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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2021年5月6日 バンクーバー 佐藤佑美

米:加Northern Dynasty社がPebble銅・金プロジェクトのESG報告書を公表、議論を進展させる狙い

 加Northern Dynasty Minerals社は、2021年4月27日付けのニュースリリースにて、同社の100%子会社である米Pebble Limited Partnership社が米AK州で保有するPebble銅・金プロジェクトに係るESG報告書を公表した。報告書では同社のESG方針を主軸に、同社が権益を取得した2001年から現在、そして将来の開発に向けた環境的、社会的コミットメントについて言及している。Northern Dynasty社の社長兼CEOは、「今後何十年にもわたって、米国における責任のある鉱物資源開発の新たな基準を設定し得るPebble鉱山に対し、計画、許認可、開発、操業の面で費やされた数多くの優れた作業が曖昧になっていることは残念だ。」とし、本報告書を以て関係者を説得しようとする意図はなく、より多くの情報に基づいた、バランスの取れた議論のための一助としたいとコメントしている。
 Pebble銅・金プロジェクトは世界最大級の斑岩型銅・金鉱床だが、天然ベニザケ(sockeye)の回遊地・産卵地とされるBristol湾水系の上流に位置することから、環境保護団体等による激しい抗議活動が続いている。オバマ政権下の2014年に米国環境保護庁(EPA)より水質浄化法(CWA)に基づく開発差し止め命令が出されたが、2019年7月、トランプ政権下でEPAが開発差し止め命令を正式に撤廃。2020年7月に米陸軍工隊(USACE)が本プロジェクトを支持する環境影響評価書(EIS)の最終版を発行したのも束の間、同年11月にはCWAに基づく「適切な影響緩和計画が欠落している。」ことを理由に、否定的な決定記録(ROD)が発行された。これに対してNorthern Dynasty社は2021年1月に控訴請求を行っているが、主要投資家らがBristol湾流域を大規模採掘から恒久的に保護するようEPAに対して圧力を強める等、同社は非常に厳しい立場にある。

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