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ニュース・フラッシュ

鉱種:
レアアース/希土類
2021年4月12日 北京 塚田裕之

中国:レアアース製品の追跡を推し進め、レアアース産業業界の品質を高める

 国際標準化組織レアアース技術委員会は現在、レアアース製品の追跡に関する国際基準の検討を行っており、「レアアース鉱山から分離段階までのサプライチェーンにおけるレアアース製品のトレーサビリティ」と名付けている。同基準について、カナダと豪州が先頭に立って基準案を作成しており、2021年11月に公表される予定である。
 海外のレアアース生産企業の追跡は、主に品質管理を強化する企業のニーズと、原材料の品質の安定性に対する下流の顧客の需要に由来する。どの分野からのニーズにかかわらず、レアアース原料は「信頼できる」サプライチェーンから提供してもらうことがともに望まれている。更に解析すると、外国の希土類製品の追跡可能性は企業の評判を追跡することを示している。海外最大のレアアース分離企業であるマレーシアのPahang州KuantanにあるLynas社の工場では、既にプラセオジム・ネオジム酸化物を対象とする追跡システムを築いている。基本的な追跡モデルは需要側と契約を締結し、需要側の再原料使用過程でLynas新材料工場から供給された原料のみを使用することを確保することである。独占供給契約では、Lynas工場の精鉱原料はすべて豪Mt Weldレアアース鉱山から提供され、製品追跡の実行可能性を保証することができる。
 だが、中国では、レアアース製品の追跡システムを築くことは非常に困難である。中国のレアアース採掘と生産は割当制度を実施しており、且つ分離能力は原料の割当数量を遥かに上回っている。数多くの分離企業が、生産能力過剰や原料不足問題を抱えているため、複数のルートでレアアース精鉱を調達し、ブレンディングを行った後再び製錬分離を行うことが業界の一般的なやり方となっている。また、レアアース分離プロセスは継続的なもので、ある特定のロットの製品に用いたレアアース原料を正確に追跡することが難しい。国内でレアアース製品の追跡システムの確立は複雑だが、どの企業も一定の生産サイクル内で原材料の動的バランスを実現することができる。したがって科学的情報の記録・保存・配送のチェーンが確立されている限り、かなりの精度で追跡を実現できる。
 商務部弁公庁は、2018年に「重要製品追跡管理プラットフォーム建設に関するガイドライン(試行)」を発表した。同指針は、以前に実施した食肉・野菜などの重要製品トレーサビリティ(生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階までの流通経路の追跡可能性)システム構築の試行経験を踏まえ、重要製品のトレーサビリティ・システム構築を本格的に推進するものである。重要製品とは、食用農産物・食品・医薬品・主要農業生産財・特殊設備・危険物・希土類製品などを指す。
 国内のレアアース製品トレーサビリティは、国の要求の下で統一的に行われるもので、企業の主体責任を主要な追跡対象とする。国内で統一された専門的な管理プラットフォームを築き、製品のトレーサビリティの権威と情報セキュリティ管理の信頼性を高めることによって、各種の市場主体及び監督管理者にとって役立つサポート役になる可能性がある。レアアースの「調達先追跡可能、供給先追跡可能、責任追及可能」を実現することが期待される。
 実際には、トレーサビリティは監督管理を行うための1つの方法であるべきである。2016年、中国は「レアアース製品の包装・標識・運送と貯蔵・保管」に関する強制的国家基準を検討し、作成した。レアアース製品の包装と標識の規範化を図り、追跡コード等ショートデータ伝送のために基盤を築いた。レアアース製品のパッキング上に印刷した情報識別コードは単なる情報の運び手ではなく、監督管理のために与える社会的信頼性のある記号でもある。
 今後、レアアース追跡システムの建設は、中国のレアアース製品の生産・流通・輸出の規範化に役立つもので、調達先や供給先関連情報を追跡できないレアアース鉱産製品に対する違法生産・流通・輸出行為を厳しく取り締まり、市場秩序の攪乱やレアアース価格の乱高下を効果的に解決する。
 レアアース企業は、政府からのトレーサビリティ要求実現や、品質確保、またはユーザー側から要請に応えるためのトレーサビリティチェーンの構築に挑戦する。Lynas社のモデルを参考に、特定のレアアース製品に対しトレーサビリティを築く。

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