閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
その他
2021年4月20日 リマ 栗原健一

ペルー:鉱業関係者、大統領選についてコメント

 2021年4月10日に実施された大統領選の結果、主要鉱山の国有化や憲法改正などを政策プランに掲げる急進左派のPedro Castillo候補(Peru Libre党)が得票率19.09%で首位となり、同13.36%で2位のKeiko Fujimori候補(Fuerza Popular党)との決選投票に進むこととなった。
 2021年4月8~16日付け地元業界紙によると、Peru Libre党の法的代表者は、鉱業セクターでは地域住民がより受益することを目的とする契約の見直しを優先し国有化は行わないほか、民間投資は歓迎するとの方針を示し、今後Castillo候補は政策プランの一部修正を発表するともコメントしている。
 一方、現時点における主要鉱業関係者の見解は以下のとおり。
・Rodrigo Erias Medrano弁護士事務所Rodrigo弁護士
 ペルーの大きな弱点は、鉱業に限らず民間企業活動全体に対する信頼の欠如である。この不信感はアンデス住民だけでなく国民全体に見られる傾向であり、その結果、選挙期間中多くの候補者は、民間企業活動の重要性への言及を危惧しているように見えた。憲法や鉱業セクターの構造を変えようとする提案は誤りである。ペルーの鉱区付与や鉱業行政手続、規制は明確で、交渉や汚職発生の余地がない優れたモデルであり、ラテンアメリカや南米諸国の中にはペルーの制度を参考にする国もある。環境法規についてはより深刻な環境問題に対する監査を強化するなどメリハリをつける必要があるが、制度自体の変更は必要ない。必要とされるのは、いかに信頼を築くかだ。
・Jefferies LLC社LaFeminaアナリスト
 世界2位の銅供給国ペルーの大統領選で、初戦首位通過のCastillo候補は鉱山国有化を主張する一方、Fujimori候補についても課税強化の可能性があり、どの候補が当選してもペルーの投資リスクは高まる。供給減のリスクが高まる結果、銅価格や株価上昇をもたらす可能性がある。
・Minera Antamina社Gobitz社長
 ペルーにおける経済格差の原因は財源不足ではなく、行政能力の欠如にある。増税は投資減退をもたらし問題解決にはならない。今後候補者と協議、説明する機会を持つ見通しである。なお次期国会は(合計10政党から成る)分裂状態だが、3分の2は市場経済推進派である(従い国会が行政府による極端な政策に歯止めをかけることが期待される)。
・Gold Fileds Peru社Rivera社長
 ペルーの現行憲法は強靭であり、仮にCastillo候補が当選したとしても鉱業の終末を意味するわけではない。ただし同候補は、国会が改憲のための憲法制定議会招集に応じない場合、国会閉鎖も辞さないと発言している点は注意すべきである。

ページトップへ