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報告書&レポート

2006年7月27日 金属資源開発調査企画グループ 大久保 聡 e-mail:okubo-satoru@jogmec.go.jp
2006年52号

ベースメタルの国際市場と需給動向(2006年6月号)

 1. 国際市場

 6月のLME(London Metal Exchange)の月平均価格は、銅、ニッケル、亜鉛ともに前月の急伸から一服した。銅が13か月ぶりに下降し10.5%減の7,198US$/t、ニッケルは3か月ぶりに下降し1.5%減の20,755US$/t、亜鉛は12か月ぶりに下降し9.5%増の3,226US$/tとなった。
 銅は、5月下旬の下降傾向に引き続き、投機資金の流入が一服しており、月半ばまで乱高下を繰り返しつつも下降した後、再び需給タイト感に反応した投機資金の流入が活発化し、上昇している。
 ニッケルも同様に投資資金の流入が一服し、月半ばまで乱高下を繰り返しつつも下降したが、インドネシア等での供給障害の懸念もあり、再び上昇傾向に転じた。
 亜鉛も他金属と同様に、投機資金の流入が一服し、月中旬まで乱高下を繰り返しつつも下降していたが、他金属と同様に上昇している。

平均価格(cash settlement,US$/t)
在庫(t)
2006年5月
2006年6月
前月比
2006.5.31
2006.6.30
増減
Cu
8,045.86
7,197.61
-10.5%
112,175
93,575
-18,600
Ni
21,077.14
20,754.55
-1.5%
18,186
10,422
-7,764
Zn
3,565.69
3,225.68
-9.5%
238,775
217,150
-21,625
LME月平均価格の推移

2. 需給動向

2006年1~4月の需給状況
(出典:国際銅・ニッケル・鉛亜鉛研究会)
 
鉱山生産
地金生産
地金消費
需給バランス
(t)
1~4月(t)
前年同期比
1~4月(t)
前年同期比
1~4月(t)
前年同期比
Cu
4,704,900
-0.4%
5,621,300
5.9%
5,544,400
2.0%
+76,900
Ni
494,100
+10.6%
443,100
+2.9%
434,400
+1.0%
+8,700
Zn
3,381,000
+5.6%
3,502,000
+3.0%
3,594,000
+3.1%
-92,000

2.1 銅
【需要】
 2006年1~4月の銅世界消費は前年同期比2.0%増の5,544千tであった。世界消費は2006年1月1,374千t、2月1,310千t、3月1,437千t、4月1,423千tと推移している。国別では、最大消費国の中国が5.0%減、2位米国が2.9%減だったものの、3位の日本が8.0%増、4位ドイツが20.4%と大幅増、5位韓国が1.4%増もあり、全体として増加した。

【供給】
 2006年1~4月の銅鉱山生産(金属純分)は前年同期比で微減(0.4%減)の4,705tであった。鉱山生産は2006年に入り減少し、1月1,190千t、2月1,087千t、3月1,226千t、4月1,202千tと推移している。鉱山設備稼働率は2006月1月83.6%、2月84.4%。3月85.8%、4月86.9%と比較的低い水準で推移している。国別では、最大生産国のチリが1.7%増、3位ペルーが6.9%増となったが、2位米国3.8%減、4位豪州が2.0%減、5位ロシアが31.6%の大幅減、6位インドネシア34.9%の大幅減と世界的な減少傾向のため、全体として減少した。
 2006年1~4月の地金生産は前年同期比5.9%増の5,621千tであった。地金生産は2006年1月1,404千t、2月1,330千t、3月1,449千t、4月1,440千tと推移している。精錬所設備稼働率は2006月1月80.5%、2月84.3%。3月82.8%、4月84.9%と比較的低い水準で推移している。国別では、2位チリで4.1%減となったものの、最大生産国の中国で前年同月比20.5%と大幅増、3位日本が7.7%増、4位米国が2.8%増、5位ロシアが1.8%増等世界的な増加により、全体として増加した。

【需給バランス】
 2006年1~4月の銅需給バランスは77千tの供給超過であった。2006年1月29千t、2月20千t、3月11千t、4月16千tと供給超過が続いている。季節調整後の需給バランスでは2006年1月40千t、2月45千t、3月53千t、4月50千tと供給超過で推移している。LME在庫は4月末から減少傾向に転じ、5月末現在では112千t、6月末で94千tと前月末から減少し、依然低い水準にある。

【価格】
 7,730US$/tでスタートした6月のLME銅価格は月前半は乱高下を繰り返しつつも下降傾向にあり、6月14日に6,725US$/tまで下落した後、月後半は乱高下を繰り返しつつも上昇傾向になり、6月30日に7,501US$/tまで上昇して終了した。
 
2.2 ニッケル
【需要】
 2006年1~4月のニッケル消費は434千tで、前年同期比1.0%増となった。
 第2位日本は10.1%減、第4位ドイツは0.9%減、第5位韓国は9.9%減であったが、消費量第1位の中国は10.6%増、第3位の米国は6.9%増であり全体として増加した。

【供給】
 2006年1~4月のニッケル鉱石生産は494千t(金属純分)で、前年同期比10.6%増となった。第5位ニューカレドニアの7.8%減であったが、最大生産国のロシアは2.8%増、第2位カナダは33.4%と大幅増、第3位豪州は1.2%増、第4位のインドネシアは30.2%の大幅増となり、全体として増加した。
 2006年1~4月の一次ニッケル地金生産は443千tで、前年同期比2.9%増となった。第4位豪州7.7%減であったが、最大生産国ロシアは0.9%の微増、第2位の日本は3.2%増、第3位カナダは5.4%増、第5位中国は13.6%増となり、全体として増加した。

【需給バランス】
 2006年1~4月の需給バランスは、8.7千tの供給過剰となっている。LME在庫は6月末で前月から7.8千t減少し、10.4千tとなり依然低い水準にある。

【価格】
 22,295US$/tでスタートした6月のLMEニッケル価格は月前半は乱高下を繰り返しつつも下降傾向にあり6月13日に18,600US$/tまで下落した後、再び上昇傾向となり、6月30日に22,275US$/tと高い水準で終了した。
 
2.3 亜鉛
【需要】
 2006年1~4月の世界消費は前年同期比で3.1%増の3,594千tであった。3位日本が11.2%減、5位ドイツが6.4%減となったが、最大消費国の中国が12.4%増、2位の米国が8.5%増、4位の韓国が4.7%増となり全体として増加した。

【供給】
 2006年1~4月の鉱山生産は、前年同期比で、5.6%増の3,381千tであった。3位ペルーが8.2%減、5位カナダが8.2%減となったが、最大生産国の中国が20.6%と大幅増、2位豪州が5.8%増、4位の米国が1.3%増となり全体として増加した。
 2006年1~3月の地金生産は、前年同期比で、3.0%増の3,502千tであった。4位日本が12.6%減、5位スペイン前年同月とほぼ同値となったが、最大生産国の中国が15.0%増、2位カナダが0.7%と微増、3位韓国が7.9%増となり全体として増加した。

【需給バランス】
 2006年1~4月の需給バランスは、92千tの供給不足であった。引き続き供給不足の傾向が継続しており、LME在庫量は5月に入って前月から22千t減少し5月31日現在239千t、6月に入ってからさらに22千t減少し、6月31日現在217千tと依然低い水準にある。

【価格】
 3,546US$/tでスタートした6月のLME亜鉛価格は、月中旬までは乱高下したものの下降を続け、6月23日に2,940 US$/tまで下落した後、月下旬は増加傾向となり6月30日に3,260US$/tで終了した。

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