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2021年5月25日 ジャカルタ 川村伸弥

フィリピン:英国との助成金により5件の研究プロジェクトが持続可能な鉱物探査を目指す

 地元メディアが2021年5月18日に伝えたところによると、フィリピン科学技術省(DOST)が発表した声明によれば、フィリピンと英国の研究者が、鉱物付加価値を最大化する革新的なソリューションを促進・開発するための研究助成金を獲得した。DOST-フィリピン産業・エネルギー・新興技術研究開発評議会(DOST-PCIEERD)及び英国研究革新-自然環境研究評議会(UKRI-NERC)が実施した選考において、5件の研究プロジェクトが傑出していることが確認された。これらは鉱業の持続可能性を実現し、より環境に優しい地域社会を描くことを目的としている。
 1件目は、「Sus Ni(Developing a Sustainable pathway for the Philippine Nickel sector)」で、英国地質調査所のPaul Lusty氏とフィリピンCaraga州立大学のRomell Seronay教授が中心となって進めている。同プロジェクトは、戦略的環境社会評価(SESA)に基づくアプローチにより、Caraga地方の社会経済的背景を考慮しながら、鉱業の影響を評価し、鉱物探査、金属抽出・回収、環境モニタリングのための新技術を探求することを目的としている。
 2件目は、「PROMT(Philippines Remediation of Mine Tailings)」で、英国Leicester大学のGawen Jenkin教授とフィリピン原子力研究所のCarlo Arcilla教授が主導し、持続可能な鉱滓管理、修復、リハビリテーションを検証するための革新的研究プログラムを構築することを目的としている。
 3件目は、「Philippine Mining at the National to Catchment Scale:from Legacy Impacts to Sustainable Futures」で、英国Glasgow大学のRichard Williams博士とフィリピンLos Baños大学のDecibel Faustino-Eslava博士が率いる同プロジェクトは、廃棄物の修復と環境保護を目的とした、地形学と生物地球化学に基づいた複合的な管理手法を、国家から集水域までの規模で実現するための提案を行うことを目的としている。
 4件目は、「Systems Approach for Greener, Eco-efficient and Sustainable Mineral Resource Management」で、英国Imperial College LondonのPablo Rafael Brito Parada博士とフィリピンDe La Salle大学のArnel Beltran博士が中心となり、産業界のリーダー、科学者、技術専門家、地域社会のリーダー、政策立案者等、さまざまな分野の専門家を結集し、フィリピンにおける環境に優しく、効率的で持続可能な鉱物資源管理のための研究プログラムを開発するものである。
 5件目は、「A framework for the sustainable development of marine mineral resources in the Philippines」で、英国Plymouth大学のIan Selby博士とフィリピン鉱山地球科学局のTeodorico Sandoval氏が代表を務め、海洋鉱物資源の管理に関する経験、専門知識、技術革新を建設的に共有することで、社会経済の発展と個人やコミュニティの福祉を促進するものである。
 DOST-PCIEERDは、これらの研究プロジェクトにより、フィリピンにおける持続可能な鉱物資源のシステム全体像を生み出すための、詳細かつ完全な共同設計の研究提案の開発を可能にするとしている。
 プロジェクトには、最大50k£のパートナーシップ・プロジェクト開発(PPD)助成金と1.6mPHP(フィリピンペソ)が支給され、プロジェクト提案のための詳細な研究課題を開発するために必要な研究活動を支援するために使用される。
 フィリピン産業・エネルギー・新興技術研究開発協議会のEnrico C. Paringit博士は、フィリピンと英国の協力関係は、フィリピンの鉱業分野の生産性向上とエコロジカル・フットプリントの削減につながるもので、UKRI-NERCとのパートナーシップに感謝するとともに、研究開発を通じフィリピンの鉱業部門強化に協力してくれることを期待するとしている。また同氏は、鉱業部門におけるイノベーションを促進する手法や、採掘された地域を修復する新たな手法を発見し、環境に優しい未来を支えるソリューションを開発し、鉱物や採掘に関する研究者の能力を高め、大学の研究室や研究施設の競争力と生産性を高めるための努力を続けると述べている。

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