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ニュース・フラッシュ

鉱種:
イルメナイト ルチル ジルコニウム タングステン レアアース/希土類 ニオブ モリブデン
2021年3月4日 モスクワ 秋月悠也

ロシア:産業貿易省、レアアース・プロジェクトのフル操業化期限の5年間延長を提案

 2021年2月19日付けの地元報道等によると、ロシア産業貿易省は、レアアース鉱床開発に従事する企業が、国家予算から投資ローンの金利補助を受けるための条件として、プロジェクトのフル操業化期限を2025年から2030年に延長する法案を提案した。現在、ロシア企業は、生産を立ち上げて2025年までにフル操業化することが難しいため、金利補助への申請が行われていない。専門家は、将来予想される中銀の主要政策金利の上昇を考慮すれば、金利補助は大きな支援策となるとみている。
 産業貿易省によると、レアアース生産分野における新規プロジェクトの補助金利用の簡素化は、締結済みの補助金供与協定には適用されない。法案によると、政府支援を利用できるのは、Tomtorレアアース鉱床(サハ共和国(ヤクーチア))のBuranny鉱区、Tyrnyauz鉱床(カバルダ・バルカル共和国)、Tuganskoe鉱床(トムスク州)のYuzhno-Aleksandrovsky及びKuskovsko-Shiryaevsky鉱区の開発プロジェクトである。産業貿易省は、プロジェクト実施期限を2030年まで延長することで2024~2030年までの期間の追加予算支出は年間0.5bRUB(ロシア・ルーブル)となると予想している。
 Tomtorレアアース鉱床開発(投資額53bRUB)を実施するのはICT社(Aleksandr Nesis社長)とPolymetal社である。JORC規程による同鉱床の2019年12月31日現在の露天掘り向け資源量は、鉱石13.2百万tで、品位:五酸化ニオブ(Nb2O5)5.9%、レアアース酸化物(REO)15%である。Tomtorレアアース鉱床での採掘開始は2025年に予定されている。2020年12月4日、ICT社のNikolai Dobrinov副社長は、プロジェクトは資本集約度が高いので、借入コストは極めて重要で、競合他社、特に中国企業の資金コストに匹敵するものでなければならないと述べた。同氏によると、産業貿易省と財務省はこれを理解し、銀行融資の金利を補助してほしいという要望を支持したものの、まだ同社はこの支援策を利用できていない。Polymetal社のVitaly Nesis CEOは2021年1月29日、パンデミックの影響でTomtorレアアースプロジェクトのスケジュールが6~9か月遅れていることを明らかにした。
 Tyrnyauz鉱床は世界最大級のタングステン・モリブデン鉱床(ロシアのタングステン埋蔵量の40%、モリブデンの確認埋蔵量の10%以上を有する)である。2000年代の最富鉱の枯渇と採鉱選鉱コンビナート崩壊後、鉱床での作業は中断したが、2016年にプーチン大統領の指示により再開が決定された。プロジェクトはRostec社が実施している。
 また、Rostecは、英ファンドIzurium Capitalと共同でTuganskoeジルコン・ルチル・イルメナイト鉱床開発プロジェクトに投資している。両社は採鉱選鉱コンビナート建設に9bRUBを投資する予定である。国家鉱量委員会に承認されたバランス埋蔵量は砂鉱約216百万tである。

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