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ニュース・フラッシュ

鉱種:
チタン
2021年5月12日 モスクワ 秋月悠也

ウクライナ:キエフ市商事裁判所、ZTMC社の民営化に関するウクライナ国有財産基金命令を無効と判断

 2021年4月29日付けの地元報道等によると、キエフ市商事裁判所は4月28日、支配株式は政府が保有するZaporozhye Titanium & Magnesium Combine(ZTMC社)の民営化に関する2020年12月7日付けウクライナ国有財産基金命令第1971号を無効とした。当該判決は、ZTMC社の少数株主であるTolexis Trading Limited(Dmitry Firtash氏のGroup DF傘下、ZTMC社の49%を保有)の訴えに関して行われた。
 裁判所は、ZTMC社の民営化に関する国有財産基金の命令が、同社資本金の株式に対する投資家の先買権を侵害していると判断した。この権利はZTMC社の定款及びウクライナ法「有限責任会社及び追加責任会社」第20条で定められており、後者には「株主は、第3者に売却される他の株主の株式または株式の一部に対する先買権を有する。」と明記されている。
 また裁判所は、ウクライナ国有財産基金命令第1971号が、「株主が株式の先買権を特定期間内に行使しなかった場合に限り、民営化当局が売却を行う。」と定めたウクライナ法「国有・地方自治体所有財産の民営化」第16条に反することを認めた。
 ウクライナ閣僚会議は2020年11月25日、ZTMC社を民営化対象リストに加えた。2020年11月23日に国有財産基金は、Tolexis Trading Limitedは政府所有株式の先買権を有しないとするZTMC社の定款更新版を登記した。その文書の説明文において、国有財産基金は、ZTMC社を民営化対象リストに加えることで、全ての執行手続きを停止し、ZTMC社の安定操業を確保することができると指摘していた。国有財産基金はZTMC社の経営陣と共同で、同社の財政健全化・近代化計画を作成し、同計画により2021年4月から完成品生産量を50%増加させ、特別オークションでEnergoatom社から電力を直接購入してコストを低減することができるとしていた。また、財政を健全化して、同社を損益分岐点へと引き上げ、スポンジチタン生産量を2021年末までに月産900tまで回復させる計画だった。
 ZTMC社はウクライナ及び欧州で唯一のスポンジチタン生産企業で、スポンジチタンの設計年産能力は20千tであるが、生産設備の老朽化により、現在生産できるのは10千tである。

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