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2021年8月4日 リマ 初谷和則

ペルー:Castillo大統領、就任演説で経済や鉱業政策の方針を示す

 2021年7月28日、Castillo大統領は就任演説において、経済や鉱業政策について以下の方針を示した。
まず経済に関しては、選挙期間中に取り沙汰されたような、市民の財産の接収を行う考えはないとし、法的枠組みの中で個人が努力して取得した財産は国によって保証されると説明した。また、投資決定の基礎である、秩序ある予見可能な経済を維持したい考えを示した一方で、一部企業による市場独占や高値での生活必需品の販売を是正したいとし、大企業による脱税や租税回避の防止に取り組む方針を示した。
 次に鉱業、エネルギー、炭化水素セクターに関しては、既存の社会的ライセンス(社会的合意、Licencia Social)を上回る社会的利益(Rentabilidad Social)の基準を導入する考えを明らかにし、具体的にはこれらセクターのプロジェクトには以下のような貢献が求められると説明した。

  • 国や州、地域レベルそれぞれにおける経済の活性化。
  • 納税や鉱業ロイヤルティ納付による国庫歳入増加。
  • ILOの基準に基づく雇用や給与など労働条件の改善。地域住民による重要な雇用ポストへのアクセス。
  • 技術移転。外国からの投資がペルーでの技術普及の機会となるよう、関連機関を強化。
  • 所得配分の改善。優遇される者と除外される者の発生回避。
  • 文化の推進と環境保護。閉山を履行し鉱害に対処するための保証。
  • 地域コミュニティや組織によるプロジェクト開発や事業への積極的な参加。

 Castillo大統領は、これらに示される「社会的利益」を創出できないプロジェクトは実施不可能となるとコメントした。即ちこれは(国と)民間企業との新たな合意/協定(Pacto)を意味するとし、国はコスト削減、手続きプロセス軽減、法的安定性維持などに取り組み、その見返りに、国や国民は発展や貢献を受ける構図であると説明した。また、ペルーが短期的、中期的に解決すべき困難な課題に取り組むには、社会的正義を伴う平穏な環境のもとで各地域が主体となる新たな鉱業のあり方が必要とされると述べた。
 さらに、具体的な鉱業政策としては、鉱業におけるルールや規定の明確化、グッドプラクティス導入、汚職追放に取り組むほか、探鉱、採掘、各プロジェクトの管理や閉鎖の促進を目的とする手続きの見直しや策定を行うと述べた。また、増産や付加価値増加のために必要な施策を実施する方針であるとコメントした。
 なお、間接的に鉱業に関連するテーマに関しては、以下のような方針が示された。

(文化)

  • 多文化共生政策策定と施策の実施。
  • ILO169号条約(先住民事前協議)の対象となる先住民コミュニティ認定実施。
  • 文化省組織改変。

(環境)

  • 2050年カーボンニュートラル達成のため、2030年までの温室効果ガス削減目標を現在の30%から40%に引き上げる。
  • アマゾン森林伐採・消失に歯止めかける。
  • 環境法規違反の罰則金納付を阻む要因の撤去。

(憲法改正)

  • 現行憲法と現行法の枠内において、新憲法策定のための憲法制定議会設置を提案する。
  • 国会に対し、憲法第206条に基づき、憲法制定議会設置の是非を問う国民投票実施法案を提出し、国会による承認を目指す。

(その他)

  • 国営石油会社Petroperú社の、石油・天然ガスの探査・開発・輸送・生産・販売への参画。
  • 科学技術イノベーション省の設置。
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