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2021年8月5日 ジャカルタ 白鳥智裕

インドネシア:専門家ら、長期的にはバイオ燃料よりもEVが大きな役割を果たすと分析

 2021年7月25日付け現地メディアによれば、インドネシア政府は、より環境に優しい道路交通のため電気自動車(EV)とバイオ燃料の両方に注目している。専門家らは、長期的にはEVが主流になるだろうとして、インドネシアではEVに注力するよう勧めているが、少なくとも今後10年間はバイオ燃料が大きな役割を果たすだろうとしている。
 Institute for Essential Services Reform(IESR)のFebby Tumiwaエグゼクティブ・ディレクターによれば、将来的に自動車メーカーや消費者がEVに移行するため、政府は輸送業界におけるバイオ燃料の段階的廃止について明確なスケジュールを立てるべきであるが、2025~2030年は、インドネシアではほとんどの人が依然として内燃機関(ICE)を搭載した自動車を保有し、政府は輸入に頼らず、国内の石油生産と消費のギャップを埋めるべくバイオ燃料を生産する必要がある。しかし、その後はEVが主流になるので、明確なタイムラインがあれば、バイオ燃料生産者は、新たにプランテーションや精製所を作らず、自動車産業ではなく他の産業向けのパーム油製品を作るなど、需要の変化に対応する時間を確保できる。しかし、EV産業の発展には、EVの使用による温室効果ガスの排出量削減を確実にするために、国内の電力生産における再生可能エネルギーの割合を増やすことが必要である。
 インドネシア自動車工業会(Gaikindo)のYohannes Nangoi会長は、EVはファミリーカーやTransjakartaバスのように走行距離が限られた公共交通機関に適しているが、それ以外の輸送目的ではバイオ燃料が大きな役割を果たすだろうと述べている。インドネシアには環境に優しいパーム油が豊富にあり、新たな燃料補給のインフラを必要とせずに大型車に使用することができる。バイオ燃料車は既存のガソリンスタンドで給油できるが、インドネシアがEVの目標を達成するためには、10年間で約31,000か所の商用充電スタンドを建設する必要がある。
 McKinsey & Company Indonesia社のパートナーであるThomas Hansmann氏によれば、EVとバイオ燃料は互いに補完関係にあるが、今後20年間で、乗用車や二輪車の主なエネルギー源はEVがガソリンに取って代わるだろうと予測する。インドネシアで販売される新車のほとんどが2035~2040年までにEVになると予想されることから、長期的にはEVの方が大きな影響を与える可能性があるが、輸出に関しては、気候変動への懸念の高まりを背景に、環境にやさしいエネルギー源への需要が世界的に高まっていることから、EVとバイオ燃料が大きな可能性を秘めている。

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