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報告書&レポート

2006年3月23日 ロンドン事務所 嘉村 潤 e-mail:kamura@jogmec.org.uk
2006年18号

ベースメタルの国際市場と需給動向(2006年2月)

 1. 国際市場

 2月のLME(London Metal Exchange)の月平均価格は、銅が9か月連続で上昇し5.2%増の4,982.40US$/t、ニッケルは3か月連続で上昇し2.9%増の14,978.75US$/t、亜鉛は7か月連続で上昇し6.2%増の2,219.38US$/tとなった。
 銅は、2月に入り最初の1週間は先月末からの急増傾向が続いていたが、その後投機資金の利益確定売り等で下落、Grasberg鉱山の供給途絶懸念でまた上昇する等乱高下が激しくなっており、平均では先月を上回ったものの、LME在庫の増加もあり、市場の不安定性が高まっている。ニッケルは、他の金属と比べて比較的落ち着いた動きとなっている。中国のステンレス鋼需要の増加等ニッケル需要は改善し、LME在庫も減少してきている。亜鉛は、銅と同様、2月入って最初の1週間までの上昇傾向から、投機資金の確定売りで、月半ばに15%も価格を下落させた。しかしながら、亜鉛の需給タイトな状況は継続しており、LME在庫の減少も継続していることから月末にかけて急回復した。非鉄金属市場全般としては、ファンド資金の利益確定等の動きで乱高下が激しくなってきており、不安定さがより拡大した展開となっている。

LME平均価格と在庫
平均価格(cash settlement,US$/t)
在庫(t)
2006年1月
2006年2月
前月比
2006.1.31
2006.2.28
増減
Cu
4,734.33
4,982.40
+5.2%
97,600
108,900
+11,300
Ni
14,555.24
14,978.75
+2.9%
37,020
34,686
-2,334
Zn
2,090.31
2,219.38
+6.2%
372,850
329,675
-43,175

LEM月平均価格と在庫
2005年1~12月の需給状況
鉱山生産
地金生産
地金消費
需給バランス
(t)
1~12月(t)
前年同期比
1~12月(t)
前年同期比
1~12月(t)
前年同期比
Cu
14,915,900
+2.8%
16,432,800
+4.0%
16,430,900
-1.5%
+1,900
Ni
1,352,800
+3.4%
1,274,100
+1.9%
1,237,100
-1.3%
+37,000
Zn
9,995,000
+3.4%
10,262,000
+1.0%
10,694,000
+2.3%
-432,000
(出典:国際銅・ニッケル・鉛亜鉛研究会)

2. 需要動向

2・1 銅
【需要】
 国別の2005年の消費量は、最大消費国中国が前年比9.3%増、4位ドイツ0.6%増となる一方、その他主要国では2位米国6.2%減、3位日本4.5%減、5位韓国9.5%減となり、世界計では1.5%減の16,430.9千tであった。世界の消費を月別に見ると、2005年9月は1,446.9千tと2005年最高の月別消費量となったが、10月1,379.2千tと減少。11月は1,380.8千tと若干増加したものの、12月は休暇期間もあり1,292.5千tと減少した。注目の中国の消費動向は、2005年最大の月別消費量となった2005年6月(338.2千t)から8月まで減少、9月は330.4千tと回復したものの、10月270.8千t、11月274.5千tと低迷、12月は296.7千tと回復した。

【供給】
 2005年の鉱山生産は前年比2.8%増の14,915.9千tであった。月別の鉱山生産を見ると、2005年9月1,243.2千tの後、10月1,281.4千t、11月1,304.4千t、12月1,411.5千tと増加してきている。鉱山の設備稼働率は、2005年に入り80%後半で下落傾向にあったが9月は90.3%と回復、10月89.7%と若干減少したものの、11月94.0%、12月98.1%と急回復している。2005年の国別生産量は、最大生産国チリが前年同期比1.7%減、2位米国が1.4%減、2004年3位で2005年4位のペルーが2.5%減となる一方、2004年4位で2005年5位の豪州が9.7%増、2004年5位で2005年3位となったインドネシアが26.3%増と大幅に増加した。
 2005年の地金生産は前年比4.0%増の16,432.8千tであった。月別の地金生産は2005年8月まで増加傾向で、9月は1,372.6千tと若干減少したものの、10月1,399.1千t、11月1,421.9千t、12月1,477.1千tと再び増加してきている。精錬所稼働率は、2005年前半は80~81%で低迷、8月70%台まで下落した後、9月は82.0%まで回復、10月80.6%に下落したが、11月84.5%、12月84.7%と増加してきている。2005年の国別生産量は、最大生産国のチリ(EW生産を含む、以下同様)が0.4%減、4位米国3.8%減、6位ドイツ2.2%減となる一方、2位中国が19.1%増、3位日本1.1%増、5位ロシア1.7%増となり、全体では増加した。

【需給バランス】
 2005年は2千tの供給超過であった。2005年1~7月は供給不足が継続していたが、8月に2005年初めて供給超過を記録、9月は再び74千tの供給不足となったが、10月20千t、11月41千tの供給超過、12月は185千tと大幅供給超過となった。季節調整後の需給バランスでは、2005年6月に供給超過を記録した後、7~9月は供給不足となっていたが、10月44千t、11月52千t、12月67千tの供給超過となった。

【価格】
 4,949US$/tでスタートした2月のLME銅価格は、2月2日に5,007.50US$、2月3日に5,100US$と5,000台を大きく超えて急伸、7日には5145.50US$の史上最高値(2月最高値)を記録。その後2月16日には4,800US$台まで下落した後上昇、2月22日には再び5,000US$台を記録するなど、乱高下を繰り返し、2月28日は4,839US$で終了した。
 
2・2 ニッケル
【需要】
 2005年の消費量は、前年比1.3%減の1,237.1千tであった。2004年最大消費国で2005年2位の日本が11.7%減、2004年4位で2005年5位の韓国7.9%減、2004年5位で2005年4位のドイツ2.6%減、6位台湾が16.7%減となり、2004年2位で2005年最大消費国となった中国が30.0%増と大幅増、3位米国が6.6%増となったものの、全体では若干減少した。

【供給】
 2005年の鉱山生産は、前年比3.4%増の1,352.8千tであった。2004年2位で2005年3位のカナダが4.7%減、4位インドネシアが0.2%減、5位ニューカレドニアが5.2%減となったものの、最大生産国のロシアが2.3%増、2004年3位で2005年2位となった豪州が15.4%増となり、全体としては増加した。
 2005年の一次地金生産は、前年比1.9%増の1,274.1千tであった。2位日本が3.8%減、3位カナダ8.1%減となったものの、最大生産国のロシアが0.5%増、4位豪州が3.6%増、5位中国が30.8%増、6位ノルウェーが18.5%増となり、全体としては増加となった。

【需給バランス】
 2005年の需給は、37,000tの供給超過となった。LMEの在庫量は、2月28日現在34,686tと前月末から約2,300t減少している。
【価格】
 15,260US$/tでスタートした2月のLMEニッケル価格は、月前半は14,000US$台と15,000US$台を行き来する不安定な動きも見られたが、月後半は14,000US$台後半で比較的安定的に推移していた。2月の最高値は2月9日の15,275US$、最低値は2月16日の14,700US$で、2月28日には14,900US$で終了した。
 
2・3 亜鉛
【需要】
 2005年の消費量は前年比2.3%増の10,694千tであった。2位米国が14.3%減、3位日本が1.6%減となったが、最大消費国の中国が18.4%増、4位ドイツが0.2%増、5位韓国が11.7%増となり、全体としては微増となった。

【供給】
 2005年の鉱山生産は、2004年4位で2005年5位のカナダが前年比14.5%減、6位メキシコ6.3%減となる一方、最大生産国の中国が7.8%増、2位豪州2.6%増、3位ペルー1.2%増、2004年5位で2005年4位の米国が1.1%増となり、世界合計では3.4%増の9,995千tとなった。
 2005年の地金生産は、最大生産国の中国が前年比6.5%増、4位日本0.5%増となり、2位カナダ10.4%減、3位韓国1.6%減、5位スペインが3.3%減、6位豪州が3.8%減となったものの、全体では1.0%増の10,262千tとなった。

【需給バランス】
 2005年の需給バランスは432千tの供給不足となった。LMEの在庫量は、2月28日現在329,675tとなり、前月末から更に約43,000t減少している。

【価格】
 2,302US$/tでスタートした2月のLME亜鉛価格は、乱高下が激しい展開となった。2月7日までは2,300US$台で安定的に推移した後に不安定となり、2月13日には2,100US$台に下落、2月16日には2,000US$台まで下落したが、その後反転上昇し、2月21日に2,100US$台に回復、2月24日には2,200US$台まで回復し、2月28日には2,303US$と2,300US$台まで上昇して終了した。

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