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報告書&レポート

2005年9月1日 ジャカルタ事務所 池田 肇 e-mail:jogmec2@cbn.net.id
2005年57号

第1回アセアン鉱物閣僚会議開催報告

 第1回アセアン鉱物閣僚会議(AMMin:FIRST ASEAN MINISTERIAL MEETING ON MINERALS)が、8月4日、マレーシア・サラワク州クチンにおいて開催され、アセアン諸国(10か国:ブルネイ、カンボジア、マレーシア、インドネシア、ラオス、ベトナム、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ)から鉱物資源問題を管掌する閣僚が参加し、域内鉱物協力のあり方・ASEAN鉱物協力行動計画について討議を行っているので、その概要を報告する。なお、閣僚会議は非公開であったが、本報告はホスト国のマレーシア天然資源・環境省から入手した共同宣言書(JOINT Press Statement)に基づき作成したものである。

1. 要旨

 アセアン鉱物閣僚会議は、1995年にタイ・バンコックで開催された第5回アセアン首脳会合において、域内各国の工業化を支援するためには鉱物資源分野における貿易と投資を活性化させる必要があるとの合意を契機に、1996年インドネシア・バリにおいてアセアン鉱物高官会合(ASEAN Senior Officials Meeting on Minerals:ASOMM)が開催され、鉱物資源分野における協力の枠組みとして4つのワーキンググループ(鉱物資源データベース・研修・環境にやさしい鉱山開発と選鉱プロセスの開発、鉱物の貿易と投資)が設立された。2005年8月2日、第7回ASOMMの開催に引き続き関係閣僚が出席し初めて鉱物閣僚会議が開催された。会合では、2004年にラオス・ヴィエンチャンで開催されたアセアン首脳会議のヴィエンチャン行動計画2004~2010年に係る鉱物資源セクターのガイドラインと政策方向性の議論および鉱物大臣によるアセアン鉱物協力行動計画(AMCAP:ASEAN Minerals Cooperation Action Plans)と鉱物資源分野における協力必要性の理解を主たる目的とし、ヴィエンチャン行動計画、アセアン鉱物協力に関する政策課題実現のための19項目にわたる具体的戦略行動計画が立案され、持続発展可能な活気に満ちた鉱業界を創出していくことで基本合意された。

2. 第1回AMMin出席閣僚および代表
(1) Dato Paduka Dr. Mat Suny Hj. Md Hussein ブルネイ開発副大臣
(2) Chea Sieng Hong カンボジア産業・鉱山・エネルギー担当国務大臣
(3) KPH Rusdiharjo 在マレーシア・インドネシア特命全権大使
(4) Onneua Phommachanh ラオス産業大臣
(5) Dato Sri Adenan Bin Haji Satem マレーシア天然資源・環境大臣
(6) U Myunt Thein ミャンマー鉱業大臣
(7) Michael T Defensor フィリピン環境・天然資源大臣
(8) Lim Swee Say シンガポール国家開発第2大臣
(9) Parnpree Bahiddha-Nukara タイ産業副大臣
(10) Tran Thi Minh Ha ベトナム天然資源・環境省・国際協力部長
(11) Pengiran Dato Mashor Pengiran Ahmad アセアン事務局長代理

3. 次第

 閣僚会議は、Sri Haji Adenan bin Satem・マレーシア天然資源・環境大臣が議長を務め、ミャンマーのU Myint Thein鉱業大臣が副議長を務め、Dato Sri Mohd Najib bin Abdul Razakマレーシア副首相が開会を宣言し、引き続き基調演説があり討議が行われた。

4. 基調演説

(1) アセアン諸国が鉱物資源開発で協力していくことは重要な経済協力を構築することであり、アセアン諸国の再活性化に貢献し、新しいミレニアムのおける最も活気のある地域することを約束する。
(2) 発展を加速するためにも、アセアンは鉱物資源の貯蔵庫として、競争力を勝ち取り優位性を確保する必要性を述べた。アセアン地域の鉱物資源は多種多様だが、単に日常必要な資源を開発するだけでなく、産業をベースにした多くの鉱物を在庫して共有することが重要である。
(3) アセアン地域の鉱業を促進し発展させるために、共同で探鉱し、共同で鉱山経営を行い、地域貿易を展開し、技術ノウハウの情報を共有する必要がある。さらに、アセアン鉱物データベースを開発し、研究開発(R&D)施設を建設する必要がある。
(4) 鉱物資源開発は国際ビジネスであり、アセアンは、保有する資源を最大限に開発するための海外に資本投資を求め、グローバルな複雑な市場ニーズに対応しなければならない。
(5) AMMinは、グローバルな規模で鉱業の発展を調整するために熟考し計画を立てなければならない。しかし、鉱物は地球から生まれたもので、我々は地球を保護する義務を負っており、持続的な発展性を重視するとともに、環境保護を重視した鉱物資源開発政策が重要となる。
(6) 鉱業の潜在的成長性を実現するため、人間の技術面でのすぐれた英知、地球保護、ビジネスの刺激を組み合わせることが必要であり、多様な鉱業がアセアン地域の団結に役立つ手段となる。

5. 合意事項

4.1 アセアン鉱業の明白な成長予想
(1)アセアン加盟国の経済成長の潜在性を刺激し社会的発展を強化できる天然資源の重要性を認識し、アセアン鉱業成長の重要性を議論した。アセアン鉱業は、工業生産、農業、ハイテク産業、製造業などの継続的な需要増加を満たすために拡大していく。
(2)地域、世界の強い経済成長は、多くの国々の鉱物資源需要を増大させ、アセアン諸国がこれら鉱物製品を販売することは大きな刺激であり、ビジネス機会の構築に繋がる。

4.2 地域協力の構図
(1) 2004~2010年ビエンチャン行動計画(VAP)(2004年11月19日にラオス・ヴィエンチャンで開催されたASEANサミットの合意)に基づき、我々の首脳は、鉱業貿易、同投資の強化し、鉱物資源を合理的で最大限に利用するための協力を強化するように要請している。
(2)この課題を前進させるため、我々は、アセアン地域の鉱業を発展させる目的の地域合意を成立させ、アセアン鉱物協力に関する閣僚合意(MU)に調印した。同合意は、アセアン鉱業が地域の経済成長を拡大し、社会的発展を促進する機動力となり、貿易・投資を強化し、環境保護を促進し、鉱物資源を持続的に経営管理し、最大限に利用しながら鉱物資源開発慣行に社会的責任を持つ。
(3)我々は2005~2010年アセアン鉱物協力行動計画(AMCAP)を採択した。これにはビエンチャン行動計画、アセアン鉱物協力に関するMUに基づく政策課題を実現するための19項目の具体的な戦略行動計画が含まれている。AMCAPを効果的に実行するため、a鉱物情報およびデータベース、b鉱物資源に対する貿易・投資、c持続的な鉱物開発、d鉱物生産能力向上(研修機会の提供)など具体的な協力関係を進めるため4つの作業グループ設置を承認した。

4.3 戦略的・創造的パートナーシップの強化
(1)我々はアセアン鉱業に対して国内、外国企業の投資を歓迎する。投資活動を活発化させ、ビジネス取引コストを安くするため、アセアン域内の鉱物資源に関する開発政策を調整し、開発計画を立案して行く。我々は、アセアン鉱業における環境を重視し社会責任をもった経営、開発を促進させることに注力する。
(2)我々はまた、アセアン鉱業協会連盟(AFMA)が後援するアセアン民間企業協力に関するフォーラム設置を歓迎する。これはアセアン鉱業の合弁事業プロジェクトやパートナーシップを構築して貿易・投資を促進するため協力する機関である。AMFAが、現在は参加していないアセアン諸国のメンバーを拡大し、アセアン鉱業に民間企業が関与して発生する問題を処理する恒久的な事務局を設置するなど、民間企業協力フォーラムの指針や2005ー2010年AMCAPを支援するため優先順位を付けて戦略計画を展開する方針を歓迎する。官民パートナーシップを緊密な関係にするため、我々は、今後のAMMin会議でAFMA幹部が協議し、対話を開催することを歓迎する。
(3)アセアン鉱業で付加価値の高い製造業やサービス業の活動を発展させるため、我々はアセアン諸国のパートナーが対話し、鉱物資源開発や地質学分野で関係する国際機関や地域機関と科学技術研究開発で対話し、技術移転で協力プログラムを立てるなど、緊密な協力関係を促進させることに合意。その第1段階として、我々は、2006年鉱物協力に中国、日本、韓国の代表をアセアン・プラス3協議会議に招聘するマレーシアの提案を歓迎した。
(4)強い官民パートナーシップ、アセアン対話パートナーズや関係国際機関との緊密な協力などを通して、アセアン鉱業が同地域の経済成長や社会的発展を活性化させると確信している。

6. おわりに

 JOGMECは、本件、戦略的・創造的パートナーシップの強化に関する情報収集他の一環として来る10月にフィリピン・マニラで開催されるアセアン鉱業協会連盟(AFMA)会合に参加し講演を行うほか、ASEAN鉱業界関係者の講演内容に関し、カレント・トピックスを通じ情報提供する予定である。

参考資料

  マレーシア天然資源環境省提供共同宣言書
 ASEAN事務局 :http://www.aseansec.org
 共同声明 :http://www.aseansec.org/17647.htm
 合意議事録 :http://www.aseansec.org/17657.htm
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