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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2021年4月8日 ジャカルタ 川村伸弥

フィリピン:S&P社、中国へのニッケル供給下回ると予測

 地元メディアが2021年4月3日に伝えたところによると、S&P社の分析によれば、フィリピンは、国内でいくつかの採掘事業が再開されたにもかかわらず、中国のニッケル鉱石要件を満たす可能性は低いとしている。
 S&P社のレポートによると、フィリピンのニッケル鉱石生産量は、中国のニッケル鉱石需要に応えるため、今後5年間で増加すると予想されている。ただしS&P社は、フィリピンの法律が新規プロジェクトの主要なハードルであり続けると考えており、中国のニッケル鉱石需要を満たすことができないだろうと述べた。また、2020年フィリピン政府は、2019年のコロナ禍による経済的影響を緩和するため、鉱業部門に目を向け、3つの中断されたニッケル鉱山の操業を再開し、これらの再開と既存事業からの生産により、ニッケル鉱石生産量を2020年の340千tから2025年には550千tに増やすことを意図していると述べている。
 しかし、フィリピンの鉱業に対する既存の環境規制により、中期的には、さらなる鉱山の再開や新しい鉱業プロジェクトからの追加生産の範囲は制限されると考えられ、フィリピンはインドネシアの不在下で中国のニッケル鉱石要件を満たすことができず、中国での生産量は2020年の推定715千tから2025年には490千tに減少するとしている。
 フィリピンニッケル産業協会(PNIA)は以前、フィリピンのニッケル輸出額が2020年1~9月の間に約25bPHP(フィリピンペソ)に達し、2019年同期の24bPHPから1bPHP増加したと報告した。PNIAのDante Bravo会長は、輸出額向上は、2020年にニッケルの世界価格が改善し、中国の安定した需要により主に市場でのニッケル価格が上昇したことにより引き起こされたと述べた。
 フィリピン鉱山地球科学局(MGB)の報告によると、2020年は合計18.5百万dmtを生産、2019年の21.6百万dmtと比較し14%減少しており、これは主に2020年3~5月にかけてコロナ禍によって引き起こされた地域検疫の強化によるもので、全国で鉱物製品の移動が制限されていたためとしている。

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