閉じる

報告書&レポート

2007年8月2日 企画調査部 大久保 聡 Tel:044-520-8590 e-mail:okubo-satoru@jogmec.go.jp
2007年74号

ベースメタルの国際市場と需給動向(2007年6月号)

 1. 国際市場
 6月のLME(London Metal Exchange)の月平均価格は、銅、ニッケル、亜鉛、全てが前月から減少した。銅は2か月連続で減少し2.7%減の7,476US$/t、ニッケルは8か月ぶりに減少し20.0%と大幅減の41,719US$/t、亜鉛は3か月ぶりに減少し5.9%減の3,603US$/tとなった。
 銅は2007年に入り再び供給不足に転じたため、乱高下を繰り返しつつも、引き続き高い水準である。
 ニッケルは投機資金の動きを牽制するLMEの取引規制により価格が下落した。
 亜鉛は乱高下を繰り返しつつも月を通じて減少傾向であった。

平均価格(cash settlement,US$/t)

在庫(t)

2007年5月

2007年6月

前月比

2007.5.31

2007.6.29

増減

Cu

7,682.17

7,475.88

-2.7%

128,925

114,700

-14,225

Ni

52,179.05

41,718.57

-20.0%

7,872

8,910

+1,038

Zn

3,830.29

3,603.26

-5.9%

75,625

73,000

-2,625

LME月平均価格の推移

2. 需給動向

2007年1~4月の需給状況(出典:国際銅・ニッケル・鉛亜鉛研究会)
 

鉱山生産

地金生産

地金消費

需給バランス(t)

1~4月(t)

前年同期比

1~4月(t)

前年同期比

1~4月(t)

前年同期比

Cu

5,081,300

+6.9%

5,948,900

+5.1%

6,215,600

+10.5%

-266,700

Ni

527,700

+9.9%

497,800

+11.0%

484,500

+7.8%

+13,300

Zn

3,615,000

+7.7%

3,773,000

+10.2%

3,720,000

+4.4%

+53,000

2.1銅
【需要】
 2007年1~4月の銅世界消費は前年同期比10.5%増の6,216千tであった。世界消費は2007年1月1,529千t、2月1,475千t、3月1,592千t、4月1,620千tと推移している。国別では、2位米国が3.1%減、3位ドイツが5.2%減、4位日本が3.8%減だったものの、最大消費国の中国が38.1%と大幅増、5位韓国が4.4%増となり全体として増加した。
【供給】
 2007年1~4月の銅鉱山生産(金属純分、以下同様)は前年同期比6.9%増の5,081千tであった。鉱山生産は2007年1月1,276千t、2月1,167千t、3月1,347千t、4月1,292千tと推移している。鉱山設備稼働率は1月86.5%、2月87.3%、3月90.7%、4月89.6%と比較的高い水準で推移している。国別では、最大生産国のチリが5.8%増、2位米国が1.9%増、3位ペルーが4.3%増、4位インドネシアが68.3%と大幅増、5位豪州が6%増と世界的な増加傾向により、全体として増加した。
 2007年1~4月の銅地金生産は前年同期比5.1%増の5,949千tであった。地金生産は2007年1月1,520千、2月1,402千t、3月1,498千t、4月1,529千tと推移している。精錬所設備稼働率は1月83.8%、2月85.2%、3月81.8%、4月85.9%と推移している。国別では、4位米国が2.8%減となったが、最大生産国の中国が4.3%増、2位チリで11.1%増、3位日本4.3%増、5位ロシア5.8%増となり、全体として増加した。
【需給バランス】
 2007年1~4月の銅需給バランスは267千tの供給不足であった。1月9千t、 2月73千t、3月93千t、4月91千tと供給不足で推移している。季節調整後の需給バランスでも1月に2千t、2月に55千t、3月に56千t、4月に44千tと供給不足で推移している。
 LME在庫は2007年に入ってから減少傾向となり、4月末に157千t、5月末129千t、6月末に115千tと推移している。
【価格】
 6月のLME銅価格は月を通じて乱高下した。6月1日に7,511US$/tでスタートした後は6月5日に6月の最高値の7,655US$/tに達した。その後、6月13日に6月の最低値7,260US$/tまで下落したが、6月18日に再び6月の最高値の7,655US$/tに達した。その後も乱高下を繰り返し、6月29日に7,650US$/tで終了した。
 
2.2 ニッケル
【需要】
 ニッケルの1~4月の消費量は485千tで、前年同期比7.8%増となった。第4位ドイツが2%減、第5位の韓国が1.9%減となったが、第1位の中国が39.7%と大幅増、第2位の日本が12.8%増、第3位米国が3%増となり全体として増加した。
【供給】
 ニッケルの1~4月の鉱山生産は528千tで、前年同期比9.9%増となった。第1位ロシア3.8%増、第2位カナダ7.6%増、第3位インドネシアが27.4%と大幅増、第4位豪州が7%増、第5位ニューカレドニアが22.2%と大幅増と世界的な増加傾向により全体として増加した。
 ニッケルの1~4月の一次生産は498千tで、前年同期比11%増となった。第5位豪州が2.6%減となったが、第1位ロシアが1.1%増、第2位となった中国が108.7%とほぼ倍増、第3位の日本が7.1%増、第4位カナダが9.4%増となり全体として増加した。
【需給バランス】
 1~4月の需給バランスは、13千tの供給超過となった。
 ニッケルのLME在庫は回復傾向にあり、5月末に約8千t、6月末に約9千tと推移している。
【価格】
 6月のLMEニッケル価格は6月1日に50,450US$/tでスタートした後は、月を通じて下降傾向であり6月29日に35,850US$/tで終了した。
 
2.3亜鉛
【需要】
 2007年1~4月の世界消費は前年同期比で4.4%増の3,720千tであった。2位の米国が7.1%減、5位韓国10.1%減となったが、最大消費国の中国が8.4%増、3位日本が5.8%増、4位のドイツが8.1%増となり全体として増加した。
【供給】
 2007年1~4月の鉱山生産は前年同期比で7.7%増の3,615千tであった。3位豪州が3.8%減、5位カナダが7.7%減となったが、最大生産国の中国が16.3%増、2位ペルーが25.8%と大幅増、4位の米国が3.5%増となり全体として増加した。
 2007年1~4月の地金生産は前年同期比で10.2%増の3,773千tであった。2位カナダが1.1%減、4位日本が2.6%減、5位スペインが前年並みとなったが、最大生産国の中国が24.6%と大幅増、3位韓国が4%増となり全体として増加した。
【需給バランス】
 2007年1~4月の需給バランスは2006年末の供給超過の傾向が継続しており、53千tの供給超過となった。
 LME在庫量は100千t以下で推移しており、5月末に前月から20千t減少し76千t、6月末にさらに3千t減少し73千tと依然低い水準にある。
【価格】
 6月のLME亜鉛価格は3,791US$/tでスタートしてからは、上下はあったものの、下降傾向にあった。6月5日に6月の最高値3,811US$/tに達した後は下降し、6月18日に一旦3,7720US$/tまで回復したが、6月29日に3,301US$/tで終了した。

ページトップへ