閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛
2021年6月23日 バンクーバー 佐藤すみれ

メキシコ:複数大型銅プロジェクトの開発見通し

 2021年6月18日付け専門紙によると、現在国内には計55件の銅プロジェクトが存在し(副産物としての生産を含む)、うち53件が初期作業段階、2件が建設段階にある。また、CAPEXが公表されているのは計17件で、合計額は7,180mUS$にのぼる。以下は、そのうち3件の大型プロジェクト最新動向概要である。
・El Arco銅プロジェクト(米Southern Copper社、Baja California州)見通し:不透明
 現在国内最大の開発プロジェクトであり、CAPEXは2,900mUS$、年間生産量は最大で銅190千t、金3.27t(105千oz)が見込まれる。埋蔵鉱量は2,400百万t(品位:Cu 0.42%)、SxEw法による銅カソードの生産で、2028年操業開始を目指す。現在は基礎研究が実施されているほか、環境影響評価申請のため基礎エンジニアリング評価が進められている。しかしながら、現政権が特に露天掘りに対し厳しい見方を示していることから、同プロジェクトにとって環境影響評価が障壁となる可能性が懸念されている。
・La Verde銅・金・銀プロジェクト(加Solaris Resources社、加Teck Resources社、Michoacán州)見通し:不透明
 2018年に発表された予備的経済評価(PEA)では、銅生産量100千t/年、マインライフは19年と発表されている。CAPEX 1,160mUS$、銅価格を2.70US$/lbと見積もった場会のIRRは13.5%と試算される。同プロジェクトは経済性の低さを理由に開発が中止された後、2020年末にはFS実行を前に内部で適性調査が実施中と報じられていた。しかしながら、2021年第1四半期報告書には現状が記載されていないことや、Solaris社がエクアドルに保有するWarintza銅プロジェクト開発に注力している状況から、専門誌は同社が資金調達のためLa Verdeプロジェクトを売却する可能性も考えられると予想している。
・San Nicolás多金属プロジェクト(Teck Resources社、Zacatecas州)見通し:ポジティブ
 2021年第1四半期にPFSが完了し、同社ポートフォリオのうち最も高い投資利益率が試算されている。年間生産量は銅65.8千t、亜鉛91千t、マインライフ15年、CAPEX 814mUS$、銅価格を3.50/lbとした場合のIRRは34%と試算されている。Teck社は2021年内に環境許可申請およびFSの開始を検討しているほか、同年5月の情報によると、同社はプロジェクトの売却あるいはJVパートナーを募集する案を検討している。
 また、このほかSouthern Copper社がSonora州に保有するPilares銅プロジェクト(2022年第1四半期生産開始見込み、CAPEX 159mUS$)、El Pilar銅プロジェクト(2023年生産開始見込み、CAPEX 310mUS$)はどちらも開発の見通し良好と報じられた。

ページトップへ