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ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛
2021年8月6日 北京 塚田裕之

中国:2021年1~6月の亜鉛精鉱輸入量はやや減少も、亜鉛地金輸入量は増加傾向

 2021年8月2日付け最新の税関統計によると、中国の亜鉛精鉱輸入量は、2021年1~6月は対前年同期比7.3%減の188.2万t(実物量)、2021年6月は対前年同月比11.0%増の23.7万t、対前月比25.1%減となった。2021年前半の中国の亜鉛精鉱輸入量が対前年同期比でやや減少した理由は、以下のことが考えられる。
(1)2021年、海外の製錬業界において鉱石の需要が伸びている。
(2)2021年、国内鉱山の生産が回復しているため、国内の製錬所は鉱石輸入の必要が2020年ほどではない。
(3)国内と国外で鉱石の価格差が拡大、精鉱の輸入赤字が徐々に拡大した。

 輸入国を見ると、豪州からの輸入量が2021年6月は対前月比63.9%減の3.8万t、2021年1~6月では対前年同期比39.3%減の51万tで、依然中国にとって最大の供給国である。続いてペルーからの2021年1~6月輸入量が、対前年同期比27.8%増の42.8万tであった。ペルーからの輸入量は6か月連続で高水準を維持し、豪州にわずかに劣る程度である。2021年3月以降、3か月連続で過去3年間の最大輸入量を上回った。同様に、ボリビアからの亜鉛精鉱輸入量も過去最大に近づきつつあり、南米の鉱山生産が新型コロナウイルス(以下、コロナ)の影響から脱却し、通常生産に戻っていると言える。更に、パキスタン、南ア等からの輸入量も対前年同期比で伸びている。南アGamsberg鉱山は生産再開後、亜鉛精鉱の生産量は回復しており、同鉱山のフル稼働に伴い今後生産量は増加の予想である。一方で、ミャンマーからの輸入量は対前月比72.6%減であった。主にミャンマー国内のコロナ感染及び政治情勢の変化によるもので、中・雲南省地域の亜鉛精鉱供給に影響を及ぼす可能性がある。

 亜鉛地金の輸入量は、2021年1~6月、対前年同期比20.8%増の26.9万tで、このうち2021年6月は対前年同月比33.0%増の3.7万t、対前月比41.1%増であった。亜鉛合金の輸入量は、2021年1~6月、対前年同期比34.2%増の4.1万tで、このうち2021年6月は対前年同月比49.6%増の8,250.6t、対前月比17.1%増であった。
 亜鉛地金及び亜鉛合金の輸入量は継続的に増加傾向で、2020年1~6月に496元/tであった輸入平均赤字額は、2021年1~6月には195元/tと縮小した。2021年3月以降、輸入窓口が開いていたことも輸入量増加に繋がった。
 亜鉛地金の輸入国を見ると、2021年6月は主にカザフスタンや韓国から輸入しており、その輸入量は全体の63.8%を占め、このうち韓国からの輸入は2021年2月以降増加し続けており、2021年6月の輸入量は豪州を上回った。豪州からの輸入量は対前年同月比53.5%増の6.2万tと増加したが、2020年同月はコロナの影響で輸入量が減少していた。
 中央政府は、2021年7月、亜鉛加工製造企業に対する亜鉛地金の国家備蓄放出を2度実施し、放出量は計8万tである。2021年第3四半期は消費閑散期であり、供給の伸びや在庫の拡大、価格の下落基調の予想から、これ以上の放出は市場の在庫量を拡大するに過ぎない。安泰科の予測では、2度の国家備蓄放出量は国内年間亜鉛消費量の1.2%に相当し、年間の在庫量は25万t以上に拡大の見通しである。一方で今後の亜鉛地金の輸入量は低減でき、需給バランスへの影響も見直す必要がある。

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