーセル、バッテリーパック、エネルギー貯蔵システムなどの下流製品の製造を担当、PT PLNは、バッテリーセルの製造、EVバッテリー充電ステーションやEVバッテリースワップステーションなどのインフラ設備の開発を担当するとしている。Agus氏によると、2023年までにニッケルなどの製錬所や加工工場の拡充などを実施し、2026年までに四輪車やバイクなどの車載電池製造工場の完成を目指す。Agus氏は2027年には国内総生産(GDP)を25bUS$(約2兆6,000億円)押し上げ、2万3,000人の雇用を創出し、9bUS$分の輸出超過に貢献できるようにすると述べている。
 また、Agus氏は、全国で新しい充電ステーションやスワップステーションの開発が今年開始される予定であり、今後4~5年以内に、PT Nasional Hijau Lestariがバッテリーリサイクルプラントの建設を開始すると述べるとともに、2025年に実現することが期待されるEVバッテリー産業のサプライチェーンに関連する3つの目標を設定したと述べた。1つ目は、国内需要と輸出市場に対応するため年間50~100千tの硫酸ニッケルを製造し、上流部門のグローバルプレーヤーとなること、2つ目は、中間製品の世界的な生産者となり、年間120〜240千tの前駆体とバッテリーカソードを生産すること、3つ目は、東南アジアでバッテリーセルとEVを生産する下流側の主要な地域プレーヤーになることで、目標を実現するため、政府は潜在的な外国のパートナーを探していると述べている。

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