閉じる

報告書&レポート

2007年9月6日 企画調査部 大久保 聡 Tel:044-520-8590 e-mail:okubo-satoru@jogmec.go.jp
2007年83号

ベースメタルの国際市場と需給動向(2007年7月号)

 1. 国際市場
 7月のLME(London Metal Exchange)の月平均価格は、銅が上昇し、ニッケル、亜鉛が前月から下落した。銅は3か月ぶりに上昇し前月比6.7%増の7,974US$/t、ニッケルは2か月連続で下落し同19.9%と大幅減の33,426US$/t、亜鉛は2か月連続で下落し1.6%減の3,547US$/tとなった。
 銅は2007年に入り再び供給不足に転じたため、乱高下を繰り返しつつも、引き続き高い水準である。
 ニッケルは需給が緩んだこともあり価格が下落した。
 亜鉛は乱高下を繰り返しつつも月を通じて若干下落した。

平均価格(cashsettlement,US$/t) 在庫(t)
2007年6月 2007年7月 前月比 2007.6.29 2007.7.29 増減
Cu 7,475.88 7,973.91 +6.7% 114,700 101,750 -12,950
Ni 41,718.57 33,425.68 -19.9% 8,910 13,980 +5,070
Zn 3,603.26 3,546.91 -1.6% 73,000 65,875 -7,125

LME月平均価格の推移
LME月平均価格の推移

2. 需給動向

2007年1~5月の需給状況(出典:国際銅・ニッケル・鉛亜鉛研究会)
  鉱山生産 地金生産 地金消費 需給バランス
(t)
1~5月(t) 前年同期比 1~5月(t) 前年同期比 1~5月(t) 前年同期比
Cu 6,363,000 +5.9% 7,445,000 +4.6% 7,745,600 +8.7% -300,000
Ni 670,000 +10.8% 616,800 +10.5% 596,900 +5.4% +19,900
Zn 4,588,000 +8.7% 4,723,000 +9.9% 4,714,000 +4.8% +9,000

2.1 銅
【需要】
 2007年1~5月の銅世界消費は前年同期比8.7%増の7,745千tであった。世界消費は2007年2月1,466千t、3月1,590千t、4月1,613千t、5月1,550千tと推移している。
 国別では、2位米国が3%減、3位ドイツが9.3%減、4位日本が1.7%減だったものの、最大消費国の中国が36.9%と大幅増、5位韓国が4.7%増となり、全体として増加した。
【供給】
 2007年1~5月の銅鉱山生産(金属純分、以下同様)は前年同期比5.9%増の6,363千tであった。
 鉱山生産は2007年2月1,162千t、3月1,349千t、4月1,263千t、5月1,311千t、と推移している。鉱山設備稼働率は2月86.9%、3月90.9%、4月87.6%、5月87.7%と比較的高い水準で推移している。
 国別では、2位米国が2.1%減であったが、最大生産国のチリが5.3%増、3位ペルーが7.5%増、4位インドネシアが50.3%と大幅増、5位豪州が0.3%増となり、全体として増加した。
 2007年1~5月の銅地金生産は前年同期比4.6%増の7,445千tであった。
 地金生産は2007年2月1,393千t、3月1,497千t、4月1,503千t、5月1,533千と推移している。精錬所設備稼働率は2月84.6%、3月81.8%、12月84.5%、1月83.0%と推移している。
 国別では、4位米国2.3%減となったが、最大生産国の中国が6%増、2位チリで10.9%増、3位日本4.4%増、5位ロシア6.9%増となり、全体として増加した。
【需給バランス】
 2007年1~5月の銅需給バランスは300千tの供給不足であった。2007年に入り、2月73千t、3月93千t、4月109千t、5月17千tと供給不足が続いている。季節調整後の需給バランスでもその後2月に51千t、3月に47千t、4月に56千tと供給不足であったが、5月に17千tの供給超過に転じた。
 LME在庫は2007年に入ってから減少傾向となり、5月末129千t、6月末に115千t、7月末に102千tと推移している。
【価格】
 7月のLME銅価格は乱高下しつつ上昇傾向にあった。7月2日に7,731US$/tでスタートした後は乱高下しつつ7月23日に7月の最高値の8,210US$/tに達した。その後、一旦下降傾向に転じたが、7月31日に8,159US$/tと高い水準で終了した。
 
2.2 ニッケル
【需要】
 ニッケルの1~5月の消費量は597千tで、前年同期比5.4%増となった。第4位ドイツが2.3%減、第5位の韓国が2.8%減となったが、第1位の中国が36.6%と大幅増、第2位の日本が2.9%増、第3位米国が1.2%増となり全体として増加した。
【供給】
 ニッケルの1~5月の鉱山生産は670千tで、前年同期比10.8%増となった。第1位ロシア3.8%増、第2位カナダ1.6%増、第3位インドネシアが31.5%と大幅増、第4位豪州が5.8%増、第5位ニューカレドニアが23.5%と大幅増と世界的な増加傾向により全体として増加した。
 ニッケルの1~5月の一次生産は617千tで、前年同期比10.5%増となった。第1位ロシアが0.7%増、第2位となった中国が115.3%とほぼ倍増、第3位の日本が3.9%増、第4位カナダが5.9%増、第5位豪州が2.1%増となり増加した。
【需給バランス】
 1~5月の需給バランスは、20千tの供給超過となった。
 ニッケルのLME在庫は回復傾向にあり、6月末に約9千t、7月末に約14千tと推移している。
【価格】
 7月のLMEニッケル価格は、上下はあったものの月を通じて下落傾向であった。7月2日に36,950US$/tでスタートした後は、7月30日に30,415US$/tまで下落した後、7月31日に31,550US$/tで終了した。
 
2.3 亜鉛
【需要】
 2007年1~5月の世界消費は前年同期比で4.8%増の4,714千tであった。2位の米国が7.6%減、5位韓国11%減となったが、最大消費国の中国が11.6%増、3位日本が5.1%増、4位のドイツが2.5%増となり全体として増加した。
【供給】
 2007年1~5月の鉱山生産は前年同期比で8.7%増の4,588千tであった。5位カナダが3.8%減となったが、最大生産国の中国が16.2%増、2位ペルーが25.4%と大幅増、3位豪州が1.1%増、4位の米国が6.3%増となり全体として増加した。
 2007年1~5月の地金生産は前年同期比で9.9%増の4,723千tであった。2位カナダが1.8%減、4位日本が2.4%減、5位スペインが前年並みとなったが、最大生産国の中国が24.2%と大幅増、3位韓国が3.9%増となり全体として増加した。
【需給バランス】
 2007年1~5月の需給バランスは9千tの供給超過となった。
 LME在庫量は6月末に73千t、7月末に66千tと依然低い水準にある。
【価格】
 7月のLME亜鉛価格は7月2日に3,401US$/tでスタートしてからは、7月10日に一旦3,390US$/tに下落したものの、7月下旬まで上昇傾向にあり7月24日に3,820US$/tまで上昇した。その後下落し、3,591US$/tで終了した。

ページトップへ