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ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛
2021年6月8日 北京 塚田裕之

中国:2021年1~4月の亜鉛精鉱輸入量が対前月比で低下、中豪間の政策動向に注目

 安泰科によると、2021年1~4月の税関統計では、中国の亜鉛精鉱輸入量は対前年同期比8.9%減の133.0万t(実物量)であった。2021年1~3月の対前年同期比は4.2%増であったが、2021年3月の輸入量が対前年同月比37.4%減の288,000t、対前月比20.3%減と大幅に減少したことが影響した。
 国別では、2021年4月の豪州からの輸入量は対前月比50.0%減の52,000tで、直近24か月で最低となった。一方、ペルーからの輸入量は63,000tで、2021年4月の亜鉛精鉱の最大輸入国はペルーとなった。しかし、2021年1~4月の累計で見ると、豪州からの輸入量は対前年同期比38.5%減の369,000tで、依然として中国最大の輸入相手国となり、次いでペルーが316,000tで対前年同期比18.5%増となった。
 中豪関係において、中国政府は中豪戦略経済対話メカニズムの下ですべての活動を無期限に一時停止した。これにより一部の商品は豪州からの輸入を停止しており、市場では銅や亜鉛といった非鉄金属原料の供給にも影響が懸念されている。これについて、安泰科は非鉄協会関係者や国内大手貿易業者にインタビューし、これまで豪州からの亜鉛精鉱の輸入は比較的正常で、2021年4月の輸入量減少は主に加工費が低迷、国内の輸入意欲が低下し、原料の一部が韓国に流出していることが原因だとした。将来の政策の行方とその影響は予測が困難であるものの、既に締結済の契約への影響はさほど大きくないが、新規契約は慎重に進められる可能性があるという。このため、2021年後半に豪州からの鉛・亜鉛精鉱の輸入量は減少すると予想されている。
 ペルーは2020年12月以降、生産量、輸出量ともに過去最高水準と安定しており、ここ数か月ペルーからの輸入が目立っている。また、南アからの累計輸入量は102,000tに達し、露、エリトリア、モンゴルなど旧来の輸入国を抜き第3位に躍進、増加率も85.9%に達した。2020年に事故が発生した南アのGamsberg亜鉛鉱山は生産を再開しており、中国の南アからの輸入量は2021年に入って高水準を維持しているが、同鉱山はまだフル生産レベルに達していないため今後も増加する可能性がある。
 亜鉛地金と亜鉛合金については、2021年1~4月、中国の亜鉛地金の輸入総量は対前年同期比51.6%増の174,000tで、うち2021年3月の輸入量は対前年同月比24.2%増の41,000t、対前月比11.6%減少した。2021年1~4月の亜鉛合金の輸入総量は対前年同期比37.4%増の26,000tで、うち2021年3月の輸入量は対前年同月比53.2%増の8,328t、対前月比14.2%増であった。亜鉛地金・亜鉛合金の輸入量は、2020年9月以降、単月の対前年同月比プラス成長を維持している。2020年の輸入が少なかった原因の1つは輸入赤字が大きかったことで、2020年同期の平均輸入赤字は600元/tに達したが、2021年1~4月は146元/tに留まった。2021年3月以降、輸入事務手続きが断続的に行われたことも輸入増加の一因となった。また、2021年初めにはコロナ禍で輸入や国内消費が乱され、亜鉛地金の供給過剰傾向が顕著になったことで亜鉛地金の輸入量も減少した。
 亜鉛地金の輸入を国別に見ると、2021年4月の亜鉛地金の輸入相手国はカザフスタン及び豪州が多く、その輸入量は輸入総量の74.5%を占めた。そのうち、カザフスタンの輸入量は2021年に入って大幅に増加し、特に2021年1~2月の輸入量は54,000tに上った。この輸入量が大幅に増加したのは主に2020年末の生産および輸送がコロナ禍の影響を大きく受けたためで、一部の受注は2021年初めまで延期されたこと影響したが、最近はほぼ正常に回復し、2021年3~4月の亜鉛精鉱の輸入量は2万t付近まで落ち着いている。豪州からの累計輸入量は37,000tで、対前年同期比109.5%増加したが、これは主に前年同期の輸入量が少なかったためである。
 最近の海外在庫状況から判断すると、海外消費は回復しているものの、全体的な在庫圧力は依然として強く、亜鉛地金の輸入量は今後さらに増加する可能性がある。

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