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鉱種:
鉄鉱石 アルミニウム/ボーキサイト コバルト ニッケル マンガン
2021年10月14日 ジャカルタ 白鳥智裕

インドネシア:ニッケル産業のグランド戦略(GSKM)を策定へ

 2021年9月30日付け現地メディアによると、エネルギー鉱物資源省は、川下産業の発展を後押しするために、石炭・鉱物商品に関するグランド戦略(GSKM)を発表した。グランド戦略には2021~2045年までのニッケルロードマップも含まれており、埋蔵量の確保、精製プロセスの改善、製造能力の開発など、目標達成のための戦略が規定されている。
 埋蔵量に関しては、同省は探査を強化し、ニッケル資源を埋蔵量に転換する計画である。低品位のリモナイト・ニッケル鉱石と高品位のサプロライト・ニッケル鉱石の埋蔵量を調査し、両鉱石を同時に採掘することで、コスト削減を図る。
 また、精製プロセスを改善するために、湿式製錬所と硫酸ニッケル工場の建設を促進することを目指す。
 下院(国民協議会)のエネルギー・鉱業委員会VIIで、エネルギー鉱物資源省のRidwan氏によれば、GSKMは、フェロニッケルとニッケル銑鉄工場を制限し、Class 1ニッケルの生産を推進する計画である。また、GSKMは、最終製品を生産する川下産業を育成する政府の大きな計画の一部であるとし、原材料を最終製品に加工することで、鉱業からの税外収入が年間平均40tIDR(インドネシア・ルピア)から1,000tIDRに増加することが期待されているとした。更に、ニッケル加工によって、ニッケルは4~5倍の価値になると予測されるとした。
 製造業を発展させるための戦略として、エネルギー鉱物資源省は、ステンレス鋼産業を発展させ、Class 2ニッケルをClass 1ニッケルに転換することで、フェロニッケルとニッケル銑鉄の国内消費量を増やすことを計画しているとした。
 政府はステンレス鋼製造の輸入代替を進めている一方、電気自動車(EV)の国産化率を高めるために、国産のニッケル・マンガン・コバルト(NMC)正極材産業とニッケル系電池セル産業の開発を目指す。
 加工製錬企業協会(AP3I)のPrihadi Santoso会長は、インドネシアでの法的確実性を重視する投資家のために、政府が明確な情報を提供する必要があるとした。また、現時点では、インドネシアは優れたガバナンスと実践の方向に進んでおり、それは雇用創出法の成立とそれ以降に発行された派生的な規制やドラフト規制からも判断できるとした。
 一方、Reforminer Institute社エグゼクティブ・ディレクターのKomaidi Notonegoro氏は、川下のニッケル部門を発展させる上での最大の課題は、インドネシアの国内市場が川下のニッケル製品を消費する準備ができていないことだとする。同氏は、工業省を含む多部門でのアプローチを提案し、川下製品が国内市場で販売できるかどうかなど、さまざまな側面からシナリオを作成している。しかし、同氏によれば、現在のところ、工業省は産業界に指針を示すロードマップを作成していない。
 GSKMには、川上・川下産業の概要と課題が盛り込まれ、主要なプログラムと作業計画が概説される。本戦略に盛り込まれる商品は、ニッケル・コバルト、鉄、銅、金・銀、錫、アルミニウム、石炭などである。

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