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報告書&レポート

2007年10月4日 企画調査部 大久保 聡 Tel:044-520-8590 e-mail:okubo-satoru@jogmec.go.jp
2007年92号

ベースメタルの国際市場と需給動向(2007年8月号)

 1. 国際市場
 8月のLME (London Metal Exchange)の月平均価格は、銅、ニッケル、亜鉛の全てが前月から下落した。銅は2か月ぶりに下落し前月比5.8%減の7,509 US$/t、ニッケルは3か月連続で下落し同17.3%減と大幅減の27,634US$/t、亜鉛は4か月連続で下落し同8.4%減の3,249US$/tとなった。
 銅は2007年に入り再び供給不足が続いており、下落に転じたものの、引き続き高い水準である。
 ニッケルは需給が緩んだこともあり価格下落傾向が続いている。
 亜鉛は需給が緩んだこともあり価格下落傾向が続いている。
 

  平均価格
(cash settlement,US$/t)
在庫
(t)
  2007年7月 2007年8月 前月比 2007.7.31 2007.8.31 増減
Cu 7,973.91 7,508.80 -5.8% 101,750 139,425 +37,675
Ni 33,425.68 27,634.09 -17.3% 13,980 24,126 +10,146
Zn 3,546.91 3,248.61 -8.4% 65,875 65,000 -875
LME月平均価格の推移

2. 需給動向

2007年1~6月の需給状況(出典:国際銅・ニッケル・鉛亜鉛研究会)
  鉱山生産 地金生産 地金消費 需給バランス
(t)
1~6月
(t)
前年同期比 1~6月
(t)
前年同期比 1~6月
(t)
前年同期比
Cu 7,609,000 +4.9% 8,929,000 +4.3% 9,272,000 +8.3% -343,000
Ni 802,900 +10.9% 745,400 +12% 704,800 +3.2% +40,600
Zn 5,603,000 +9.3% 5,690,000 +9.8% 5,659,000 +4.6% +31,000

2.1 銅
【需要】
 2007年1~6月の世界消費は前年同期比8.3%増の9,272千tであった。世界消費は3月1,594千t、4月1,592千t、5月1,547千t、6月1,544千tと推移している。国別では、2位米国が2.7%減、4位日本が1.9%減、5位韓国が0.9%減だったものの、最大消費国の中国が37%と大幅増、3位ドイツが1%増となり全体として増加した。
【供給】
 2007年1~6月の鉱山生産(金属純分、以下同様)は前年同期比4.9%増の7,609千tであった。鉱山生産は3月1,352千t、4月1,254千t、5月1,300千t、6月1,266千tと推移している。鉱山設備稼働率は3月91.1%、4月87%、5月87%、6月87.2%と推移している。国別では、2位米国が2%減、5位豪州が0.9%減であったが、最大生産国のチリが4.7%増、3位ペルーが8.6%増、4位インドネシアが40.6%と大幅増となり全体として増加した。
 2007年1~6月の地金生産は前年同期比4.3%増の8,929千tであった。地金生産は3月1,499千t、4月1,496千、5月1,530千t、6月1,493千tと推移している。精錬所設備稼働率は3月81.9%、4月84.1%、5月82.8%、6月83.1%と推移している。国別では、4位米国2.3%減となったが、最大生産国の中国が7.3%増、2位チリで10.1%増、3位日本3.6%増、5位ロシア7.6%増となり全体として増加した。
【需給バランス】
 2007年1~6月の銅需給バランスは343千tの供給不足であった。3月95千t、4月96千t、5月16千t、6月51千tと供給不足で推移している。季節調整後の需給バランスでも3月に33千t、4月に46千tと供給不足が続き、5月に一旦25千の供給超過となったが、6月に11千tと供給不足で推移している。
 LME在庫は、6月末に115千t、7月末に102千tと減少傾向が続いていたが、8月末139千tと回復している。
【価格】
 8月のLME銅価格は月前半は下落傾向、その後は回復傾向に転じた。8月1日に7,950 US$/tでスタートした後は8月2日に8月の最高値の8,055 US$/tに達した。その後、上下しつつも下落を続け8月17日に6,960 US$/tまで下落した。その後、上昇傾向に転じ、8月31日に7,580 US$/tで終了した。
 
2.2 ニッケル
【需要】
 ニッケルの1~6月の世界消費は前年同期比で3.2%増の705千tであった。第2位の日本が4%減、第4位ドイツが2.7%減、第5位の台湾が2.2%減となったが、第1位の中国が37.7%と大幅増、第3位米国が1.1%増となり全体として増加した。
【供給】
 ニッケルの1~6月の鉱山生産は前年同期比で10.9%増の803千tであった。第1位ロシア3.8%増、第2位カナダ3.6%増、第3位インドネシアが34.9%と大幅増、第4位豪州が6.8%増、第5位ニューカレドニアが16.6%増と世界的な増加傾向により全体として増加した。
  ニッケルの1~6月の一次生産は前年同期比で12%増の745千tであった。第1位ロシアが0.4%増、第2位となった中国が111.3%とほぼ倍増、第3位の日本が5.4%増、第4位カナダが8%増、第5位豪州が4.5%増と世界的な増加傾向により全体として増加した。
【需給バランス】
 1~6月の需給バランスは、41千tの供給超過となった。
 ニッケルのLME在庫は回復傾向にあり、7月末に約14千t、8月末に約24千tと推移している。
【価格】
 7月のLMEニッケル価格は、上下はあったものの月前半は下落傾向、その後は回復傾向に転じた。8月1日に30,760US$/tでスタートした後は、上下はあったものの下落傾向にあり、8月16日に25,055US$/tまで下落した。その後は上昇傾向に転じ、8月31日に30,250US$/tで終了した。
 
2.3 亜鉛
【需要】
 2007年1~6月の世界消費は前年同期比で4.6%増の5,659千tであった。2位の米国が9%減、5位韓国11.2%減となったが、最大消費国の中国が12.3%増、3位日本が1.7%増、僅差で4位のドイツが5.4%増となり全体として増加した。
【供給】
 2007年1~6月の鉱山生産は前年同期比で9.3%増の5,603千tであった。5位カナダが4.1%減となったが、最大生産国の中国が19%増、2位ペルーが27.6%と大幅増、3位豪州が3.1%増、4位の米国が5.9%増となり全体として増加した。
 2007年1~6月の地金生産は前年同期比で9.8%増の5,690千tであった。2位カナダが3.4%減、4位日本が1.7%減、5位スペインが前年並みとなったが、最大生産国の中国が24.5%と大幅増、3位韓国が3.9%増となり全体として増加した。
【需給バランス】
 2007年1~6月の需給バランスは31千tであった。
 LME在庫量は7月末に66千t、8月末に65千tと依然低い水準にある。
【価格】
 8月のLME亜鉛価格は月前半は下落傾向、その後は緩やかに回復した。8月1日に3,525 US$/tでスタートしてからは、8月2日に一旦3,590 US$/tまで上昇した。その後は下落を続け、 8月17日に3,021 US$/tまで下落した。その後は8月23日に3,200 US$/tまで回復し、8月31日に3,070 US$/tで終了した。

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