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報告書&レポート

2006年11月30日 金属資源開発調査企画グループ 大久保 聡 e-mail:okubo-satoru@jogmec.go.jp
2006年97号

ベースメタルの国際市場と需給動向(2006年10月号)

 1. 国際市場

 10月のLME(London Metal Exchange)の月平均価格は、銅が前月から下降し、亜鉛とニッケルは前月から上昇した。銅は3か月連続で下降し1.3%減の7,500US$/t、ニッケルは前月下降傾向から増加傾向に転じ8.5%増の32,703US$/t、亜鉛は4か月連続で上昇し12.3%増の3,823US$/tとなった。
 銅は投資資金の流入もあり、月を通じて乱高下を繰り返していた。10月中旬以降は下降傾向となり終了した。
 ニッケルについても投資資金の流入が再活発化し、9月下旬の上昇傾向が10月中旬まで引き続き、史上最高値を更新した。その後下降傾向に転じたが依然高い水準である。
 亜鉛は需給のタイト感と投資資金の流入が再び進み10月を通じて上昇傾向であり史上最高値を更新して終了した。

平均価格(cash settlement,US$/t)
在庫(t)
2006年9月
2006年10月
前月比
2006.9.29
2006.10.31
増減
Cu 7,602.36 7,500.39 -1.3% 117,575 130,500 +12,925
Ni 30,130.71 32,702.95 +8.5% 5,460 7,038 +1,578
Zn 3,403.02 3,822.95 +12.3% 140,475 107,625 -32,850

LME月平均価格の推移

2. 需給動向

2006年1~8月の需給状況
(出典:国際銅・ニッケル・鉛亜鉛研究会)
鉱山生産
地金生産
地金消費
需給バランス
(t)
1~8月(t)
前年同期比
1~8月(t)
前年同期比
1~8月(t)
前年同期比
Cu
9,658,500
+0.3%
11,433,000
+5.9%
11,349,200
+2.9%
+83,800
Ni
961,000
+5.8%
875,600
+2.2%
892,500
+7.2%
-16,900
Zn
6,817,000
+1.4%
7,023,000
+3.5%
7,304,000
+4.9%
-281,000

2.1銅
【需要】
 2006年1~8月の銅世界消費は前年同期比2.9%増の11,349千tであった。世界消費は5月1,492千t、6月1,438千t、8月1,439千t、9月1,352千tと推移している。国別では、最大消費国の中国が6.9%減、2位米国が前年並み、5位韓国が4.2%減だったものの、3位ドイツが26.6%と大幅増、4位日本が5.8%増であり、全体として増加した。
【供給】
 2006年1~8月の銅鉱山生産(金属純分、以下同様)は前年同期比で0.3%増の9,659千tであった。鉱山生産は5月1,257千t、6月1,237千t、7月1,239千t、8月1,212千tと推移している。鉱山設備稼働率は5月87.5%、6月88.8%、7月85.8%、8月83.6%と比較的低い水準で推移している。国別では、4位豪州が2.1%減であったが、最大生産国のチリが1.5%増、2位米国が3.0%増、3位ペルーが5.8%増、5位中国が14.1%増となり、全体として増加した。
 2006年1~8月の地金生産は前年同期比5.9%増の11,433千tであった。地金生産は5月1,452千t、6月1,444千t、7月1,452千t、8月1,440千tと推移している。精錬所設備稼働率は5月82.7%、6月84.9%、7月82.2%、8月81.2%と比較的低い水準で推移している。国別では、2位チリで1.6%減であったが、最大生産国の中国で21.0%増、3位日本11.0%増、4位米国5.5%増、5位ロシア1.8%増といった世界的な増加により、全体として増加した。
【需給バランス】
 2006年1~8月の銅需給バランスは84千tの供給超過であった。5月は40千tと供給不足であったが、6月7千t、7月13千t、8月88千tと供給超過に転じている。2006年1~8月の季節調整後の需給バランスは134千tの供給超過となった。LME在庫は回復傾向にあり、7月末の97千tから、8月末に125千t、9月末に116千t、10月末に131千tと推移している。
【価格】
 LME銅価格は10月2日に7,606 US$/tでスタートした後急落し10月5日には7,251 US$/tとなった。その後上昇傾向に転じ、10月17日に7,740 US$/tまで達した。その後下降傾向に転じ10月31日に7,410 US$/tで終了した。
 
2.2 ニッケル
【需要】
 2006年1~8月のニッケル消費は892.5千tで、前年同期比7.2%の増となった。消費量第1位の中国は16.5%増、第2位日本は1.3%増、第3位の米国は9.9%増第、4位ドイツは3.1%の増であったが、第5位韓国は5.9%の減であった。
【供給】
 2006年1~8月のニッケル鉱山生産(金属純分、以下同様)は961.0千tで、前年同期比5.8%増となった。最大生産国のロシアは2.9%増、第2位カナダは21.2%と大幅増、第3位豪州は1.1%増、第4位のインドネシアは14.4%増となり、第5位ニューカレドニアの5.0%の減を補った。
 2006年1~8月の一次ニッケル地金生産は875.6千tで、前年同期比2.2%の増となった。最大生産国ロシアは0.7%増、第3位カナダは9.1%増、第5位中国は17.9%の増となったが、第2位の日本は4.1%減、第4位豪州は8.9%の減であった。
【需給バランス】
 2006年1~8月の需給バランスは、16.9千tの供給不足となっている。ニッケルのLME在庫は、8月から回復傾向にあり、8月末には5.2千t、9月末には5.5千tと、10月末には7.0千tとなった。
【価格】
 LMEニッケル価格は10月2日に31,400US$/tでスタートした後は10月中旬までは乱高下を繰り返しつつも上昇傾向にあり10月20日に史上最高値を更新し、34,500US$/tとなった。その後は下降傾向に転じ10月31日に32,795 US$/tと依然高い水準で終了した。
 
2.3亜鉛
【需要】
 2006年1~8月の世界消費は前年同期比で4.9%増の7,304千tであった。3位日本が4.2%減、5位の韓国が0.3%減となったが、最大消費国の中国が10.1%増、2位の米国が6.1%増、4位ドイツが9.1%増となり全体として増加した。
【供給】
 2006年1~8月の鉱山生産(金属純分、以下同様)は、前年同期比で1.4%増の6,817千tであった。2位豪州0.6%減、3位ペルーが7.1%減、4位の米国が5.6%増、5位カナダが9.7%減となったが、最大生産国の中国が14.5%増等により全体として増加した。
 2006年1~8月の地金生産は、前年同期比で3.5%増の7,023千tであった。4位日本が9.0%減、5位スペインが前年同期並となったが、最大生産国の中国が10.9%増、2位カナダが7.5%増、3位韓国が5.3%増となり全体として増加した。
【需給バランス】
 2006年1~8月の需給バランスはいずれの月も供給不足であった。この期間の需給バランスは281千tの供給不足となった。引き続き供給不足の傾向が継続しており、LME在庫量は2006年9月末に前月から33千t減少し140千tとなり、10月に入りさらに33千t減少し、10月31日現在108千tと依然低い水準にある。
【価格】
 LME亜鉛価格は10月2日3,401US$/tでスタートした後は細かい上下はあったものの、月を通じて上昇傾向にあり、10月31日に史上最高値を更新し、4,290US$/tで終了した。

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