チリ:SQM、リチウムプラント拡張を計画 |
メディア報道によると、世界有数の肥料会社SQMはリチウム生産設備拡張計画を近々発表する見込みである。2012年Q2決算電話会議において、Ricardo Ramos CFOが生産設備拡張の検討を行っており、近日中に発表すると述べた。SQMの現行リチウム生産設備は生産能力に近いところで操業を行っている。SQMは原子力エネルギー委員会(CCHEN)との契約で金属リチウム180,100 t分の生産権を割り当てられており、現在の生産ペースが続くと約10年後に割当量に達する。このため、有識者の中には、現在の国との契約が終了してもSQM及びチリでのもう1社のリチウム生産者であるRockwood Lithiumが生産を継続し、拡張を促進できるよう契約についての再協議を国に求める声もある。 SQMは2011年に炭酸リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウムを合わせて3.5万t輸出している。 |
(2012. 8.30 サンティアゴ 縫部保徳) 目次へ |
チリ:チリ銅鉱業、2020年までに電力需要が約2倍に |
チリにある銅鉱山の電力消費量は年6.7%の割合で増加し、2020年には39.4 TWhに達するとCOCHILCO(チリ銅委員会)がレポート中で予想した。2012年の電力消費量は約23 TWh。チリの主要鉱山に電気を供給する北部電力網(SING)では年7.0%の増加が見込まれ、2020年には25.7 TWhに達すると予想された。中央電力網(SIC)中の銅鉱山の電力消費は年6.3%増加し、13.7 TWhとなる見込み。この電力消費増の主因として海水淡水化及び鉱山サイトまでの揚水が挙げられる。2012年時点でこれらは銅鉱業全体の消費の3%を占めるに過ぎないが、2020年には14%、5.7 TWhを消費し、分野別で2番目の消費量になると予想された。電力消費で最大なのは今後も選鉱分野で56%を占める。銅1 tを生産するために必要なエネルギー量は鉱石品位の低下や採掘レベルの深部化などにより増加しており、2001年の1,820万J/tから2010年には2,391万J/tに増加している。チリ銅鉱業が必要とする全発電容量は2020年までに5.7 GW(SING: 3.7 GW、SIC: 2.0 GW)となることが予想され、現在より2.9 GW(SING: 2.0 GW、SIC: 900 MW)の追加が必要となる。これについてCOCHILCOは、SINGでは1998~2011年の間に約2.5 GW増加しており、不可能な数字ではないとした。 |
(2012. 8.30 サンティアゴ 縫部保徳) 目次へ |
チリ:チリ最高裁、Castilla火力発電所建設プロジェクト凍結を命令 |
2012年8月28日、チリ最高裁判所はCastilla火力発電所建設プロジェクト(チリ第Ⅲ州)の凍結を命じた。最高裁は、港建設プロジェクトと火力発電所建設プロジェクトの環境影響評価書の手続きが分割して行われたことから、プロジェクト全体が環境に及ぼす影響が確実に判断できない、まとめて評価されるべきであるとの判決を下した。これに対し、プロジェクトを実施する伯MPXと独E.ONは、港及び火力発電所建設プロジェクトは現状最も厳格な基準に準じて評価されており、判決は遺憾であるとコメントした。 Castilla火力発電所プロジェクトは発電能力2,100MWの石炭火力発電所を建設するプロジェクトであり、第Ⅲ州の鉱山開発プロジェクの電力需要に応えるのが目的で、投資額は50億US$に上る。チリでは今後の電力需要拡大に合わせ新規発電所の建設が待たれているが、今回の判決によりBarrick GoldのCerro Casale、Pascua Lamaなど開発中及び開発検討中の鉱山開発プロジェクトに影響が出ることが懸念される。 |
(2012. 8.31 サンティアゴ 縫部保徳) 目次へ |
チリ:CODELCO、2012年H1剰余金は前年比31%減 |
CODELCOが同社HP上に発表したところによると、2012年H1の剰余金は23億9,100万US$で2011年H1剰余金34億8,700万US$から31%減少した。これについて、CODELCOは銅価格の下落、生産減、エネルギーコストを主としたコスト増が原因としている。銅の売上高が60億7,000万US$で前年同期比17%減となった一方で、売上原価は37億US$と前年同期の38億US$からほぼ横ばいとなった。銀及びモリブデン価格の下落により、副産物の売上げも3億5,400万US$と前年同期(5億2,100万US$)から減少した。 2012年1月~6月のLME銅価格平均は367.8 ¢/lbで前年同期比14%下落した。2012年H1銅生産量は76万7,000 tで前年同期と比べ5万1,000 t減であった。キャッシュコスト(C1)は147.7 ¢/lbとなり、前年同期を31.3 ¢/lb上回った。 |
(2012. 8.31 サンティアゴ 縫部保徳) 目次へ |
ブラジル:政府、新鉱業法案、2012年10月に発表の見込み |
メディア報道によると、ブラジル政府は現在検討中の新鉱業政策の枠組みに関する新法案を2012年10月に発表する可能性がでてきた。この新法案の審議は大幅に遅れているが、9月の国会審議で、懸案となっている1,330億レアル(約66億US$)の道路、鉄道インフラ整備計画等の審議の見通しがつき、10月の発表に目途がついた模様である。新鉱業政策案は、2011年より議論がされてきたが、最終的な調整がつかず法案の作成及び国会審議入りが遅れている。新鉱業政策は、基本的には、ロイヤルティ(CFEM)の引き上げ、鉱業権管理の改正、鉱業監督庁の新設の3法案からなる。 |
(2012. 8.29 サンティアゴ 神谷夏実) 目次へ |
ブラジル:Vale、選鉱廃さいからバイオテクノロジーで銅回収 |
メディア報道によると、Valeは、サンパウロ大学と共同で、バクテリア、藻類を使い、銅鉱石尾鉱から効率的に銅を回収する技術開発を行う。対象はValeのSossego鉱山(Para州)の尾鉱ダムの廃さいで、廃さいの量は90百万t(銅品位0.07%)である。開発予算は、12百万レアル(約6百万US$)を国家開発銀行(BNDES)が、3百万レアル(約1.5百万US$)をValeが提供する。まず試験を行うバクテリアを探し、サンパウロ大学で銅の回収試験を行う。 |
(2012. 9. 3 サンティアゴ 神谷夏実) 目次へ |
ブラジル:Vale、2013年度新規投資計画の引き下げを検討 |
メディア報道によると、Valeは、2013年度の新規投資計画を見直し、2012年発表の214億US$から20%削減し、約170億US$とする。鉄鉱石及びペレットはValeの売上の70%を占めており、この見直しは、主に、鉄鉱石価格の落ち込みを前提としている。2013年度の正式な予算計画は11月に発表予定であるが、目玉プロジェクトの一つである、Serra Sul鉄鉱石プロジェクトのうち、S11Dプロジェクトとその関連ロジスチック建設予算については、見直しの対象外となるが、Rio Coloradoカリウムプロジェクト(アルゼンチン)等は見直しの対象となる可能性が高い。Valeには、現在、鉄鉱石、石炭、銅、ニッケル、カリウム、エネルギー、鉄鋼及びロジスチックに関連する21件のプロジェクトに対し総額570億US$の投資計画があるが、これらのプロジェクトに、既に147億US$が投入されており、今後2016年までに428億US$の資本が投下される予定である。 |
(2012. 9. 3 サンティアゴ 神谷夏実) 目次へ |
ペルー:鉱業協会、Minas Conga金プロジェクト一時中止は鉱業投資に影響与えないとの見方を示す |
2012年8月28日付け地元各紙によると、ペルー鉱業石油エネルギー協会(SNMPE)のMartinez会長は、Minas Conga金プロジェクトの実質的な一時中止が、ペルーに対する今後の鉱業投資そのものに影響を与えるべきではないとの考えを示した。 同会長は、投資家はCajamarca県の(Minas Conga金プロジェクト関連の)動向を注意深く見守っているとしつつ、国内のその他の地域における鉱業投資は通常通り進んでいるとコメントしたほか、ペルーには今後10年間で530億US$の鉱業投資が計画されていることに触れた。 一方Minas Conga金プロジェクトに関しては、延期の間に貯水池建設が実施され、Cajamarca県に対しては、より多くの水資源供給によって恩恵を受けることが証明できるだろうと発言した。 |
|
ペルー:環境影響評価(EIA)審査・承認担当機関の設立 |
2012年8月29日~30日付け地元紙によると、Pulgar-Vidal環境大臣は、環境影響評価(EIA)の審査・承認担当機関「持続的投資環境認証サービス局」(SENACE)の設立法案は、政府による環境政策取り組みへの意思を表すものであるとした上で、国会による承認を要請した。 また、SENACEの設立は、様々な省庁で数多くのEIA審査が行われている現状を考慮し、審議会の設置や政策ツールの設計、審査・承認に係る権限移行等を通して段階的に行われるとしたほか、窓口を一本化したEIAの審査・承認のメカニズムを構築すること等を明らかにした。 一方、この法案に関して、エネルギー関連法律の専門家は、SENACEの設立によって、EIA審査はより一層の遅れが生じる可能性があるとの懸念を示した。特に、各省庁からSENACEに対するEIA審査・承認作業権限の移行プロセスにおいて遅延が発生するだろうとし、その理由として、法案を見れば、SENACEが予算をはじめとして、EIAの審査に必要なだけの能力を有していないことが読み取れるからだと説明した。なお、法案にはSENACEに対する各省庁からの権限移行についての期限は定められていない。 |
|
ペルー:Hudbay Minerals社、Constancia銅プロジェクト建設を開始 |
2012年8月31日付け地元紙によると、Hudbay Minerals社(本社:カナダ)は、投資額15億US$となるConstancia銅プロジェクト(Cusco県)の鉱山建設を開始した旨発表した。 同社のGarofalo社長は、地域社会との良好な関係を強調し、鉱山近傍の住民2,500人のうち1,000人を雇用したこと等を明らかにした。 Constancia銅プロジェクトは2014年末から生産を開始し、2015年第2四半期からフル操業に入る計画となっている。また年間に平均で85,000 tの銅を生産し、マインライフは15年となる見通しである。 |
|
ペルー:鉱業プロジェクトに関する先住民事前協議の対象地域は5県の見通し |
2012年9月3日付け地元紙は、先住民事前協議法の対象となり得る4つの先住民族がペルー国内のアンデス山岳地域に存在することを、文化省の異文化受容次官室が特定したとの非公式情報を、San Marcos大学のペルー研究所が入手したと報じた。 同研究所によると、これらの先住民族とはケチュア、アイマラ、ウロス、またLima県の山岳部Huarochiri-Yauyosに存在する先住民となっている。これら先住民族が事前協議の対象となることが正式に決定された場合、アイマラ族が居住するPuno県の3郡において進行中の鉱業プロジェクトに、事前協議の実施が義務づけられることになる。その他にも、ケチュア族の居住するCusco県、Ancash県、Ayacucho県内のプロジェクトが事前協議の対象となる見通しである。 ただし同研究所は、これらの先住民族の厳密な居住地域の特定が未だ行われていないことから、正確な先住民地域の決定を行うことが今後の課題だと指摘している。 その他にも、アマゾンジャングル地域に48の先住民地域が特定された模様である。アマゾンでは主に石油プロジェクトが実施されているが、同研究所は、アンデスとアマゾンの中間地点に位置する鉱業プロジェクトが事前協議の対象になる可能性も指摘した。 |
|
ペルー:鉱業プロジェクト15件が操業開始を延期 |
2012年9月3日付け地元紙によると、ペルー鉱業石油エネルギー協会(SNMPE)は、Minas Conga金プロジェクトの一時中止は他のプロジェクトへは影響を及ぼさないとの見方を示したが、エネルギー鉱山省のデータは、2011年末から2012年7月にかけて、鉱業プロジェクト15件(投資額合計170億 US$)が延期されている現状を示している。なお、この15件にはMinas Conga金プロジェクトは含まれていない。Minas Conga金プロジェクトを含めた合計16件が延期されたと見なした場合、投資額の合計は218億2千6百万US$となる。 エネルギー鉱山省が公表した2011年末の鉱業投資計画見通しと、最新(2012年7月)の見通しを比較すると、2012年に操業開始を予定していたプロジェクト6件が2013~2015年に延期されたほか、多くのプロジェクトが操業開始を1~2年延期するとしている。 SNMPEは、操業開始の遅れは、政府によるEIA審査・承認の遅れや、先住民事前協議法施行細則の承認等が原因であるとしている。 操業開始が延期された鉱業プロジェクト
プロジェクト名 |
企業名 |
位置(県) |
当初操業 開始見込み |
現在の操業 開始見込み |
投資額 (百万US$) |
Cuajone鉱山拡張 |
Southern Copper |
Moquegua |
2012 |
2013 |
300 |
Toquepala鉱山拡張 |
Southern Copper |
Tacna |
2012 |
2014 |
600 |
Bayovar鉱山拡張 |
Miski Mayo |
Piura |
2012 |
2014 |
520 |
Quellaveco |
Anglo American |
Moquegua |
2014 |
2016 |
3,300 |
Invicta |
Invicta |
Lima |
2013 |
2014 |
93 |
Marcobre |
Marcobre |
Ica |
2012 |
2013 |
744 |
Corani |
Bear Creek |
Puno |
2014 |
2015 |
574 |
Hilarion |
Milpo |
Ancash |
2013 |
2014 |
290 |
Quechua |
Miner Quechua |
Cusco |
2013 |
2014 |
490 |
Pampa del Pongo |
Jinzhao |
Arequipa |
2012 |
2015 |
3,280 |
Galeno |
Lumina Copper |
Cajamarca |
2014 |
2016 |
2,500 |
Huaquira |
Antares |
Apurimac |
2013 |
2015 |
2,800 |
Shahuindo |
Sulliden |
Cajamarca |
2012 |
2014 |
185 |
La Granja |
Rio Tinto |
Cajamarca |
2014 |
2016 |
1,000 |
Rondoni |
Vichaycicha |
Huanuco |
2015 |
2016 |
350 |
合 計 |
17,026 |
|
|
アルゼンチン:豪Galaxy Resources、Sal de Vidaリチウム-カリウムプロジェクトの開発戦略を発表 |
豪Galaxy Resources(以下、Galaxy)は同社HPにおいて、Sal de Vidaリチウム-カリウムプロジェクト(アルゼンチンCatamarca州及びSalta州)の開発戦略を発表した。同社発表によると、現在Sal de VidaプロジェクトDFSの仕上げを行っているが、投資の最終決定は中国にあるJiangsu炭酸リチウムプラントの採算が取れるまで行わないという。Iggy Tan最高経営責任者は、Galaxyの最優先課題はJiangsuプラントに置きながら、Sal de Vidaプロジェクトに必要な準備作業は同時並行で進めていく考えを示した。GalaxyはSal de VidaプロジェクトにJiangsuプラントと同じ技術とプロセスを導入する計画を持っている。 Galaxyは2012年7月に加Lithium Oneを合併し、Sal de Vidaプロジェクトの70%権益を取得した。Lithium Oneが2011年に行ったSal de Vidaプロジェクトの予察的経済評価では、マインライフ40年以上で炭酸リチウム2.5万t/年、カリウム10.7万t/年の操業が計画されていた。Sal de Vidaプロジェクト権益の30%は、KORES、LG International、GS Caltexで構成される韓国コンソーシアムがFSに1,500万US$拠出することにより取得する。 |
(2012. 8.28 サンティアゴ 縫部保徳) 目次へ |
アルゼンチン:鉱業用資機材物資の国産品使用を促進 |
メディア報道によると、Débora Giorgi工業大臣は鉱業事業者や資機材物資生産者と会合し、鉱業がCristina Fernando de Kirchner大統領の産業発展政策の目玉であることを鑑み、年間2億US$相当の鉱業向け資機材、物資の国産品使用を実現したいとして、従来の輸入材をアルゼンチン国産材に置き換えるよう業界に要請した。会合には、Cerro Vanguardia鉱山(Santa Cruz州、Anglo Gold Ahantiが操業)、Barrick Gold(San Juan州でVeladero金鉱山を操業、チリ・アルゼンチン国境でPascua Lama金-銀プロジェクト開発中)、Xstrata(Catamarca州でBajo de la Alumbrera銅鉱山を操業)、Vale(Mendoza州でRío Coloradoカリウムプロジェクト開発中)、Pan American Silver(Santa Cruz州でManantial Espejo銀鉱山を操業)等の代表が参加、国内メーカー325社のリストが配布された。 |
(2012. 8.29 サンティアゴ 縫部保徳) 目次へ |
メキシコ:米Coeur d’Alene社、Palmarejo金・銀鉱山において死亡事故 |
Coeur d’Alene Mines Corp.(本社:アイダホ州・コーダレーン)は、メキシコ・チワワ州に保有するPalmarejo金・銀鉱山において死亡事故が発生した旨2012年8月26日付け同社HPにおいて公表した。 26日昼頃、同鉱山の坑内掘の坑口に設置してある機器のメインテナンスを行っていた作業員1名が坑内に転落し、死亡した。 同社は、坑内掘りの作業を一次的に停止したが、翌27日に再開した。また、同鉱山の露天掘及び金銀抽出プラントは平常通り操業しており、年間生産量への影響は無いとしている。 同鉱山の2011年の生産量は、金 3.89 t、銀 279.9 tであった。 |
(2012. 9. 3 メキシコ 高木博康) 目次へ |
メキシコ:加Aurcana社、La Negra多金属鉱山の新規資源量を公表 |
Aurcana Corp.(本社:バンクーバー)は、メキシコ・ケレタロ州に保有するLa Negra多金属鉱山の新規の精測及び概測資源量を2012年8月28日付け同社HPに下表のとおり公表した。同鉱山の2011年の生産量は、銀 31.3 t、銅 1.58千t、鉛 1.41千t、亜鉛 4.43千tであった。同社は、他に米・テキサス州にShafter銀鉱山を保有している。
資源量 (百万t) |
平均品位 |
含有量 |
銀(g/t) |
銅(%) |
鉛(%) |
亜鉛(%) |
銀(t) |
銅(千t) |
鉛(千t) |
亜鉛(千t) |
27.0 |
131.3 |
0.49 |
0.91 |
2.36 |
3,580 |
122 |
245 |
643 |
|
(2012. 9. 3 メキシコ 高木博康) 目次へ |
メキシコ:加Excellon社、エヒードによるLa Platosa多金属鉱山の入口封鎖に軍・警察が介入 |
2012年8月29日付け業界紙等によると、Excellon Resources Inc.(本社:トロント)がメキシコ・ドゥランゴ州に保有するLa Platosa多金属鉱山の入口を2012年7月上旬からエヒード(土地を保有する農業共同体)のメンバーが封鎖している問題に対し、国防軍並びに連邦及び州警察が介入を開始した。 この抗議活動は、労働者による選挙に敗れたメキシコ鉱山冶金労働組合(SNTMMEERM)の扇動により発生しており、7月26日から会社側とエヒード側の交渉が中断していた。 同鉱山の2011年の生産量は、銀40.7 t、鉛 2,962 t及び亜鉛 3,935 tであった。 |
(2012. 9. 3. メキシコ 高木博康) 目次へ |
メキシコ:米Golden Minerals社、Velardeña金・銀鉱山の拡張計画を公表 |
Golden Minerals Corp.(本社:コロラド州ゴールデン)は、メキシコ・ドゥランゴ州に保有するVelardeña金・銀鉱山の拡張計画を2012年8月30日付け同社HPに公表した。 現在、320 t/日の粗鉱処理量を600 t/日に引き上げたところであるが、2013年Q2には粗鉱処理量を850 t/日に引き上げ、年間に金373~498 kg、銀31~37 t、銀換算50~62 tを生産する。また、2014年Q1には粗鉱処理量を1,150 t/日に引き上げ、年間に金778~1,126 kg、銀56~68 t、銀換算93~124 tを生産する。 同鉱山は、2011年Q3から生産を開始し、2012年H1の生産量は、金47 kg、銀2.8 tであった。 |
(2012. 9. 3 メキシコ 高木博康) 目次へ |
メキシコ:2012年6月主要非鉄金属生産量 |
INEGI(メキシコ国立統計地理情報院)は、2012年8月31日付けHPにおいて、2012年6月のメキシコ主要非鉄金属生産量(速報値)を、下表のとおり発表した。
|
2011年 6月 |
2012年 5月 |
2012年 6月 |
前年同月比 (%) |
前月比 (%) |
2011年 1~6月期 |
2012年 1~6月期 |
前年同期比 (%) |
金(kg) |
7,321 |
8,433 |
8,308 |
+13 |
-1 |
42,320 |
47,780 |
+13 |
銀(kg) |
403,949 |
454,797 |
414,874 |
+3 |
-9 |
2,373,250 |
2,550,465 |
+7 |
鉛(t) |
18,944 |
22,934 |
20,228 |
+7 |
-12 |
105,172 |
124,362 |
+18 |
銅(t) |
39,238 |
46,073 |
43,729 |
+11 |
-5 |
211,554 |
252,062 |
+19 |
亜鉛(t) |
50,635 |
60,285 |
53,640 |
+6 |
-11 |
292,755 |
330,911 |
+13 |
|
(2012. 9. 3 メキシコ 高木博康) 目次へ |
米:Molycorp社、マウンテンパス鉱山において重希土類精鉱生産施設の操業を開始 |
Molycorp Inc.(本社:米CO州Greenwood Village)は2012年8月27日、米CA州マウンテンパス鉱山において重希土類精鉱生産施設の操業を開始したことを公表した。あわせて、同施設において天然ガスを燃料とする高効率の発熱発電装置を導入し、電力及び蒸気供給を開始したことを公表した。 同社社長は「計画通り同鉱山は今年の第4四半期にはフェーズ1の生産見積り量に達する予定である。カスタム設計された重希土類精鉱生産施設は、高純度の軽希土類から重希土類までの生産をサポートする。軽希土類から重希土類まで対応することにより、我が社は複数の市場でうまく競争する確固としたポジションを得た。」と述べている。 同社の重希土類精鉱には、ジスプロシウム、テルビウム、ユウロピウム、希土類酸化物、金属、合金、磁性材料が含まれており、現在、高純度製品として「セリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ルテチウム、イッテルビウム(その内のいくつかは99.999%の高純度)」を製造している。また、高純度製品からレアメタル「ガリウム、レニウム、インジウム、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、イットリウム(その内のいくつかは99.999999%の高純度)」を製造している。 |
(2012. 8.31 バンクーバー 大北博紀) 目次へ |
米:Cliffs社、組合加盟労働者と労働協約延長を仮締結 |
Cliffs Natural Resources Inc.(以下、Cliffs社)は、2012年8月31日、同社の全米鉄鋼労働組合(United Steelworkers, 以下USW)加盟労働者と労働協約を短期間延長することで合意したと発表した。合意内容には、組合加盟労働者はストライキを行わず、また会社側はロックアウトを行わないことを含む。 両者は今年の5月から新たな労働協約について交渉を重ねていたが妥結には至らず、今回の延長により、鉱山での操業と労働協約交渉は継続される。 仮締結した労働協約は、Cliffs社がミシガン州で操業しているTilden鉄鉱山、Empire鉄鉱山、ミネソタ州で操業しているUnited Taconite鉱山、Hibbing Taconite鉱山の労働者約2,400名を対象としている。 |
(2012. 8.31 バンクーバー 片山弘行) 目次へ |
ロシア:Norilsk Nickel、2016年までに鉱物原料基盤の発展に約1,200億ルーブル投資へ |
2012年8月25日付け現地報道によると、鉱物原料基盤の発展はNorilsk Nickel(本社:モスクワ市)の優先事項の一つであり、そのために2011年に130億ルーブル、2012年には177億ルーブルを投資し、2016年までに計約1,200億ルーブルの投資が予定されている。特に鉱床の開坑・開発、新規施設建設、設備近代化、機器の新規購入に充てられる。2012年、同社の鉱山事業所は、総額32億ルーブルの各種用途の自走式ディーゼル機器122点を購入する。 同社は2025年までの生産発展戦略に従い、鉱物原料基盤の補充及び大深度層における採鉱拡大に向けた一連の方策を実施する。そのため、Komsomolsky鉱山では2025年までに鉱石全種の採掘量を860万t/年に拡大するプロジェクトが実施されている。Komsomolsky鉱山のSkalistaya採鉱場では深さ2,056 mと2,052 mの2本の立坑建設が行われており、2017年と2019年に完成予定である。これらはロシア最深の立坑となる。この立坑により年間150万tの鉱石の地上への運搬、労働者や資機材の送達が可能となる。このプロジェクトの技術革新部分は、深層で40 ℃に達する気温の空調システムである。 |
(2012. 9. 2 モスクワ 大木雅文) 目次へ |
ロシア:Rusal、2018年までに一次アルミ27万5,000 t減産へ |
2012年8月27日付け現地報道によると、アルミ生産世界最大手Rusal(本社:モスクワ市)の取締役会は、非効率的な一次アルミ生産施設をコスト競争力のある最新施設に段階的に切り替える長期計画を承認した。 同社はその計画に従い、Nadvoitsy(NAZ)、Bogoslovsk(BAZ)、Volkhov(VAZ)、Novokuznetsk(NkAZ)アルミ製錬所における一次アルミ生産量を2018年までに計27万5,000 t削減する。このうち15万tは2012年末までに削減し、残りは2015年までに(NAZ及びVAZの電解設備)、2018年までに(NkAZの第3・第4電解棟)において段階的に削減を実施する。(ニュースフラッシュ2012-05(2012年2月8日)を参照のこと。) |
(2012. 9.2 モスクワ 大木雅文) 目次へ |
カザフスタン:Kazakhmys、2012年、3.7 tの金生産を予定 |
2012年8月23日付け現地報道によると、カザフスタンの鉱業会社Kazakhmysは2012年に12万oz(3.73 t)の金生産を予定している。2012年上期、同社の金生産は24.7%減少し、5万2,600 oz(1.64 t)であった。 2012年3月、同社はカザフスタン国立銀行に対する1億1,500万US$相当の金在庫(6万9,000 oz、2.15 t)の売却を終えた。これ以降も、同行に対する月単位での金納入は継続している。 同社の2011年の生産量は銅カソード30万7,600 t、銅精鉱30万4,900 t、亜鉛精鉱13万9,600 t、銀408.6 t、金4.7 tであった。 |
(2012. 9. 2 モスクワ 大木雅文) 目次へ |
カザフスタン:Kazzinc、2012年上期の生産実績 |
2012年8月24日付け現地報道によると、Glencore(本社:スイス連邦バール市)の資料において、Kazzinc(本社:ウスチカメノゴルスク市)の2012年上期の生産実績が発表された。 具体的には、金属亜鉛生産は14万9,500 t(前年同期14万9,300 t)で、うち自社原料によるものが11万3,700 t(前年同期12万6,000 t)、外部原料によるものが3万5,800 t(前年同期2万3,300 t)であった。 精錬鉛生産は前年同期の5万3,000 tから4万3,600 tへと減少し、うち1万3,900 t(前年同期1万8,800 t)が自社原料、2万9,700 t(前年同期3万4,200 t)が外部原料によるものであった。 銅生産は前年同期の2万6,500 tから2万5,900 tへと減少し、うち2万4,500 t(前年同期2万5,800 t)が自社原料、1,400 t(前年同期700 t)が外部原料によるものであった。 一方、金生産は前年同期の22万4,000 ozから27万6,000 ozへと増加し、うち23万3,000 ozが自社原料、4万3,000 ozが外部原料によるものであった。自社原料による金と銀の生産量は前年同期に比べそれぞれ13%増、15%増となった。この増加は、Kazzinc傘下のAltyntau社(アクモラ州にある最大級のVasilkovskoe金鉱床を開発中)の生産量拡大による。 また、Glencoreによると、2011年8月に操業開始したUst-KamenogorskにあるKazzincの新しい銅製錬所は現在生産能力の80%で稼働しており、2013年上期には年産7万tのフル操業に達する見込みである。この製錬所では2011年末までに約1万3,000 tの銅カソードが生産された。 またKazzincの発表によれば、鉛生産施設の再建を終え、新炉によるリッチスラグの初生産は2012年8月末を予定し、溶解物は高炉での製錬を経て、さらに精製され鉛となる。Kazzincは、鉛生産施設再建により全工程が近代化され、再生原料処理を可能とし、生産性・安全性の向上と電力消費量の低減が促進されるとしている。 Glencoreは2012年第3四半期にKazzincにおける自社持分を現在の50.7%から93%へと拡大する32億US$の取引を終える見込みである。売手は現金22億US$とIPO価格で10億US$相当の約1億1,700万株を得る。GlencoreのHPに掲載された2011年11月8日付ユーロ債趣意書によると、カザフスタン企業Verny CapitalがKazzincの48.73%の株式を所有している。(ニュースフラッシュ2012-20(2012年5月30日)を参照のこと。) |
(2012. 9. 2 モスクワ 大木雅文) 目次へ |
ブルキナファソ: 鉱業権の売却益に対し20%の課税を検討 |
2012年8月30日付の各社の報道によると、ブルキナファソ政府は、鉱業法を改正し、鉱業権の売却によって企業が得た利益に対し、20%課税する制度の導入を検討している。ブルキナファソでは鉱業権の売却に関する全ての契約を政府に登録する必要があり、改正案では、企業が登録を行う際に鉱業権の売買から生じた利益の20%を支払うことが提案されている。なお、改正案は2012年末までに議会に提出される予定である。 |
(2012. 9. 3 ロンドン 北野由佳) 目次へ |
カメルーン・コンゴ共和国:漢龍集団によるMbalam鉄鉱石プロジェクトの買収が成立 |
豪Sundance Resources Ltd.は、現在、カメルーンとコンゴ共和国の国境付近でMbalam鉄鉱石プロジェクトのF/Sを実施中であるが、同社は四川漢龍集団傘下の漢龍(アフリカ)鉱業有限公司による買収オファーに合意したことを2012年8月24日付けで発表した。当初の買収オファーは1株当たり0.57 A$であったが、最終的には約20%低い0.45 A$となり、買収総額は14億US$となった。 本件買収に関しては、2012年7月に中国国家発展改革委員会が認可したが、認可に当たり買収金額の見直し(当初オファーでは17億US$)が条件として加えられた。このため、四川漢龍集団公司は国家発展改革委員会や中国開発銀行と協議を行い、最終的に14億US$が「適切な買収金額」であるとして関係者間の合意を得た。今回の買収金額査定に当たっては、中国における最近の鉄鋼需要の急激な落ち込みや、本プロジェクトを開発するに際して技術的な困難性、産出される鉄鉱石の国際競争力が勘案されたと専門家は見ている。 本プロジェクトの資源量(概測及び精測)は鉄7.5億t、平均品位41.156%。Sundance社の計画によれば、2013年半ばに建設を開始し、3年間の建設期間を経て、2016年に生産開始を予定している。 なお、コンゴ共和国政府からは本年4月に開発許可を取り付けており、カメルーン政府とは本年6月に開発に関し合意を結んでいる。カメルーン政府との合意では、権益10%を無償でカメルーン政府へ譲渡することとなっている。 |
(2012. 9. 3 ロンドン 小嶋吉広) 目次へ |
DRCコンゴ:GecaminesがDBSAより2.7億US$を資金調達の見込み |
2012年8月31日付けメディア報道によれば、国営鉱山会社GecaminesはLikasi地域での銅・コバルト鉱山開発費用として南部アフリカ開発銀行(DBSA)より2.7億US$を資金調達する見込みである。Gecaminesの操業は、Likasi、Lubumbashi、Kolweziの3地域に分けられ、Likasi地域では6つの100%子会社(対象鉱種:銅、コバルト)と5つのJV子会社(対象鉱種:銅、コバルト、錫)を保有している。 Gecaminesは、操業拡大に向けた5カ年の中期計画を達成するため、全体で9億US$規模の資金調達を計画しており、AFD(仏開発庁)等複数の金融機関と協議を行っているとのことである。Gecaminesの中期計画では、2015年までに銅の生産量を100千tにまで引き上げるとともに、16億US$の債務を返済するとしている。AFDは本年、Gecaminesに対し0.9億US$の債務免除を認めている。 |
(2012. 9. 3 ロンドン 小嶋吉広) 目次へ |
南ア: Marikana鉱山の労働者270名が殺人罪で起訴されるも反発を受け起訴は一時取り下げ |
白金生産大手LonminのMarikana鉱山で2012年8月16日に暴動を起こした鉱山労働者と警官隊が武力衝突し警官隊の発砲で34名が死亡した事件に関し、南アの検察当局は8月30日、34名を殺害した罪で鉱山労働者270名を起訴すると発表した。これを受け、南アのJeff Radebe司法大臣は「この決断が、地域コミュニティ及び一般の南ア国民の間で、衝撃、混乱、パニックといった感情を引き起こしているに違いない。」とコメントし、検察当局にこの決断の説明を求めた。また、検察当局がアパルトヘイト(人種隔離政策)時代に施行された「共同目的法(common purpose)」の“共同労働者の殺人“の規定を適用して、270名の労働者を起訴したことに関して国内から反発の声が高まっていた。9月2日、検察当局は270名に対する起訴を一時的に取り下げることを発表し、検察当局のNomgcobo Jiba氏は「全ての調査が完了した後、最終的な起訴を行う。」とコメントした。なお南アでは、司法大臣の管轄下において独立であるとされる検察当局について、どの点でどのレベルまで独立なのか議論がある。 |
(2012. 9. 3 ロンドン 北野由佳) 目次へ |
南ア:Steenkampskraalレアアース鉱山開発、2013年中頃に改修工事が完了予定 |
加Great Western Minerals Group社(以下、GWMG社)は2012年8月30日、同社が南アに保有するSteenkampskraalレアアース鉱山の開発に関する進捗状況を発表し、旧鉱山施設の改修工事は、計画通り2013年中頃に完了する予定であることを明らかにした。また発表によると、Steenkampskraal鉱山での試掘プログラムも順調に進んでおり、最新のNI43-101準拠技術レポートが2012年末までに公表される予定である。 |
(2012. 9. 3 ロンドン 北野由佳) 目次へ |
豪:WA州パースにてアフリカ鉱業投資大会Africa Downunder 2012開催 |
2012年8月29日~31日の3日間、WA州パースにおいてアフリカ鉱業投資大会Africa Downunder 2012が開催された。同大会は、アフリカ以外の国で開催される鉱業投資大会としては世界最大規模のもので、今年は約2,500人が参加し、150件以上の展示ブースが出展された。Africa Downunderは、2003年に第1回会合が100名程度を集めて開催されて以来、回を重ねるごとにその規模を拡大、近年ではアフリカ各国の大臣・次官等鉱山当局幹部が多数参加するようになっている。第10回目の開催となった今年はアフリカ17カ国の鉱山大臣・次官等の政府高官、28カ国からの訪問団が参加した。講演数80件、その内、アフリカの大臣と豪州政府高官による講演は約20件に及んだ。豪州側からは、Bob Carr外務大臣、前首相であるKevin Rudd下院議員ら政府関係者が講演、シャドーキャビネットの外務大臣等も参加していた。 Carr外務大臣は、豪州ほどビジネスに適した場所はない、とした後、鉱山開発で大切なのは、整備された法制度、ガバナンス、持続可能な環境対策及び技術労働力であり、豪州は100年以上にわたり各制度を整備してきた。豪州には、それらの経験をアフリカ諸国と共有する義務がある、と述べた。 一方、今年のAfrica Downunderの参加者数が、豪州最大の鉱業投資大会Diggers & Dealersの2,400人を超えたこともあり、Minerals Council of AustraliaのMitch Hooke CEOは、鉱山会社は高コストの豪州からアフリカを目指そうとしている、とコメントしている。 |
(2012. 9. 4 シドニー 栗原政臣) 目次へ |
PNG:Nautilus社、Solwara 1 プロジェクトへの最近の新聞報道に対し内容を明確にさせるコメントを発表 |
Nautilus Minerals Inc.(本社:ON州トロント)は2012年8月28日、同社がPNGのSolwara 1プロジェクトのパートナーを探しており、株式売却のために水面下で交渉中であるとの最近の新聞報道に対し、内容を明確にさせるコメントを発表した。コメントは以下のとおり。
・ 先日の新聞報道では、深海探鉱権を授与されたのが最近の話のような内容となっている。しかし、繰り返し説明するが、同社は2011年1月にPNG政府より深海探鉱権を授与されており、最近起きた話ではない。
・ 同社CEOが「Solwara 1プロジェクトのパートナーを探しており、パートナーが見つからない場合は1億C$を調達するために株式を売却する可能性がある。」と発言したとされるが、
◆ 正確な追加必要資金は、採鉱母船の資金調達の詳細とPNG政府と継続中の議論が終了した時に決定する。
◆ プロジェクト機器の建設は6月末時点で約51%完了している。
◆ 同社CEOの主張は2012年8月2日に決算と共に提出した「経営に関する議論及び分析」において述べた「Solwara 1プロジェクトに係る将来の資金を株式市場に依存するかJVの形での調達を必要とするかもしれない。」という内容である。 |
(2012. 8.31 バンクーバー 大北博紀) 目次へ |
PNG:中国冶金科工集団公司、年末にRamuニッケル鉱山生産開始予定 |
安泰科によれば、中国冶金科工集団公司は、Ramuニッケル鉱山の生産を2012年末に開始する予定である。当鉱山のニッケル生産量は、1年目約4万t、2年目は7.8万t、3年目7.7万t、4年目7.4万を予定している。 このほかにも、同集団公司は、アフガニスタンAynak銅プロジェクトのFS調査を実施中で、今後1~2ヵ月で終了し、2013年に生産開始を予定しており、年間銅生産能力は稼動後20万tで、最終的には32万tある。同集団公司は、当プロジェクトの権益の75%、残り25%は江西銅業が所有している。 |
|
インドネシア:米Freeport社CEO、インドネシア政府とのCOWロイヤルティ改定協議開催に前向きな姿勢 |
2012年8月24日付け地元報道によれば、インドネシアHatta経済調整相は、インドネシア訪問中であった米Freeport-McMoran Copper & Gold社(以下「FCX社」)Richard C. Adkerson CEOと会談を行い、会談後、同CEOは、両者間の契約となるCOW(鉱業事業契約)条件の一つであるロイヤルティに関し、インドネシア政府が要望する率への引き上げに関する協議開催に前向きな姿勢を示している、と語った。同会談では、インドネシア政府が要望する具体的なロイヤルティの引き上げ率の他に、土地所有問題、製錬所、資本移譲などの話題にも及んだ模様。FCX社はGrasberg 銅・金鉱山の親会社。インドネシア政府は、新鉱業法の規定にそれ以前に締結したCOWの内容・条件を適合させることを目的とし、Hatta経済調整相とヘッドとしたワーキング・チームを設立し、各COW保有企業との交渉を行ってきている。今回の会談でのFCX社との銅のロイヤルティ引き上げに関しては、現COWでは1%となっているが、COW以外のライセンス(IUP)保有者は政令により3.75%と規定されており、政府はこの水準まで引き上げることを方針として示している。一方、FCX社はGrasberg鉱山の生産開始後、1992年以降2011年12月までに政府に対し、ロイヤルティだけを見た場合に13億US$となるが、法人税などの税その他の納付金全体では138億US$を納付しており、今後の協議においては、単にロイヤルティの引き上げではなく、政府への納付額全体を踏まえた上での交渉がポイントになるものと見られる。 |
(2012. 9. 3 ジャカルタ 高橋健一) 目次へ |
インドネシア:政府に提出された精製錬所建設計画185件の総投資額は5,550億US$ |
2012年8月13日付け地元報道によれば、インドネシア新鉱業法による鉱物資源高付加価値化に対応すべく、現在までに企業から政府に提出された精製錬所建設計画は全185件を数え、これらの総投資額は5,550億US$に上ることが明らかになった。エネルギー鉱物資源省Rudi副大臣が明らかにしたもので、計画書は内外の企業から提出されており、平均投資額は20~30億US$、最大投資額は100億US$となった。なお、この185件は6月までに提出され、7月以降に新たな計画は提出されていないとしている。また、同副大臣は、この計画数は極めて多すぎるものと認識しており、今後、政府としては、各計画における資金計画や国内全体の資源供給量などを検討し、取捨選択していく方針であるとも示している。 |
(2012. 9. 3 ジャカルタ 高橋健一) 目次へ |
インドネシア:政府、鉱物資源輸出税20%課税は2013年も継続する予定 |
2012年8月23日付け地元報道によれば、インドネシアGita商業大臣は、2012年5月から導入された鉱物資源輸出課税20%を2013年も継続する方針であることを示した。この方針は、国内の鉱物資源高付加価値化を促進するために必要な施策であり、鉱山企業が鉱物資源高付加価値化に従った精製錬事業などの鉱物資源開発下流部門の開発が極めて困難であることが証明されない限り、継続するものとしている。対前年比鉱石輸出量の伸びが、2011年は20~30%の大きな伸びだったのに対し、この輸出税課税及び輸出許可制の導入により、2012年はここまで1.5%増と大きく抑えられ、多大な効果が出ているものと評価し、また、商業省としては、今後2~4年後には高付加価値化製品の輸出が伸びることを期待していると加えている。 |
(2012. 9. 3 ジャカルタ 高橋健一) 目次へ |
インドネシア:Chalcoなどの中国アルミ関連企業、精製錬プラント建設投資の動き強まる |
2012年8月28日付け各社報道によれば、Aluminum Corp. of China Ltd(Chalco)を始めとする中国アルミ関連企業による、インドネシアへの精製錬プラント建設の動きが強まっている。Chalcoは、同子会社のChalco Hong Kong Ltdとインドネシアのボーキサイト鉱山企業PT Indonusa Dwitamaとの合弁事業により、東カリマンタン州にアルミナ精錬プラントを建設する計画であり、併せてボーキサイト資源の開発も進められる。ただし、現時点で具体的な投資額及びスケジュールは明らかにされていない。 この他、インドネシアHidayat工業相が明らかにしたところでは、中国Beijing Shuang Zhong Li Investment Management Co, Ltdが、西カリマンタン州又はリアウ州にアルミナ及びアルミ精製錬プラントを建設投資する計画である。投資額71億US$により、アルミナ年産180万t規模の精錬プラント及びアルミ年産60万tの製錬プラントに加えて1,250 MW規模の発電プラントも建設する。計画は実施段階に入っており、第1フェーズは2015年までに、最終フェーズは2020年までに完了する予定としている。この他、同工業相は、中国企業2社、Oriental Mining and Minerals Resources Co LtdとRui Tong Investment Co Ltdによる直接還元鉄(DRI: Direct Reduced Iron)プラントの建設投資の計画も明らかにしている。 世界最大のアルミ消費国である中国はボーキサイト鉱石輸入量の約8割をインドネシアに依存してきたが、今年5月から実施されているインドネシア政府による鉱石輸出規制及び20%の輸出税課税に伴い、今後も輸入量が低迷する見込みであり、かつ、2014年1月からの鉱石輸出禁止が完全に実施される予定であることから、ボーキサイト資源を確保するため、中国のアルミ関連企業によるインドネシアへの精製錬分野の投資の動きが強まってきている。8月には中国ボーキサイト生産大手のBosai Minerials Groupが、投資額10億US規模のインドネシアBintan島へのアルミナ精錬プラントの建設が報じられた。一方、一部のアナリストは、今後の中国の経済成長の減速懸念があることから、実際の投資の実行には、困難を伴うのではとも指摘している。 |
(2012. 9. 3 ジャカルタ 高橋健一) 目次へ |
インドネシア:インドネシア国営PT Timah、錫スポット販売再開 |
2012年8月29日付け各社報道によれば、インドネシア国営錫企業のPT Timahは、錫市場価格の低迷のため、8月当初から停止していた錫スポット販売を再開したことを明らかにした。7月末時点でのロンドン金属取引所(LME)価格が17,000 US$/tを下回っていたことにより同販売を停止していたが、価格が20,000 US$/t水準に回復したことにより販売を再開した模様であるが、再開の具体的な時期及び販売量は明らかにしなかった。 |
(2012. 9. 3 ジャカルタ 高橋健一) 目次へ |
インド:Vedanta Resources、インド政府保有のHindustan Zinc社及びBalco社の株式取得額を引き上げ |
2012年8月30日付け各社報道によれば、非鉄大手Vedanta Resources社(LSE上場)は、インド政府が保有するアルミ企業Hindustan Zinc社(HZL社)及びBharat Aluminium Co Ltd(Balco社)の株式取得額に関し、従来の政府への提案額1,727.5億インド・ルピー(約32.8億US$)から25%引き上げた2,163.5億インド・ルピー(約39.3億US$)で再提案する。今回の引上げは株主総会に諮られ、承認が得られたもので、2013年8月9日までの1年間有効となる。またこの再提案額は、政府が売却額の目標としている3,000億インド・ルピーの3/4に相当する。Vedanta Resources社のこれまでの政府への提案額の2社内訳では、1,549.3億インド・ルピーをHZL社の政府保有株29.5%に、178.2億インド・ルピーをBalco社の政府保有株49%の取得に充てる予定であったが、HZL社株式は20%増の1,860.6億インド・ルピー、Balco社株は70%増となる302.9億インド・ルピーとなった。Vedanta Resources社は子会社のSterlite Industries社を通じ、既にHZL社株式64.9%を、Balco社株式51%を所有し、それぞれの親会社となっているが、今回の取得が進めばHZL社の約95%、Balco社の100%の株式を保有することとなる。 |
(2012. 9. 3 ジャカルタ 高橋健一) 目次へ |
ラオス:ベトナム企業が亜鉛・錫などの探査・採掘投資許可証を取得 |
中国メディアがベトナム紙記事を引用して2012年8月27日に報道したところによると、ラオスのソムサワート・レンサワット副首相とベトナムのグエン・スアン・フック副首相は8月25日、ベトナムのタイグエン省で開催された会議に出席、席上、ラオス側はタイグエン戦功鉱産鉱業社(原文では「太原戦功鉱産和鉱業股份公司」)に対して、投資許可証を与えた。これは、同社が800万US$を投資してラオスのHua Phan省の300 ㎢の範囲内で、錫・鉛・亜鉛の探査活動を行うことを承認したもの。現在、ラオスではタイグエン省の企業20社によるラオス向け投資が行われていて、総投資額は1億US$(注;20社1億US$は鉱業に限らない全産業でのFDIと見られる)に上る。 |
(2012. 8.28 金属企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
中国:雲南省の景成集団、年産10万tの電解亜鉛プラント完成 |
現地報道によると、雲南省瑞麗市の景成集団が建設していた年産10万tの電解亜鉛プラントが2012年8月に完成し、点火式が挙行された。これに用いられる鉱石はミャンマーで何十年にわたり製錬に用いられ、340万tに達した鉱さいと伝えられている。これらは同国の植民地時代に英国人が開発し銀や鉛を生産していたBawdwin 鉱山の廃棄残留物であり、瑞麗から200km離れたミャンマーのNanmudu(中国語音訳)から輸送されたもの。Bawdwin 鉱山では、銀や鉛が回収されていて、まだ高率で亜鉛を含んでいる。 なお、併せて景成集団では年産10万tの金属シリコンプラントも火入れが行われた。 |
(2012. 8.27 金属企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
中国:雲南錫業、年産10万tの銅精錬プラント、試運転生産開始 |
現地報道によると、雲南錫業の年産10万tの銅精錬プラントが完成し、試運転生産の段階に入った。同社の現在の銅生産量は1,500 t/月だが、2013年の生産量は8~9万tとなる予定。このプラントは、19.85億元(3.1億US$)を投資して2010年5月に着工し、オースメルト技術とISASMELT processを採用し銅カソードを生産するもの。 雲南錫業は銅金属資源量で57.5万tを有し、自山鉱率20%で銅を生産する。2011年の年報によれば、2012年の非鉄金属生産量は、銅6万tを含んで22万tである。 |
(2012. 8.27 金属企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
中国:広州江銅、年産40万t銅ワイヤロッドライン完成、運転開始 |
現地報道によると、2012年8月7日、広州江銅銅材公司で最新のCR3700の年産40万t低酸素銅ワイヤロッド生産設備及び一連の関連設備が完成し、14日には連続鋳造試験が行われた。これにより、8月21日には8.6 m/秒の速度で初の8 mmワイヤロッドが試運転で生産され、全面的な試験操業段階に入った。8月24日には第2の大型伸線ラインも稼働した。 この設備は総投資額20億元(3.2億US$)で建設されたもので、8 mmワイヤロッドと2.6 mm硬銅線が製造されるが、今後1.8 mmと1.3 mm銅線も計画されている。主として華南地区に供給され、同時に東南アジア市場へも向けられる計画。 |
(2012. 8.30 金属企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
中国:湖南省、レアアース第12次五ヵ年計画を公表 |
現地報道によると、湖南省政府は2012年8月22日、「湖南省レアアース産業第12次五ヵ年発展計画」を公表した。 計画では、同省政府が「湖南省レアアース産業集団有限公司」を設立し、省全体のレアアース資源の統合を図る。しかし、関係する政府部門及び企業が多く、権益配分等が最終的に確定していないため、同集団有限公司の発足には時間を要する見込みである。第12次五ヵ年計画期間中に総額100億元を投じ、①新エネルギー材料産業発展、②資源加工利用、③資源探査及び採掘、④関連産業拡大の各プロジェクトを推進し、年間売上額400億元以上を目指している。 同省のレアアース資源は、イオン吸着型鉱石及びモナザイトが豊富である。2010年末現在、鉱徴地は36箇所あり、保有埋蔵量は重希土類400 t、軽希土類345,627 tで、イオン吸着型105,787 tである。 関係者によると、湖南省もレアアース専用伝票制度導入の可能性がある。 |
|
中国:国家物資備蓄局、軽希土1.8万tを備蓄開始 |
安泰科によると、国家物資備蓄局は、包鋼希土と「レアアース買上げ備蓄」に関し合意し、100億元を投入し軽希土1.8万tの備蓄を開始する見込みである。 関係者によると、備蓄鉱種及び実行時期はほぼ確定し、2012年8月に準備完了、9月に実行の予定である。今回の備蓄は、包鋼希土、五鉱集団、中国アルミ業など大手企業が参加する計画である。また、備蓄対象及び量については、酸化ユウロピウム50 t、酸化イットリウム1,500 t、酸化ジスプロシウム300 t、酸化テルビウム60 tとの話もあるが、政府からの発表は無い。 |
|
中国:広西チワン族自治区梧州市、資源回収・再生事業を展開 |
安泰科によると、広西チワン族自治区の梧州市政府は、これまでに資源回収・再生加工団地を建設して来た。これまでに、解体企業28社及び高度加工企業4社を含む計42社が進出し、銅、アルミ及びプラスチックの資源回収・再生事業を展開している。2012年の生産額は、200億元を超える見込みである。 当団地は、国務院が指定する回収資源循環利用モデル団地で、かつ環境保護部、税関総署及び国家品質検査総局から共同認可され2008年5月より建設を開始し、年間で300万tのスクラップを解体加工し、製品及び半製品200万tを生産している。 2015年の工業団地建設完了後には、80社を超える解体企業及び20社を超える高度加工企業の受け入れが可能となり、生産額1,000億元以上を見込んでいる。 |
|
|