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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2021年7月14日 ジャカルタ 白鳥智裕

インドネシア:ESG問題はインドネシアの電気自動車(EV)産業弱体化の可能性

 2021年7月8日付け地元メディアによると、ニッケルアナリストSteven Brown氏は、同国のニッケル産業のステークホルダーは、持続可能なニッケルサプライチェーンとEV産業を確保するために、ESG原則として知られる環境・社会・ガバナンスに関するグローバルな問題に真剣に注意を払うべきであり、サプライチェーンにおけるESGの問題は、EVの販売促進全体を損なう可能性があるとして、以下の通り述べた。

  • あまり知られていないESGリスクとして、特に重要な2つの課題は、海洋生物多様性と水への影響である。
  • インドネシアは世界最大のニッケル生産国であり、ニッケル製錬所に電力を供給するために約2,500MWの石炭火力発電所に支えられているが、現在、これらの製錬所のすべてが石炭火力発電所を使用しており、かなりの二酸化炭素排出量がある。
  • また、HPAL製錬所から大量のスラグやテーリングが発生することが予想されるため、廃棄物管理もインドネシアのニッケル産業が直面する重要な問題である。
  • HPALの廃棄物を管理するには、テーリングダム、深海テーリングの設置、ドライスタックの3つの方法がある。
  • 従来の方法であるテーリングダムの建設は、インドネシアの降雨量が他のニッケル生産地域よりもはるかに多いことに加え、インドネシアが地震リスクの高い環太平洋火山帯に位置していることから、大きなリスクを伴う可能性がある。また、深海へのテーリング投入については、技術的な観点からは代替案となるが、インドネシアでは一般市民からの反発が強い。
  • ドライスタックは、おそらくテーリングを処理するための最良の方法だが、脱水処理にまだ課題があり、地盤のリスクもある。
  • また、ニッケル業界では、エネルギー源の透明性や炭素排出量、廃棄物の量や処理方法、鉱山後のリハビリテーション、生物多様性への影響、水のモニタリングなど、ニッケルのサプライチェーンにおける特定のESGリスクに対処するためのガイドラインを作成する必要がある。
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