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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2021年7月8日 北京 塚田裕之

中国:一重集団有限公司、インドネシアのフェロニッケルプロジェクトの権益を間接的に追加取得

 2021年6月29日付け安泰科によると、中国一重集団有限公司(以下、一重集団)は、インドネシア徳龍ニッケル業公司(PT. Virtue Dragon Nickel Industry、以下VDNI社)が運営するフェロニッケルプロジェクトの株式について、中品聖徳の株式38.74%を23.9億元で取得することで、VDNI社23%の株式を間接的に追加保有することとなった。VDNI社の株式は、江蘇徳龍ニッケル業有限公司(以下、江蘇徳龍)が39.63%、一重集団が59.37%、響水康陽貿易有限公司が1%保有していた。VDNI社には、現在15本のロータリーキルン電気炉(Rotaly Kiln Electric Furnance:RKEF)の生産ラインを有している。
 中品聖徳は、一重集団及び江蘇徳龍が共同出資によりシンガポールに設立した投資持株プラットフォームであり、一重集団が85.9%、江蘇徳龍が14.1%の権益を保有している。同社の主要製品はフェロニッケルで、最新のRKEF生産プロセスを用い、赤土鉱をフェロニッケルに精製している。
 中国国内のニッケル鉱石・フェロニッケル・ステンレス事業を一本化した、最大手ステンレスメーカーのひとつである江蘇徳龍は、インドネシアのフェロニッケルプロジェクトの拡張準備を進めている。安泰科によると、同社が保有する35本のRKEF生産ラインは、2021年末に生産開始予定である。現地でのステンレス生産においては、外部からフェロニッケルを購入せず、全量を同社が生産するフェロニッケルの供給に頼っている。300シリーズのステンレスのみを生産することで、江蘇徳龍は他の大手メーカーと差別化を図ってきた。インドネシアの低品位鉱石輸出禁止やフィリピンのニッケル鉱石品位低下に伴い、江蘇徳龍のステンレス生産能力は拡張し続けているが、今後同社のステンレス生産はVDNI社のフェロニッケルに頼る可能性がある。VDNI社は当初、江蘇徳龍のフェロニッケル供給源としての役割を担っていたが、厦門象屿集団と協力したステンレス(OSS)事業が順調に生産開始することによって、インドネシアに保有するフェロニッケル生産ラインはこのOSS事業のフェロニッケル供給源となることから、今後のフェロニッケル生産能力拡張も視野に入れている。

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