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報告書&レポート

2006年6月1日 金属資源開発調査企画グループ 大久保 聡 e-mail:okubo-satoru@jogmec.go.jp
2006年35号

ベースメタルの国際市場と需給動向(2006年4月)


1. 国際市場

 4月のLME(London Metal Exchange)の月平均価格は、銅、ニッケル、亜鉛ともに急伸した。銅が11か月連続で上昇し前月比25.2%増の6,387.78US$/t、ニッケルは1か月ぶりに上昇し20.4%増の17,942.22US$/t、亜鉛は9か月連続で上昇し27.6%増の3,084.78US$/tとなった。
 銅は、良好なファンダメンタルズを背景に、海外銅鉱山での相次ぐ供給障害や継続するLME在庫の低水準による需給タイト感に反応した投機資金の流入から、4月を通じて上昇を続け、史上最高値を更新した。ニッケルはステンレス需要の回復傾向が材料となり投機資金が流入していることもあり、価格は他金属と連動する形で高い水準であり、4月を通じて上昇を続けた。亜鉛もLME在庫が減少し続けており、依然として需給がタイトであり、価格は銅と連動する形で高い水準であり、4月を通じて上昇を続け、史上最高値を更新した。

平均価格(cash settlement,US$/t)
在庫(t)
2006年3月 2006年4月 前月比 2006.3.31 2006.4.28 増減
Cu
5,102.85
6,387.78
+25.2%
121,925
117,725
-4,200
Ni
14,897.39
17,942.22
+20.4%
32,568
26,994
-5,574
Zn
2,416.91
3,084.78
+27.6%
285,100
260,700
-24,400

LME月平均価格の推移

2.需給動向

2.1 銅
【需要】
 2006年1~2月の世界消費は前年同期比0.5%減の2,657.2千tであった。3位日本が前年同期比0.5%増、4位ドイツが2.6%増となったが、最大消費国の中国が5.2%減、2位米国が3.4%減、5位韓国が10.1%減となり、全体として微減となった。
 直近の世界消費は2005年11月が1,389.9千t、12月1,316.3千t、2006年に入り1月1,350.4千t、2月1,306.8千tと推移している。

【供給】
 2006年1~2月の鉱山生産は前年同期比0.1%増の2,292.7千tであった。国別では、2位米国が5.1%減、5位のインドネシアが前年同期比20.5%と大幅減となったが、最大生産国チリが0.4%増、3位ペルーが1.8%増、4位豪州が8.8%増となり、全体として前年同期並となった。直近の鉱山生産は2005年11月が1,306.9千t、12月1,413.7千tと増加していたが、2006年に入り1月1,197.9千t、2月1,094.8千tと減少している。なお、前回の報告から全体的に数値の下方修正がなされている。鉱山設備稼働率は、2005年11月が94.2%、12月98.2%と高かったが、2006年に入り急落し1月83.0%、2月83.6%と低い水準で推移している。
 2006年1~2月の地金生産は前年同期比4.5%増の2,733.8千tであった。国別では、国別では、これまで最大生産国だったが2位になったチリが3.1%減、4位米国が3.6%減となったが、最大消費国となった中国が21.5%と大幅増、3位日本が5.0%増等で全体として増加した。直近の地金生産は2005年11月1,427.6千t、12月1,477.1千tと増加傾向にあったが、2006年に入り1月1,402.7千t、2月1,331.1千tと減少している。精錬所設備稼働率は、2005年11月が84.8%、12月84.7%と比較的低く推移し、2006年に入り1月80.2%と低下し、2月には84.0%と回復したが、依然低い水準で推移している。

【需給バランス】
 2006年1~2月の需給バランスは76.6千tの供給超過となった。季節調整後の需給バランスは2005年11月53千t、12月46千t、2006年1月65千t、2月52千tと供給超過の状態が続いている。

【価格】
 5,561US$/tでスタートした4月のLME銅価格は一か月を通じて上昇傾向であった。4月18日に6,635US$/tまで上昇した後、4月20日一旦6,475US$/tに下落したが、さらに上昇を続け、史上最高値の4月26日7,400US$/tに達した後、下落して7,230US$/tで終了した。
 
2.2 ニッケル
【需要】
 2006年1~2月の世界消費は前年同期比0.1%減の216.4千tであった。最大消費国の中国が11.5%増、3位米国が3.5%増、4位ドイツが1.8%増となったが、2位日本が9%減、4位韓国が11.1%減等もあり、全体として前年同期並となっている。

【供給】
 2006年1~2月の鉱山生産は前年同期比10.5%増の239千tであった。5位ニューカレドニアが3.1%減、6位コロンビアが14.5%減だったが、最大生産国のロシアが3.4%増、2位カナダが26.9%と大幅増、3位豪州が0.6%増、4位インドネシア29.0%と大幅増と世界的な増加傾向により全体として増加した。
 2006年1~2月の一次地金生産は前年同期比4.3%増の223千tであった。最大生産国のロシア、4位豪州が前年並だったが、2位日本が4.0%増、3位カナダが10.1%増、5位中国が16.0%増となり、全体として増加した。

【需給バランス】
 2006年1~2月の需給バランスは6.6千tの供給超過となった。引き続き昨年の供給過多の傾向が継続している。LME在庫量は4月28日現在約27千tと前月末から5.5千t減少している。

【価格】
 15,655US$/tでスタートした4月のLMEニッケル価格は他金属価格に連動する形で、ほぼ連日上昇を続け、4月18日に18,600US$/tに達した後、翌19日には18,210US$/tに下落したが、再び上昇を続け4月26日には20,155US$/tに達した。その後、下落して4月28日には18,550US$/tで終了した。
 
2.3 亜鉛
【需要】
 2006年1~2月の世界消費は前年同期比8.7%増の1,825.8千tであった。4位韓国が1.5%減、6位ドイツ2.2%減となったが、最大消費国の中国が14.7%増、2位米国が15.3%増、3位日本が5.7%、5位インド23.3%と大幅増等、世界的な増加傾向により、全体として増加した。

【供給】
 2006年1~2月の鉱山生産は前年同期比6.0%増の1,667.0千tであった。2位豪州が1.1%減、3位ペルーが10.5%減、5位カナダが8.6%減だったが、最大生産国の中国が29.8%と大幅増、4位米国が4.4%増となり全体として増加した。
 2006年1~2月の一次地金生産は前年同期比4.7%増の1,729.0千tであった。4位日本が7.3%減、5位スペインが0.7%減だったが、最大生産国の中国が17.2%増、2位カナダが2.5%増、3位韓国が8.2%増、6位インドが76.1%と大幅増となり全体として増加した。
 
【需給バランス】
 2006年1~2月の需給バランスは96.8千tの供給不足となった。LME在庫は4月末で260.7千tとなり前月から24.4千t減少し、依然、低い水準が続いている。

【価格】
 2,727US$/tでスタートした4月のLME亜鉛価格は、小幅の増減はあったものの、ほぼ連日上昇を続け、4月26日には史上最高値の3,440US$/tに達した。その後、下落して4月28日には3,229US$/tで終了した。

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