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報告書&レポート

2005年12月28日 北京事務所 納 篤 e-mail:osame@jogmec.cn
2005年99号

中国、銅の委託加工貿易が全面禁止、増値税還付率も低減-2006.1.1から

 国家発展改革委員会によると、12月9日に同委員会、財政部、商務部、国土資源部、税関総署、国家税務総局、国家環境保護総局の7つの部署から共同で、「一部の高エネルギー消費・高汚染型資源産品の輸出規制措置に関する通知」を公布し、非鉄に関しては銅の委託加工貿易を2006.1.1から全面禁止する措置を明らかにした。加えて、これまで輸出することを条件に輸出増値税の一部が還付されていたが、併せて一部の鉱産資源の増値税の還付率が引き下げられる。還付率の低減はこれまでも実施されてきており、3度目となる。本稿では、同通知について内容を報告するとともに、その通達の訳文を添付する。

1. 銅の委託加工貿易を全面禁止

 同通知によると、2006年1月1日から一部の資源性産品の委託加工貿易を中止させるとし、そのうち銅スクラップ或いは銅精鉱を輸入し、未圧延銅(カソード銅及び銅合金)を輸出するいわゆる委託加工貿易が全面禁止される。但し、本通知の公布前の契約で、商務主管部門が既に承認したものに関しては、その限りではなく、税関で登録している産品の加工貿易は契約内容で規定している有効期限内は保護されるが、期限満了後は延長出来ないとしている。
 なお、委託加工の解釈の範囲は、製錬所の大小にかかわらず全ての銅製錬所に適用され、委託加工契約による銅スクラップ及び銅精鉱輸入であれば全て禁止となるが、一般貿易契約による銅スクラップ及び銅精鉱輸入については、適用は除外される。
 

2. 一部の鉱産資源の増値税還付率の低減

 「ロッテルダム条約」(危険化学品及び農薬の国際取引において予め輸入意思を確認する)と「POPSP公約」(持続的有機汚染物の規制に関し法的拘束力を持つ国際文書)の中の25種の農薬、分散染料、水銀、タングステン、亜鉛、錫、アンチモン及びその製品、金属マグネシウム及びその一次製品、石蝋の輸出還付率を全て5%に引き下げる。また、タングステン、亜鉛、錫、アンチモンの現在の還付率は8%で、マグネシウムは13%となる。詳細については財政部、国家税務総局から別途通知するとしている。

表1 本通知で増値税還付率が低減される鉱産資源
鉱産資源
2004.1.1
2005.5.1
2006.1.1
タングステン
13%
8%
5%
亜鉛
11%
8%
5%
13%
8%
5%
アンチモン
13%
8%
5%
マグネシウム
13%
13%
5%
JOGMEC北京事務所調べ

3. 一部の資源性産品の輸出数量の規制

 国内に於いて、枯渇する恐れのある一部の資源性産品については、国内の生産及び消費を制限すると同時にこれまで実施していた輸出数量制限をさらに厳しく制限する。ただし、ここで言う「枯渇する恐れのある一部の資源性産品」は特定されていない。
 レアアースに関しては、その「枯渇する恐れのある一部の資源性産品」として示されているが、輸出量の数量制限については「適度に削減する必要がある」としか示されていない。
 

4. まとめ

 2004年の委託加工貿易のために供された銅スクラップ及び銅精鉱の輸入量は、それぞれ8.2万t、26.1万tで、総輸入量のそれぞれ2.1%、9.0%を占めていた。また、未圧延銅に関しては、2002年、2003年、2004年には輸出量がそれぞれ7.71万t、6.50万t、12.44万tとなり、そのうち委託加工貿易による輸出はそれぞれ67.2%、57.9%、36.2%を占めた。ここ3年間の未圧延銅の輸出量は4.5~5.1万t。(全て実物量)
 なお、委託加工の解釈の範囲は、製錬所の大小にかかわらず全ての銅製錬所に適用され、委託加工契約による銅スクラップ及び銅精鉱輸入であれば全て禁止となるが、一般貿易契約による銅スクラップ及び銅精鉱輸入については、適用は除外される。
 なお、本通知施行後は、未圧延銅の輸出量は漸減するといった若干の影響があると思われるが、委託加工貿易による未圧延銅の輸出量自体は国内の生産量及び消費量と比較して少量であることから、国内の銅市場への影響は寡少と思われる。
 また、レアアースに関しては、「枯渇する恐れのある一部の資源性産品」として輸出量の数量制限を「適度に削減する必要がある」としており、原料供給源として多くを中国からの輸入に頼っている日本の需要家への影響は避けられないところであり、削減数量の規模によっては大きな痛手を被る可能性がある。なお、2006年のE/L(エキスポートライセンス)及び輸出量に関しては既に発展改革委員会は決定しており、現在国務院の承認を待っているところであるとして、数量を明らかにしていない。
 
 (参考)
 「一部の高エネルギー消費・高汚染型資源性産品の輸出規制措置に関する通知」の仮訳文
 
 各省、自治区、直轄市と計画単列都市、新疆生産建設兵団発展改革委員会、財政庁(局)、商務主管部門、国土資源庁(国土環境資源庁、国土資源局、国土資源と家屋管理局、計画・国土資源管理局)、税関総署広東分署、税関天津、上海特別事務所、各直属税関、国家税務局、環境保護局(庁):
 国務院常務会議の高エネルギー消費・高汚染型資源性産品の輸出規制の精神に基づき、2005年度から国は鉄鋼、電解アルミ、鉄合金、製品油等の品目の輸出規制に関する一連の措置を採り比較的良い成果を挙げてはいるが、一部の高エネルギー消費・高汚染型資源性産品の輸出問題が依然として目立っている。国務院の承認を受けて、ここに一部の高エネルギー消費・高汚染型資源性産品の輸出規制に関する措置を下記のように通知する。
 
1. 一部製品の加工貿易を中止する。2006年1月1日から、クロロフェノタン原薬、ヘキサクロルベンゼン中間化合物、クロルダン原薬、Gammexane、p-クロルフェノール、トリクロルエタノール原薬、sodium pentachlorophenolate、トリサイクレンなど農薬原薬を輸入して農薬を輸出する、分散染料を輸入してその製品を輸出する、チップ・原木・ウッドパルプを輸入してウッドパルプまたは紙・板紙を輸出する、原皮を輸入して半加工皮革または皮革製品を輸出する、銅スクラップまたは銅精鉱を輸入して未圧延銅を輸出することを加工貿易禁止類目録に入れ、上記品目の加工貿易契約について審査・認可しないことにする。現時点で商務部主管部門により認可され、かつ税関に届出されている上記品目の加工貿易業務については、現行規定に基づき、認可の有効期限内に契約の履行を果たし、期限満了後の延期をしてはならない。以上の政策は輸出加工区と保税区等の税関特殊監督管理区域にも適用される。具体的なことについては、商務部と税関総署から文書で公告する。
 
2. 一部製品の輸出税還付政策を調整する。2006年1月1日から、石炭タールと原皮、原毛皮、ウエットブルー、クラスト革の輸出税還付を廃止する。「ロッテルダム条約」(危険化学品及び農薬の国際取引において予め輸入意思を確認する)と「POPSP公約」(持続的有機汚染物の規制に関し法的拘束力を持つ国際文書)の中の25種の農薬、分散染料、水銀、タングステン、亜鉛、錫、アンチモン及びその製品、金属マグネシウム及びその一次製品、石蝋の輸出還付率を5%に引き下げる。具体的なことは財政部、国家税務総局から別途通知する。
 
3. 一部の資源性産品の輸出数量を規制する。国内資源の保護という視点から、一部の枯渇資源性産品については国内の生産及び消費を制限する同時に、輸出数量をさらに制限する。希土類等の製品輸出数量についても適度に削減する必要がある。コークスの輸出割当量は前年度のレベルを維持し、それ以上増やさない。加工貿易方式による製品油の輸出を厳格に制限する。ガソリン、灯油、ディーゼル油の輸出数量については、商務部と国家発展改革委員会が確定し、税関はそれに基づいて実行する。2006年からは大連西太平洋石油加工公司、湛江東興製油所及び履行義務を有する長期契約以外の原油加工貿易契約について認可しない。中国石油公司と中国石油化学工業公司が外国企業と締結した長期契約の中に輸出義務がある場合、できるだけ上記企業の加工貿易による輸出量の中で調整する。それが無理な場合は、一般貿易方式により輸出することができる。
 
 
 各自治体は今後も高エネルギー消費・高汚染産業の発展状況について注目し続け、企業に科学的発展観からの要求に基づき、また技術革新を通じて、エネルギーと資源の消費を削減させ、産業チェーンを伸ばし、輸出商品の構造レベル、技術性、付加価値を高め、新たな競争上の強みを育成させるようにする。

 

国家発展改革委員会、財政部、商務部、国土資源部、
 税関総署、国家税務総局、国家環境保護総局
 2005年12月9日

 

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