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報告書&レポート

2008年6月5日 企画調査部  大久保 聡報告
2008年43号

ベースメタルの国際市場と需給動向(2008年3月号)


1. 国際市場
3月のLME(London Metal Exchange)の月間平均価格は、銅、亜鉛、ニッケル全てが前月から上昇した。
銅は、3か月連続で上昇し、3月の平均価格は前月比6.9%増の8,439US$/tであった。銅はチリでのCODELCOの下請従業員ストによる操業停止などの供給障害によりLME在庫が減少し史上最高値を更新した。
亜鉛は、2か月連続で上昇し3月の平均価格は同3.0%増の2,511US$/tとなった。亜鉛は投機資金の流入により上昇が続いている。
ニッケルは3か月連続で上昇し3月の平均価格は同11.8%増の31,266US$/tであった。ニッケルは供給障害に反応した投機資金の流入により上昇した。

表1. 銅・亜鉛・ニッケル:LME平均価格と月末在庫〔2008年2、3月〕
鉱種 LME 2008年月平均価格
(cash settlement,US$/t)
LME2008年月末在庫
(t)
2月 3月 前月比 2月 3月 増減
7,887.69 8,439.29 +6.9% 143,650 112,500 -31,150
亜鉛 2,438.14 2,511.47 +3.0% 123,250 124,375 +1,125
ニッケル 27,955.48 31,266.26 +11.8% 47,874 49,866 +1,992

LME月平均価格の推移(2003年3月=1、2003年3月~2008年3月)

図1. LME月平均価格の推移(2003年3月=1、2003年3月~2008年3月)

2. 需給動向

表2. 銅・亜鉛・ニッケル:2008年1月の世界の鉱山生産量、地金生産量、地金消費量
  鉱山生産量
(金属含有量)
地金生産量
(金属含有量)
地金消費量 需給
バランス(t)
1月(t) 前年同期比 1月(t) 前年同期比 1月(t) 前年同期比
1,242,00 -3.4% 1,516,000 -1.4% 1,510,000 -1.4% +6,000
亜鉛 1,034,000 +15.3% 1,005,000 +5.7% 978,000 +5.7% +27,000
ニッケル 130,900 +0.2% 116,300 -5.9% 110,300 -9.4% +6,000

(出典:ICSG、INSG、ISZP)

2.1 銅
【需要】
 2008年1月の世界消費は前年同期比1.4%減の1,510千tであった。世界消費は10月1,523千t、11月1,527千t、12月1,425千t、1月1,510千tと推移している。国別では2位米国が3.3%増だったものの、最大消費国の中国が1.3%減、3位ドイツが17.2%減、4位日本が0.9%減、5位韓国が4.5%減となり全体として減少した。

【供給】
2008年1月の鉱山生産(金属純分、以下同様)は前年同期比3.4%減の1,242千tであった。鉱山生産は10月1,326千t、11月1,292千t、12月1,383千t、1月1,242千tと推移している。鉱山設備稼働率は10月87.5%、11月87.9%、12月90.8%、1月81.3%と推移している。国別では3位ペルーが3.4%増、4位豪州が6.9%増であったが、最大生産国のチリが2.1%減、2位米国が0.3%減、5位中国が4.7%減となり全体として減少した。
2008年1月の地金生産は前年同期比1.4%減の1,516千tであった。地金生産は10月1,553
千t、11月1,526千t、12月1,541千t、1月1,516千tと推移している。精錬所設備稼働率は10月82.5%、11月84.3%、12月81.5%、1月79.8%と推移している。国別では、最大生産国の中国が20.3%増、2位チリが3.2%増、4位米国が2.7%増であったが、3位日本が4.8%減、5位ロシアが3.1%の他、全世界的な減少傾向により全体としてわずかに減少した。

【需給バランス】
2008年1月の銅需給バランスは6千tの供給超過であった。10月30千t、11月に14千t、12月119千t、1月に6千tと供給超過で推移している。季節調整後の需給バランスでは、10月に4千tの供給不足、11月に10千tの供給超過、11月に26千tの供給不足、1月に18千tの供給超過と推移している。
LME在庫は1月末に179千t、2月末144千t、3月末に113千tと減少傾向で推移している。

表3. 銅:需給推移
2007年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年計∗1 年計∗2
鉱山生産量 1,286 1,162 1,352 1262 1314 1,276 1,267 1239 1276 1326 1292 1,383 15,435 15,442
地金生産量 1,538 1,393 1,499 1500 1529 1,491 1,498 1505 1533 1553 1541 1544 18,124 18,082
一次 1,303 1,201 1,284 1284 1302 1,261 1,278 1279 1302 1304 1288 1,312 15,398 15,037
二次 236 192 215 216 227 229 232 226 231 249 253 232 2,738 2,775
消費量 1,531 1,466 1,594 1602 1533 1,548 1,518 1448 1503 1523 1527 1,425 18,218 18,120
需給バランス 7 -73 -95 -101 -5 -57 -20 57 30 30 14 119 -94 -38
2008年 (出典:ICSG)
※1,2)年計∗1は単純合計値、年計∗2はICSGの年別発表値である。
月間値の修正値は発表がないので単純合計値の年計∗と合致しない場合がある。
1月 前年同期比(%)
鉱山生産量 1,242 -3.4
地金生産量 1,516 -1.4
一次 1,289 -1.1
二次 227 -3.8
消費量 1,510 -1.4
需給バランス 6

【価格】
3月のLME銅価格は月上旬まで上昇傾向、月中旬まで下落傾向、その後は回復傾向となった。3月1日に8,565US$/tでスタートした後は上下しつつも3月6日に史上最高値の8,881US$/tまで上昇した。その後、3月20日に7,789US$/tまで下落したが、3月31日に8,520US$/tで終了した。

LME銅地金価格・在庫の推移(2007年2月~2008年3月)

図2. LME銅地金価格・在庫の推移(2007年2月~2008年3月)

2.2 亜鉛
【需要】
2008年1月の世界消費は前年同期比で5.7%増の978千tであった。2位の米国が15.5%減、4位のドイツが11.5%減となったが、最大消費国の中国が36.6%と大幅増、3位日本が2.0%増、5位インドが5.3%増となり全体として増加した。

【供給】
2008年1月の鉱山生産は前年同期比で15.3%増の1,034千tであった。最大生産国の中国が27.8%と大幅増、2位ペルーが13.0%増、3位豪州が8.1%増、4位の米国が7.7%増、5位カナダが2.0%増と世界的な増加傾向により全体として増加した
2008年1月の地金生産は前年同期比で5.7%増の1,005千tであった。4位日本が前年並みとなったが、最大生産国の中国が13.0%増、2位カナダが3.0%増、3位韓国が3.4%増、5位インドが26.3%と大幅増となり全体として増加した。

【需給バランス】
 2008年1月の需給バランスは27千tの供給超過となった。
LME在庫量は10月より回復傾向にあり1月末に111千t、2月末に123千t、3月末に124千tと推移している。

表4. 亜鉛の需給推移
2007年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年計∗1 年計∗2 1月
鉱山生産量 896.9 878.8 904.8 938.0 960.4 988.5 949.6 935.6 962.2 946.4 919.7 976.6 11,257.5 10,943.0 896.9
地金生産量 951.0 908.0 946.6 918.7 969.3 952.2 924.4 918.8 952.8 987.4 941.5 982.3 11,353.0 11,327.0 951.0
米国備蓄放出 0.4 0.4 0.3 0.7 1.0 3.6 0.5 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 7.5 7.5 0.4
消費量 925.0 878.0 950.5 944.2 994.9 961.6 921.1 886.8 982.3 1,015.4 964.2 935.5 11,359.5 11,319.0 925.0
需給バランス 26.4 30.4 (3.6) (24.8) (24.6) (5.8) 3.8 32.2 (29.4) (27.9) (22.6) 46.9 1.0 15.5 26.4
2008年 (出典:ILZSG)
※1,2) 年計∗1は単純合計値、年計∗2はILZSGの年別発表値である。
月間値の修正値は発表がないので単純合計値の年計∗1と合致しない場合がある。
1月 前年比(%)
鉱山生産量 1,033.6 15.3
地金生産量 1,004.9 5.7
米国備蓄放出 0.0
消費量 978.3 5.7
需給バランス 26.6

【価格】
3月のLME亜鉛価格は3月3日に2,775US$/tでスタートしてからは、3月6日に一旦2,826US$/tまで上昇した。その後は下落を続け3月20日に2,260US$/tまで下落した。その後、3月31日に2,303US$/tで終了した。

LME亜鉛地金価格・在庫の推移(2007年2月~2008年3月)

図3. LME亜鉛地金価格・在庫の推移(2007年2月~2008年3月)

2.3 ニッケル
【需要】
ニッケルの1月の世界消費は前年同期比で9.4%減の110千tであった。第1位の中国が20.0%と大幅増となったが、第2位の日本が12.7%減、第3位米国が10.8%減、第4位ドイツが13.6%減、第5位の台湾が37.5%と大幅減となり全体として減少した。

【供給】
ニッケルの1月の鉱山生産は前年同期比で0.2%増の131千tであった。第1位のロシアが前年並、第5位のコロンビアが8.0%減となったが、第2位のカナダ2.2%増、第3位の豪州が3.0%と大幅増、第4位のインドネシアが1.4%増となり全体として微増となった。ニッケルの1月の一次生産は前年同期比で5.9%減の116千tであった。第1位のロシアが4.3%減、第2位中国が6.8%減、同じく第2位カナダが1.3%減、第4位の日本が13.1%減、第5位豪州が3.1%減と世界的な減少傾向により減少した。

【需給バランス】
1月の需給バランスは、6千tの供給超過となった。LME在庫は回復傾向にあり1月末に47千t、2月末に48千t、3月末に50千tと推移している。

表5. ニッケルの需給推移
2007年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年計∗1 年計∗2
鉱山生産量 130.6 128.5 141.9 136.2 141.4 136.0 130.6 135.3 133.3 132.4 129.4 131.8 1,607.4 1,614.4
一次生産量 123.6 113.2 123.8 121.9 123.1 121.1 122.0 120.5 109.5 119.1 117.4 117.6 1,432.8 1,432.7
消費量 121.8 117.2 121.9 114.1 111.2 114.4 99.5 96.1 104.5 108.3 109.7 108.7 1,327.4 1,327.5
需給バランス 2 -4 2 8 12 7 23 24 5 11 8 9 105 105
2008年 (出典:INSG)
※1,2) 年計∗1は単純合計値、年計∗2はINSGの年別発表値である。
月間値の修正値は発表がないので単純合計値の年計∗1と合致しない場合がある。
1月 前年比(%)
鉱山生産量 130.9 0.2
一次生産量 116.3 -5.9
消費量 110.3 -9.4
需給バランス 6.0

【価格】
2月のLMEニッケル価格は月を通じて上昇傾向であった。2月1日に27,705US$/tでスタートした後は一旦2月6日に26,410US$/tまで下落したが、その後上昇を続け2月29日に31,505US$/tで終了した。

LMEニッケル地金価格・在庫の推移(2007年2月~2008年3月)

図4. LMEニッケル地金価格・在庫の推移(2007年2月~2008年3月)

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