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報告書&レポート

2007年12月13日 企画調査部 大久保 聡 Tel:044-520-8590 e-mail:okubo-satoru@jogmec.go.jp
2007年107号

ベースメタルの国際市場と需給動向(2007年10月号)

 1. 国際市場
 10月のLME(London Metal Exchange)の平均価格は、銅、ニッケル、亜鉛の全てが前月から上昇した。銅は2か月連続で上昇し前月比4.7%増の8,008US$/t、ニッケルは2か月連続で上昇し同5.1%増の31,055US$/t、亜鉛は6か月ぶりに上昇し同11.3%増の2,975US$/tとなった。
 銅は供給不足の傾向が緩和されつつあるが引き続き高い水準である。
 ニッケルは需給が緩んでいるが引き続き高い水準である。
 亜鉛は供給不足に転じたため上昇傾向にある。

平均価格(cash settlement,US$/t)   在庫(t)  
2007年9月 2007年10月 前月比 2007.9.30 2007.10.31 増減
Cu 7,648.98 8,008.43 +4.7% 130,775 166,975 +36,200
Ni 29,537.50 31,055.43 +5.1% 32,442 37,608 +5,166
Zn 2,881.40 2,975.33 +3.3% 61,350 71,725 +10,375

 

LME月平均価格の推移

2. 需給動向

2007年1~8月の需給状況(出典:国際銅・ニッケル・鉛亜鉛研究会)
  鉱山生産 地金生産 地金消費 需給バランス
(t)
1~8月(t) 前年同期比 1~8月(t) 前年同期比 1~8月(t) 前年同期比
Cu 10,170,000 +4.6% 12,009,000 +4.9% 12,267,000 +7.5% -258,000
Ni 1,086,100 +13.1% 967,500 +9.4% 906,100 -1.9% +61,400
Zn 7,459,000 +8.0% 7,473,000 +7.7% 7,501,000 +3.5% -28,000

 
2.1 銅
【需要】
 2007年1~8月の世界消費は前年同期比7.5%増の12,267千tであった。世界消費は5月1,533千t、6月1,546千t、7月1,510千t、8月1,455千tと推移している。国別では、2位米国が2.0%減、3位ドイツが5.4%減、4位日本が2.0%減だったものの、最大消費国の中国が38.2%と大幅増、5位イタリアが0.9%増となり全体として増加した。
【供給】
 2007年1~8月の鉱山生産(金属純分、以下同様)は前年同期比4.6%増の10,170千tであった。鉱山生産は5月1,314千t、6月1,275千t 、7月1,265千t、8月1,241千tと推移している。鉱山設備稼働率は5月87.9%、6月87.9%、7月84%、8月82%と推移している。国別では、2位米国が1.9%減、5位豪州が微減であったが、最大生産国のチリが3.8%増、3位ペルーが11.8%増、4位中国が3.5%増となり全体として増加した。
 2007年1~8月の地金生産は前年同期比4.9%増の12,009千tであった。地金生産は5月1,529千t、6月1,490千t、7月1,513千t、8月1,518千tと推移している。精錬所設備稼働率は5月82.7%、6月82.9%、7月81.2%、8月81.1%と推移している。国別では、最大生産国の中国が13.6%増、2位チリが5.6%増、3位日本が3.7%増、4位米国が3.6%増、5位ロシアが5.3%増と世界的な増加傾向により全体として増加した。
【需給バランス】
 2007年1~8月の銅需給バランスは258千tの供給不足であった。5月5千t、6月56千tと供給不足で推移していたが、7月に3千t、8月62千tの供給超過に転じた。季節調整後の需給バランスでは、5月には29千の供給超過、6月に15千t、7月に1千t、8月に8千tの供給不足と推移し、1~8月では124千tの供給不足となっている。
 LME在庫は8月末139千t、9月末に131千t、10月末に167千と回復傾向で推移している。
【価格】
 10月のLME銅価格は月を通じて下落傾向にあった。10月1日に8,132US$/tでスタートした後は10月3日に10月の最高値の8,301US$/tまで上昇した。その後は乱高下しつつも下落傾向となり、10月30日に7,695US$/tまで下落し、10月31日に7,761US$/tで終了した。
 
2.2 ニッケル
【需要】
 ニッケルの1~8月の世界消費は前年同期比で1.9%減の906千tであった。最大消費国の中国が31.4%と大幅増となったが、第2位の日本が8.0%減、第3位米国が4.0%減、第4位ドイツが5.3%減、第5位の台湾が12.3%減となり全体として減少した。
【供給】
 ニッケルの1~8月の鉱山生産は前年同期比で13.1%増の1086千tであった。最大生産国のロシアが0.7%増、第2位カナダが10.6%増、第3位インドネシアが38.6%と大幅増、第4位豪州が16.8%増、第5位ニューカレドニアが15.9%増と世界的な増加傾向により全体として増加した。
 ニッケルの1~8月の一次生産は前年同期比で9.4%増の968千tであった。最大生産国のロシアが3.6%減であったが、第2位中国が84.1%とほぼ倍増、第3位日本が6.1%増、第4位カナダが10.8%増、第5位豪州が2.5%増となり全体として増加した。
【需給バランス】
 1~8月の需給バランスは、61千tの供給超過となった。
 ニッケルのLME在庫は回復傾向にあり、9月末に約32千t、10月末に約38千tと推移している。
【価格】
 10月のLMEニッケル価格は、月を通じて乱高下を繰り返した。10月1日に29,805US$/tでスタートした後は、10月8日に26,330US$/tまで下落した。その後は上昇傾向に転じ、10月15日に32,450US$/tに達した。その後も上下しつつ推移し10月31日に30,900US$/tで終了した。
 
2.3 亜鉛
【需要】
 2007年1~8月の世界消費は前年同期比で3.5%増の7,501千tであった。2位の米国が6.9%減、5位韓国6.0%減となったが、最大消費国の中国が9.4%増、3位日本が2.3%増、4位のドイツが2.4%増となり全体として増加した。
【供給】
 2007年1~8月の鉱山生産は前年同期比で8%増の7,459千tであった。5位カナダが4.3%減となったが、最大生産国の中国が16.1%増、2位ペルーが26.9%と大幅増、3位豪州が5.0%増、4位の米国が7.2%増となり全体として増加した。
 2007年1~8月の地金生産は前年同期比で7.7%増の7,473千tであった。2位カナダが1.8%減、4位日本が2.8%減となったが、最大生産国の中国が20.3%と大幅増、3位韓国が4.3%増、5位スペインが2.1%増となり全体として増加した。
【需給バランス】
 2007年1~8月の需給バランスは28千tの供給不足であった。
 LME在庫量は減少傾向で、9月末に61千t、10月末に72千tと依然低い水準にある。
【価格】
 10月のLME亜鉛価格は10月1日に3,045US$/tでスタートしてから上下しつつも10月15日に3,161US$/tまで上昇した。その後は下落傾向に転じ10月31日に2,796US$/tまで下落した。

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