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ニュース・フラッシュ

鉱種:
レアアース/希土類
2021年3月30日 ロンドン 倉田清香

グリーンランド:レアアースプロジェクト等の状況

 2021年3月2日付けのメディア情報によると、グリーンランドにおけるレアアースプロジェクト等の状況は次のとおり。
 現在、Tanbreez社及びGreenland Minerals社の2社が、グリーンランドでレアアースプロジェクトを進めている。どちらも豪州に拠点を置く会社であり、Tranbreez社は米国資本を得ようとしており、もう一社のGreenland Minerals社は中国国営企業が一部所有している。
 両社は、グリーンランドの鉱山プロジェクトを開発するには、各プロジェクトに500mUS$が必要とコメントしている。また両社とも、最終処理のために原材料を海外に輸送することを計画している。現在、最終処理は中国に極端に集中しており、米国で唯一操業しているレアアース鉱山であるカルフォルニアのMountain Pass鉱山は中国国営企業が一部所有しているが、米国で採掘された原材料を処理するために中国へ輸送している。
 両社のプロジェクトはどちらも汚染がないわけではない。
 Tanbreez社のプロジェクトの廃棄物は、魚は生息していないが、多くのホッキョクイワナのいる湖にパイプで輸送されることになっている。同社の環境報告書によると、廃棄物により濁った水はホッキョクイワナに影響を及ぼす可能性があるものの、1日当たり約550tの廃棄物を湖に投棄し、下流への漏洩を防ぐためにダムを建設することとしている。同社の計画はパブリックコンサルテーションの段階を通過し、2020年9月にグリーンランド政府から許可を取得した。現在は議会の承認を待っている。
 一方、Greenland Minerals社は、国民の反対に直面しており、環境評価プロセスではTanbreez社に一歩遅れをとっている。鉱石には大量の放射性物質が含まれている。Greenland Minerals社が、2021年2月10日にNarsaqでパブリックコンサルテーションを開始した際には、会場内外の地元住民がプレゼンテーションを妨害するために窓を叩き、大音量の音楽を流した。Greenland Minerals社の計画によると、KvanefjeldプロジェクトはTanbreez社のプロジェクトよりも廃棄物が多く、毎日8,500tの廃棄物を山頂の湖に投棄する。Greenland Minerals社は、放射性廃棄物を封じ込めるための高さ45mのコンクリート製のダムを建設し、粉塵の飛散を防ぐために地面に散水する計画である。それでも、汚染水が近くの川に流れ込んだり、ダムが完全に機能しないのではないかという住民の不安の声もあがっている。
 Greenland Minerals社は計画中の鉱山において、少なくとも最初は生産した鉱物を最終処理のために中国に輸送する予定だと述べている。欧州でも処理場を探す計画であると述べているが時期については明らかにしていない。

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