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報告書&レポート

2005年6月16日 ロンドン事務所 嘉村 潤 e-mail:kamura@jogmec.org.uk
2005年41号

ベースメタルの国際市場と需給動向(2005年4月)

 1. 国際市場

 5月のLME(London Metal Exchange)の月平均価格は、銅が11か月ぶりに下落し4.3%減の3,249.10USドル/t、ニッケルは2か月ぶりに上昇し4.9%増の16,931.50USドル/t、亜鉛は2か月連続で下落し4.3%減の1,243.63USドル/tとなった。銅、ニッケル、亜鉛ともに依然高いレベルを維持しているものの、市場の不透明感が強まってきている。銅は、生産増加と経済成長減速により市場が弱気になりつつあるが、歴史的に低い在庫レベルが価格を支持、2005年後半には需給が緩和することが予想されているが、需給両面の急変でタイト感の継続もあり得るとの見方もある、ニッケルは、LME在庫が若干増加したものの依然低いレベルを継続、当面供給の大幅増加が見込めず、中国等アジアの需要次第では本年中の需給緩和は困難かも知れない状況、亜鉛は、足元のめっき用需要が弱くなったことにより価格が下落したが、今後は需要増加、LME在庫減少により回復するとの見方もあるなど、各金属とも市場の見通しに多様性が出てきている。今後とも基本的にタイトな需給を背景に、ファンド資金等の動きにより当面は高いレベルで推移するものの、市場が急変する可能性もあり不安定な動きを続けると考えられる。

LME平均価格と在庫
  平均価格(cash settlement, USドル/t) 在庫(t)
2005年4月 2005年5月 前月比 2005. 4.29 2005. 5. 31 増減
Cu 3,394.48  3,249.10  -4.3%  59,975  45,225  -14,750 
Ni 16,141.90  16,931.50  +4.9%  6,240  7,878  +1,638 
Zn 1,300.14  1,243.63  -4.3%  545,000  524,825  -20,175 

2. 需給動向

2005年1~3月の需給状況(出典:国際銅・ニッケル・鉛亜鉛研究会)
  鉱山生産 地金生産 地金消費 需給バランス
(t)
1~3月(t) 前年同月比 1~3月(t) 前年同月比 1~3月(t) 前年同月比
Cu 3,542,700 +7.5% 3,972,900 +4.1% 4,031,900 -5.5% -59,000
Ni 321,800 +1.3% 319,000 +1.4% 318,700 +2.5% +300
Zn 2,446,000 +5.1% 2,558,000 +4.3% 2,621,000 +3.4% -63,000

2・1 銅

【需要】
 国別の2005年1~3月の消費量は、最大消費国中国が前年同期比6.4%増となる一方、その他主要国では2位米国11.3%減、3位日本12.9%減、4位ドイツ18.7%減、5位韓国8.5%減となり、世界計では5.5%減の4,031.9千tであった。世界の消費を月別に見ると、04年12月1,285.6千t、05年1月1,391.2千t、2月1,251.6千tと増減を繰り返し、3月は1,389.1千tと前月から増加した。注目の中国の消費動向も、04年12月263.7千t、05年1月318.3千t、2月256.5千tと増減を繰り返し、3月は321.7千tと前月から増加した。国際銅研究会は世界の銅地金消費を2005年5.3%増の17,370千t、2006年4.6%増の18,167千tと予測している。

【供給】
 2005年1~3月の鉱山生産は前年同期比7.5%増の3,542.7千tであった。月別の鉱山生産を見ると、04年後半1,200千t台を維持し、12月1,350.6千tと04年最高値を更新した後、05年1月1,207.1千t、2月1.088.4千tと大幅に減少したが、3月は1,247.3千tと回復した。鉱山の設備稼働率も04年は高レベルで推移し、12月に97.4%まで上昇したが、05年に入り80%後半に下落、3月は88.6%であった。2005年1~3月の国別生産量は、3位ペルーが前年同期比0.7%減となった以外は、最大生産国チリが2.6%増、2位米国8.9%増、4位豪州15.3%増、5位インドネシアがGrasberg鉱山の事故からの回復により90.6%増と大幅に増加した。国際銅研究会は世界の銅鉱山生産を2005年8.0%増の15,678千t、2006年1.0%増の15,840千tと予測している。
 2005年1~3月の地金生産は前年同期比4.1%増の3,972.9千tであった。月別の地金生産は04年末まで増加傾向で12月1,382.0千tまで増加したが、05年1月1,367.4千t、2月1,242.2千tと減少、3月は1,363.3千tと回復した。04年11月まで精錬所稼働率は上昇傾向にあったが、12月81.6%、05年1月80.3%、2月は80.5%、3月79.4%と定修等の影響により80%前後で低迷している。2005年1~3月の国別生産量は、最大生産国のチリ(EW生産を含む、以下同様)が3.3%増、2位中国21.8%増、5位ロシア7.5%増となる一方、3位日本0.5%減、4位米国0.3%減、6位ドイツ4.0%減となったが、全体では増加した。国際銅研究会は世界の銅地金生産を2005年8.5%増の17,110千t、2006年5.6%増の18,074千tと予測している。

【需給バランス】
 2005年1~3月は59.0千tの供給不足(季節調整後は25千tの供給超過)であった。2004年12月に96千tの供給超過となった以降、2005年1月24千t、2月9千t、3月26千tと供給不足が継続している。季節調整後の需給バランスでは、2004年12月30千t、2005年1月16千tの供給不足であったが、2005年2月19千t、3月21千tの供給超過となっている。国際銅研究会は世界の銅地金需給を2005年259千tの供給不足、2006年93千tの供給不足と予測している。

【価格】
 3,315USドル/tからスタートした5月のLME銅価格は、一旦僅かに3,200USドル台まで下落したものの、5月11日までは3,300USドル台を維持したが、5月13日からは3,100USドル台まで下落した。その後5月24日に再び3,200USドル台を回復、5月31日には3,214USドルで終了した。

2・2 ニッケル

【需要】
 2005年1~3月の消費量は前年同期比2.5%増の318.7千tであった。最大消費国の日本が1.7%増、2位中国が25.4%増と大幅増、3位米国1.0%増、4位韓国4.7%増、5位ドイツ0.4%増、6位台湾3.2%増と主要国すべてで増加となり、全体でも消費量が増加した。国際ニッケル研究会は2005年の世界のニッケル地金消費を4.1%増の1,304.2千tと予測している。

【供給】
 2005年1~3月の鉱山生産は前年同期比1.3%増の321.8千tであった。最大生産国ロシアは増減なし、2位カナダ2.1%減、5位ニューカレドニア14.7%減となったものの、3位豪州4.5%増、4位インドネシア9.2%増となり、全体としては微増となった。国際ニッケル研究会は2005年の世界のニッケル鉱山生産を6.2%増の1,377.6千tと予測している。
 2005年1~3月の一次地金生産は前年同期比1.4%増の319.0千tであった。2位日本が6.7%減、3位カナダ4.3%減となったものの、最大生産国のロシアが0.5%増、4位豪州が20.4%増と大幅増、5位中国1.4%増、6位ノルウェー10.1%増となり、全体としては微増となった。国際ニッケル研究会は2005年の世界のニッケル地金生産を4.4%増の1,309.9千tと予測している。

【需給バランス】
 2005年1~3月の需給は300tの僅かな供給超過となった。一方LMEの在庫量は、5月31日現在7,878tとなり、依然低水準であるものの前月末から1,638t増加している。国際ニッケル研究会は世界のニッケル地金需給を2005年6,300tの供給超過(日本の備蓄売却分600tを含む)と予測している。

【価格】
 16,100USドル/tでスタートした5月のLMEニッケル価格は、徐々に上昇し5月10日に17,000USドル台を記録、5月17日まで17,000USドル台を維持した後に下落、その後2度17,000USドル台を記録した以外、16,000USドル台で推移し、5月31日には16,850 USドルで終了した。

2・3 亜鉛

【需要】
 2005年1~3月の消費量は前年同期比3.4%増の2,621千tであった。2位米国が11.1%減、3位日本0.7%減となったが、最大消費国の中国が8.6%増、4位ドイツが0.8%増、5位韓国が32.6%増の大幅増となり、全体としては増加した。国際鉛亜鉛研究会は2005年の世界の亜鉛地金消費を2.4%増の10,692千tと予測している。

【供給】
 2005年1~3月の鉱山生産は、4位カナダが前年同期比15.2%減となったが、最大生産国の中国が16.5%増、2位豪州2.2%増、3位ペルー2.6%増、5位米国0.6%増、6位メキシコ5.2%増となり、世界合計では5.1%増の2,446千tとなった。国際鉛亜鉛研究会は2005年の世界の亜鉛鉱山生産を5.2%増の10,147千tと予測している。
  2005年1~3月の地金生産は、最大生産国の中国が前年同期比2.4%増、2位カナダ6.2%増、3位韓国6.0%増、4位日本5.1%増、6位豪州2.6%増となり、5位スペインが0.8%減となった以外は主要国で増加し、全体で4.3%増の2,558千tとなった。国際鉛亜鉛研究会は2005年の世界の亜鉛地金生産を3.3%増の10,486千tと予測している。

【需給バランス】
 2005年1~3月の需給バランスは63千tの供給不足となった。LMEの在庫量は、5月31日現在524.8千tとなり、前月末から2.0万t減少している。国際鉛亜鉛研究会は2005年の亜鉛地金需給を西側世界で193千tの供給不足、世界全体で206千tの供給不足と予測している。

【価格】
 1,262.5USドル/tでスタートした5月のLME亜鉛価格は、1,200USドル台前半から半ばまでの安定した値動きで推移し、5月31日には1,252USドルで終了した。

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