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ニュース・フラッシュ

鉱種:
その他 リチウム
2021年2月12日 リマ 栗原健一

ペルー:大統領選の主要候補所属政党の鉱業政策方針(Victoria Nacional党)

 2021年4月11日に大統領選が予定される中、ペルー経済研究所(IEP)は2021年1月30日、「明日が選挙日の場合、どの候補者に投票するか」と質問したアンケートの結果、首位がGeorge Forsyth候補(Victoria Nacional党13.3%)、2位Veronica Mendoza候補(Juntos Por el Peru党8.3%)、3位Yonny Lescano候補(Acción Popular党7.1%)、4位Keiko Fujimori候補(Juerza Popular党6.7%)となった。
 首位のForsyth候補の所属するVictoria Nacional党が全国選挙審議会(JNE)に提出した2021~2026年政策プランでは、以下のような鉱業政策方針や提案が示されている。
 まず鉱業全般に対する視点として、ペルーはインカ帝国以前からの鉱業国であり、鉱業と農業は歴史的に共存してきたとした上で、現在も国内に存在する豊かな鉱物・炭化水素資源を上手く活用することで、地方が必要とする生産多様化の財源を生むことができると主張。環境に配慮した鉱業を推進する一方、違法鉱業根絶やインフォーマル鉱業合法化に取り組む方針を示している。
 さらに、現在のペルー鉱業の問題として以下の5点を挙げ、具体的な政策提案や目標を示している。
1.探鉱から採掘の全フェーズにおける膨大な許認可手続によるコスト増加、投資減退、審査承認期間の遅れ。一部の鉱業権者による法令違反による業界全体のイメージ低下。
主な政策提案:「真のワンストップサービス実現による手続簡素化や審査期間の履行」、「環境省、農業省及びその他関連機関の環境担当部署における審査基準の統一による、審査官の裁量判断の制限」などにより、2026年に許認可審査承認期間の50%短縮などを目標とする。
2.鉱業Canon税の財源が地域開発に結び付かず、社会争議が多発。
主な政策提案:鉱業Canon税や鉱業ロイヤルティ、民間年金基金(AFP)等からの拠出により「天然資源鉱区影響エリア・多セクター持続開発融資信託基金」(FONDEM)を設立し、社会・経済的リターンの大きな多セクター(農業、牧畜、森林、観光、冶金など)プロジェクトに投資。鉱山企業の利益50%以上を操業州への再投資を目的とした、政府・鉱業セクター間の「社会合意」の締結などを通じ、鉱業関連社会争議件数減少を目標とする。
3.国による休廃止鉱山鉱害(PAM)の対策能力不足、これを要因とする新規鉱業プロジェクトでの社会争議発生。
主な政策提案:最も危険なPAM120件を手始めとして、組織的な対策を実施。2026年までに2千件のPAM修復を目標とする。
4.Puno州の大規模リチウム鉱床プロジェクトの実施に必要な制度整備の遅れ。
主な政策提案:国益に資する戦略プロジェクトに指定、持続的開発や地域コミュニティとの価値共有の枠組内で、リチウム生産や付加価値創造の可能性に関して調査を実施。2022年までにFSの完了、承認を目標とする。
5.小規模・零細鉱業が国家計画に含まれていない。
主な政策提案:高水準の処理プラント利用推進や中期的な税制優遇措置により、インフォーマル鉱業を削減。2026年にインフォーマル鉱業80%合法化や鉱業廃水のリアルタイム監視を目標とする。

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