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ニュース・フラッシュ

鉱種:
レアアース/希土類
2021年2月16日 北京 塚田裕之

中国:工業情報化部「レアアース管理条例」パブリックコメント実施及びその意義

 現地報道によると、2021年1月15日、工業情報化部が「レアアース管理条例」についてパブリックコメントを実施した。新華社は、これは中国がレアアース業界の管理規範化を図り、高品質な産業成長を推し進める合図だと指摘した。中国は、レアアースの埋蔵量と生産量とが世界最大であり、加工精製技術もすでに世界の最先端レベルに達しており、産業チェーンの強みが顕著である。多くの先進国でレアアースの需要があり、2019年には中国のレアアース輸出の88%が5か国向けに輸出され、そのうち、日本が36%、米国が33%、オランダ・韓国・イタリアが19%を占めた。
 科学技術の発展や産業改革の深化に伴ってレアアースの実用範囲は拡大し、実用価値がより高まる。「第13次5か年計画」以降、中国のレアアース産業は、供給側構造改革の深化を進め、再編・統合・集約的に成長し、製品の付加価値及び産業全体の競争力を高め、業界の生産・経営秩序及び利益獲得能力をより拡大した。
 習近平総書記は2019年5月20日、江西贛州市を視察した際、関連レアアース企業の実地調査を行い、「レアアースは重要な戦略的資源であり、再生不可能な資源でもある。科学技術的革新を強化し、開発と利用の技術レベルを継続的に改善し、産業チェーンを拡張し、付加価値を高める。プロジェクトの環境保護を強化し、グリーン開発と持続的可能な成長を達成する必要がある」と重要な指示を出した。
 2020年、中国のレアアース産業の関連政策、科学技術の進歩、産業の成長は注目される点が多い。レアアースの採掘、製錬分離総量管理計画は拡大し続け、2019年と比べ、2020年の採掘総量は6.1%、製錬分離総量は6.3%拡大した。2020年9月1日に施行された『中華人民共和国資源税法』では、中重希土類が対象となることが明確に規定され、固定税率(税率は従来の27%から20%に引き下げ)が適用された。軽希土類は、範囲税率(7~12%)が適用され、省クラスの人民政府が税率を設定する。工業情報化部は2020年4月、「国瑞科創レアアース機能材料有限公司」に、重要な共通技術の研究開発、パイロットベンチャー、テスト検証等に焦点をあてた国家レアアース機能材料イノベーションセンターの設立を認めた。また、業界の質の高い成長を発展させるため、レアアース関連の重要な基準発表や、数多くの産業、大学、研究機関間の交流活動が活発に行われている。
 今般、工業情報化部が発表したパブリックコメントは合計29条で、レアアース管理における役割分担、レアアースの採掘・製錬分離投資事業の承認制度、レアアース採掘・製錬分離総量指標管理制度などを明示した。レアアース業界全体に対する管理を強め、監督管理の徹底化を図り、法的責任も明示した。特に、(開発フローの)根元管理を強く指摘し、採掘・製錬分離について総量指標の管理制度をそれぞれ築いた。事業の承認、総量指標の管理などの要求を明示し、採掘企業、製錬分離企業は主管部門が定める指標使用計画案に基づき採掘または製錬分離を行うべきことを明記した。流通、総合利用、製品遡及管理、輸出入管理、及びレアアース製品の戦略的備蓄等分野で、業界全体の管理を強めると明示した。
 いかなる機関または個人が違法採掘、違法製錬分離したレアアース製品を買収、販売してはならない。
 環境にやさしい技術・プロセスを利用してレアアースを含有する二次資源のリサイクルを奨励、サポートする。
 総合利用企業がレアアースを含有する二次資源以外のレアアース製品を原料として製錬分離生産活動に従事することを禁止する。
 国務院、工業情報化主管部門が国務院自然資源、税関、税務などの部門と共同でレアアース製品の遡及情報システムを構築することを規定している。レアアース製品の輸出入企業は対外貿易、輸出管理などの法律法規を遵守すべきだと規定している。
 国は、レアアース資源地とレアアース製品の戦略備蓄を実施する。
 業界の専門家によると、パブリックコメントはレアアースの採掘・選別、製錬分離、市場流通などの多くの分野に適用しており、レアアース市場の安定に役立ち、戦略的資源業界の安全を保ち、生態環境保護を強め、レアアース管理体制の完備化に重要な役割を果たせると指摘した。

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