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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2021年8月18日 ジャカルタ 白鳥智裕

その他:錫価格の高騰は、2021年内に収束

 2021年8月4日付け鉱業関連情報によると、Fitch solutions社は、2021年初来の記録的な錫の高値への価格高騰により、2021年の錫平均価格予測を23kUS$/tから28kUS$/tに上方修正した。錫市場は2021年前半、他のベースメタル価格を凌駕している。同社は、世界的な錫の供給がCOVID-19のパンデミックから回復するペースが遅いのに対し、需要の急速な回復がそれを上回っているとした。
 世界の精製錫の備蓄量が減少したことにより、価格は上昇を余儀なくされているが、Fitch社によれば、2021年第3四半期は限定的であるが供給増となる。
 これは、インドネシア(2021年7月以降)およびマレーシア(2021年5月以降)で実施されているロックダウン規制により、両国の錫鉱山および製錬能力の再開が阻害されているためである。インドネシアとマレーシアの合計は、2020年の世界の錫精鉱生産量の30%を占める。
 市場の逼迫感は2021年末までに緩和され始め、これが価格の引き下げにつながる。その結果、錫価格は年内にピークを迎える。
 需要側では、過去最高の錫精鉱価格により、電子機器メーカーがコスト上昇分をエンドユーザーに転嫁しようとするため、需要が抑制され始めることが予測されている。
 他方、供給面では、インドネシアとマレーシアのロックダウン規制が緩和されることで、世界の錫精鉱の輸出が増加する。また、インドネシアの国営鉱山会社PT Timahのような主要生産者は、価格の高騰に後押しされて、2020年に実施された大幅な減産を最終的に撤回するとされている。
 さらに、マレーシアでは、Malaysian Smelting社が2021年にPulau Indah新工場の操業を開始するなど、新規プロジェクトが立ち上がる。Fitch社は、世界の精錬錫生産量が前年同期比で12.5%増加すると予測する。この成長率は、10年間の平均成長率である0.2%を大幅に上回る。

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