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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ゲルマニウム
2021年6月21日 北京 塚田裕之

中国:ゲルマニウム、原料不足により価格は強気傾向に

 2021年6月11日付け安泰科によると、赤外線光学、光ファイバー・システム、太陽電池などの分野で利用され、重要な戦略的金属であるゲルマニウムについて、5Gの普及、新エネルギーの導入、宇宙衛星の打ち上げ回数の増加等に伴い需要も安定して伸びていることから、現在価格が高騰している。
 国内の二酸化ゲルマニウム等の原料が不足し、価格が上昇したことから、安泰科は関連企業複数社に電話インタビューを行い、価格の上昇理由や業界の現状等を聞き取った。その結果、国内のゲルマニウム生産は主に褐炭・鉛亜鉛鉱石の副産物であるが、現在、褐炭・鉛亜鉛鉱石からのゲルマニウム生産が大きく減少している。2021年に入ってから中国国内の亜鉛生産は増加傾向(2021年1~5月の亜鉛地金生産量は対前年同期比6%増加)のため、副産物であるゲルマニウムの生産も増加するはずであるが、実際は二酸化ゲルマニウムやゲルマニウムスラグを含む商品の流通量が減少、供給は不足傾向にあり、価格も上昇基調である。この供給不足の理由は、長年ゲルマニウム価格が低迷したことにより低品位のゲルマニウム原料利用が抑えられ、それを使用するメーカーも縮小、一部の小規模なメーカーは閉鎖または操業停止する事態に陥った。さらに、環境問題によりおよそ十数社のメーカーが二酸化ゲルマニウムの生産を停止した。その上、一部の大手鉛・亜鉛製錬所が売り惜しみ、経営戦略により一時的にゲルマニウム精鉱の対外販売を中止した。よってゲルマニウム精鉱原料の流通が一部に集中し、ゲルマニウム精鉱が不足気味になった。また、数多くの企業が純度の高い二酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウムの需要を拡大したことも要因である。川下メーカー側の需要をみると、中国国内のゲルマニウム需要は比較的安定しており、光ファイバー、軍需、宇宙飛行等数多くの分野で安定的成長を維持している上、海外から数多くの発注を受け二酸化ゲルマニウムの消費が拡大、一部の企業は原料在庫を増強したため、供給不足となった。
 結論として、原料供給を引き締めた要因の多くは企業の経営戦略によるものである。また、ゲルマニウム生産者は現在の価格に対し不満を示し、今後のゲルマニウム価格の伸びを期待しているという。ゲルマニウム価格は、短期的には原料の供給不足が継続し、川下メーカー側の安定的な需要を保つため、今後高騰する可能性が指摘されている。

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