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報告書&レポート

2008年6月26日 企画調査部  大久保 聡報告
2008年48号

ベースメタルの国際市場と需給動向(2008年4月号)


1. 国際市場
 4月のLME(London Metal Exchange)の平均価格は、銅が前月(3月)から上昇し、ニッケル、亜鉛が下落した。
 銅は4か月連続で上昇し、前月比2.9%増の8,685US$/t、亜鉛は3か月ぶりに下落し同9.9%減の2,264US$/t、ニッケルは4か月ぶりに下落し同8.0%減の28,763US$/tとなった。
 銅はチリなどでの供給障害によりLME在庫が減少し4月10日に史上最高値の8,885US$/tに達した。
亜鉛とニッケルはLME在庫増を受け下落に転じた。

表1. 銅・亜鉛・ニッケル:LME平均価格と月末在庫 〔2008年3、4月〕

鉱種 LME月平均価格 (cash settlement,US$/t) LME月末在庫(t)
3月 4月 前月比 3月 4月 増減
8,439.29 8,684.93 +2.9% 112,500 110,525 -1,975
亜鉛 2,511.47 2,263.80 -9.9% 124,375 126,450 +2,075
ニッケル 31,266.26 28,763.18 -8.0% 49,866 51,462 +1,596

 

図1. LME月平均価格変動の推移(2003年5月=1、2003年5月~2008年4月)

2. 需給動向

表2. 銅・亜鉛・ニッケル:2008年1~2月の世界の鉱山生産量、地金生産量、地金消費量

  鉱山生産量(金属含有量) 地金生産量(金属含有量) 地金消費量 需給
バランス(t)

  1~2月(t) 前年同期比 1~2月(t) 前年同期比 1~2月(t) 前年同期比
2,362,000 -3.8% 2,943,000 +0.5% 3,003,000 +0.2% -60,000
亜鉛 1,853,000 +7.7% 1,886,000 +0.2% 1,839,000 +0.3% +47,000
ニッケル 257,100 -0.6% 231,000 -2.2% 227,600 -4.6% +3,400

(出典:ICSG、INSG、ILZSG)

2.1 銅
【需要】
 2008年1~2月の世界消費量は前年同期比0.2%増の3,003千tであった。11月1,527千t、12月1,426千t、1月1,508千t、2月1,495千tと推移している。国別では3位ドイツが9.6%減、5位韓国が4.6%減だったものの、最大消費国の中国が0.3%増、2位米国が1.4%増、4位日本が5.8%増となり全体としてわずかに増加した。

【供給】
2008年1~2月の鉱山生産量(金属純分、以下同様)は前年同期比3.8%減の2,362千tであった。11月1,292千t、12月1,384千t、1月1,206千t、2月1,156千tと推移している。鉱山設備稼働率は11月87.9%、12月90.8%、1月78.9%、2月83.5%と推移している。国別では最大生産国のチリが2.3%増、2位米国が3.0%増、3位ペルーが12.4%増であったが、4位豪州が3.4%減、5位中国が5.5%減のほか世界的な減少傾向により全体として減少した。

 2008年1~2月の地金生産量は前年同期比0.5%増の2,943千tであった。11月1,541千t、12月1,544千t、1月1,508千t、2月1,435千tと推移している。精錬所設備稼働率は11月84.3%、12月81.5%、1月79.3%、2月83.3%と推移している。国別では、2位チリが2.0%減、5位ロシアが3.0%減であったが、最大生産国の中国が4.1%増、3位日本が1.0%増、4位米国が4.4%増などにより全体としてわずかに増加した。

【需給バランス】
2008年1~2月の銅需給バランスは60千tの供給不足であった。11月に14千t、12月119千t、1月に1千t供給超過で推移していたが2月に60千tの供給不足となっている。季節調整後の需給バランスでは、11月に7千tの供給超過、12月に32千tの供給不足、1月に18千tの供給超過、2月に33千tの供給不足と推移している。
LME在庫は2月末144千t、3月末に113千t、4月末に111千tと減少傾向で推移している。

表3. 銅:需給推移

【価格】
LME銅価格は、4月1日に8,326US$/tでスタートした後は上昇を続け4月10日に史上最高値の8,885US$/tに達した。その後は上下を繰り返し4月30日に8,655US$/tで終了した。


図2. LME銅地金価格・在庫の推移(2007年3月1日~4月30日)

2.2 亜鉛
【需要】
2008年1~2月の世界消費量は前年同期比で0.3%増の1,839千tであった。2位の米国が7.1%減、3位日本が前年並み、4位のドイツが15.0%減となったが、最大消費国の中国が6.3%増、5位インドが2.6%増となりわずかに増加した。

【供給】
 2008年1~2月の鉱山生産量は前年同期比で7.7%増の1,853千tであった。最大生産国の中国が1.8%増、2位ペルーが9.2%増、3位豪州が4.4%増、4位の米国が12.8%増、5位カナダが8.1 %増と世界的な増加傾向により全体として増加した。
 2008年1~2月の地金生産量は前年同期比で0.2%増の1,886千tであった。最大生産国の中国が9.6%減となったが、2位カナダが8.7%増、3位韓国が5.2%増、4位日本が4.9%増、5位インドが33.8%と大幅増となり全体としてわずかに増加した。

【需給バランス】
2008年1~2月の需給バランスは47千tの供給超過となった。
LME在庫量は10月より回復傾向にあり2月末に123千t、3月末に124千t、4月末に126千tと推移している。

表4. 亜鉛:需給推移

【価格】
4月のLME亜鉛価格は漸減傾向にあり、4月1日に2,264US$/tでスタートしてからは、4月7日に一旦2,363US$/tまで上昇したが、その後は下落を続け4月23日に2,185US$/tまで下げた。その後、4月30日に2,196US$/tで終了した。


図3. LME亜鉛地金価格・在庫の推移(2007年3月1日~4月30日)

2.3 ニッケル
【需要】
ニッケルの1~2月の世界消費量は前年同期比で4.6%減の228千tであった。第1位の中国が22.0%と大幅増となったが、第2位の日本が8.0%減、第3位米国が7.5%減、第4位ドイツが12.6%減、第5位の台湾が33.5%と大幅減となり全体として減少した。

【供給】
ニッケルの1~2月の鉱山生産量は前年同期比で0.6%減の257千tであった。第3位の豪州が14.9%増、第4位のインドネシアが7.5%増となったが、第1位のロシアが前年並、第2位のカナダ0.4%減、第5位のコロンビアが10.9%減となり全体としてわずかに減少した。
ニッケルの1~2月の一次生産量は前年同期比で2.2%減の231千tであった。第3位カナダが1.9%、第5位豪州が6.6%増であったが、第1位のロシアが2.2%減、第2位中国が3.0%減、第4位の日本が12.7%減により減少した。

【需給バランス】
1~2月の需給バランスは、3.4千tの供給超過となった。
LME在庫は回復傾向にあり2月末に48千t、3月末に50千t、4月末に51千tと推移している。

表6. ニッケル:需給推移

【価格】
4月のLMEニッケル価格は28,200US$/t~30,025US$/tの範囲で変動した。4月1日に28,855US$/tでスタートした後は一旦4月3日に28,200US$/tまで下げ、その後はやや上げて4月16日に30,025US$/tに達したが、4月30日28,905US$/tで終了した。


図4. LMEニッケル価格・在庫の推移(2007年3月1日~4月30日)

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