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報告書&レポート

2008年7月17日 企画調査部  大久保 聡報告
2008年53号

ベースメタルの国際市場と需給動向(2008年5月号)


1. 国際市場
5月のLME(London Metal Exchange)の平均価格は、銅、亜鉛、ニッケル全てが前月(4月)から値を下げた。
銅は、LME在庫15,875t増加を受け5か月ぶりに下降に転じ、前月比3.5%減の8,382US$/tとなった。
亜鉛もLME在庫17,050t増により 2か月連続で下げ、前月比3.6%減の2,182US$/tとなった。
ニッケルはLME在庫2,940t減少したが、表2に示すとおり供給超過を受け10.5%低下し25,735US$/tとなった。

表1. 銅・亜鉛・ニッケル:LME平均価格と月末在庫 〔2008年4、5月〕

鉱種

LME月平均価格
(cash settlement,US$/t)

LME月末在庫
(t)

4月

5月

前月比

4月

5月

増減

8,684.93

8,382.75

-3.5%

110,525

126,400

+15,875

亜鉛

2,263.80

2,182.10

-3.6%

126,450

143,500

+17,050

ニッケル

28,763.18

25,735.00

-10.5%

51,462

48,522

-2,940

図1. LME月平均価格変動の推移(2003年5月=1、2003年5月~2008年5月)

2. 需給動向

表2. 銅・亜鉛・ニッケル:2008年1~3月の世界の鉱山生産量、地金生産量、地金消費量

 

鉱山生産量(金属含有量)

地金生産量(金属含有量)

地金消費量

需給
バランス(t)

 

1~3月(t)

前年同期比

1~3月(t)

前年同期比

1~3月(t)

前年同期比

3,638,000

-4.6%

4,490,000

+1.4%

4,556,000

-0.8%

-67,000

亜鉛

2,828,000

+10.1%

2,839,000

+0.1%

2,767,000

-0.4%

+72,000

ニッケル

395,700

-1.9%

357,000

-0.8%

345,700

-4.0%

+11,300

(出典:ICSG、INSG、ILZSG)

2.1 銅
【需要】
2008年1~3月の世界消費は前年同期比0.8%減の4,556千tであった。世界消費は12月1,425千t、1月1,515千t、2月1,467千t、3月1,575千tと推移している。国別では4位日本が3.0%増、5位韓国が0.1%増だったものの、最大消費国の中国が2.1%減、2位米国が0.3%減、3位ドイツが5.6%減となり全体としてわずかに減少した。
【供給】
2008年1~3月の鉱山生産(金属純分、以下同様)は前年同期比4.6%減の3,638千tであった。鉱山生産は12月1,384千t、1月1,206千t、2月1,158千t、3月1,275千tと推移している。鉱山設備稼働率は12月90.8%、1月78.9%、2月83.6%、3月83.0%と推移している。国別では2位米国が5.8%増、3位ペルーが9.7%増、4位中国が1.8%増であったが、最大生産国のチリが2.0%減、5位豪州が6.8%減となり全体として減少した。
2008年1~3月の地金生産は前年同期比1.4%増の4,490千tであった。地金生産は12月1,544千t、1月1,504千t、2月1,432千t、3月1,554千tと推移している。精錬所設備稼働率は12月81.5%、1月79.1%、2月83.1%、3月81.2%と推移している。国別では、2位チリが3.3%減、5位ロシアが1.9%減であったが、最大生産国の中国が9.6%増、3位日本が1.3%増、4位米国が0.1%増により全体として増加した。
【需給バランス】
2008年1~3月の銅需給バランスは67千tの供給不足であった。12月に119千tの供給超過であったが、1月に11千t、2月に35千t、3月に21千tと供給不足で推移している。季節調整後の需給バランスでは、12月に26千tの供給不足、1月に5千tの供給超過、2月に3千tの供給不足、3月に17千tの供給超過と推移している。
LME在庫は3月末に113千t、4月末に111千t、5月末に126千tと推移している。

表3. 銅:需給推移

【価格】
5月のLME銅価格は月を通じて下落傾向であった。5月1日に8,686US$/tでスタートした後は上下しつつも下落を続け、5月30日に8,105US$/tで終了した。

図2. LME銅地金価格・在庫の推移(2007年4月2日~2008年5月30日)

2.2 亜鉛
【需要】
2008年1~3月の世界消費は前年同期比で0.4%減の2,767千tであった。最大消費国の中国が9.4%増、5位インドが3.5%増となったが、2位の米国が4.0%減、3位日本が3.3%減、4位のドイツが13.7%減となり全体としてわずかに減少した。
【供給】
2008年1~3月の鉱山生産は前年同期比で10.1%増の2,828千tであった。最大生産国の中国が19.5%増、2位ペルーが7.3%増、3位豪州が4.4%増、4位の米国が10.4%増、5位カナダが4.0%増と世界的な増加傾向により全体として増加した。
2008年1~3月の地金生産は前年同期比で0.1%増の2,839千tであった。最大生産国の中国が5.3%減となったが、2位カナダが0.5%増、3位韓国が5.8%増、4位日本が8.7%、5位インドが25.4%と大幅増となり全体としてわずかに増加した。
【需給バランス】
2008年1~3月の需給バランスは、米国備蓄放出が2008年に入ってからはないものの72千tの供給超過となった。2007年末からの供給超過の状態が続いている。
LME在庫量は10月より回復傾向にあり3月末に124千t、4月末に126千t、5月末に144千tと推移している。

表4. 亜鉛:需給推移

【価格】5月のLME亜鉛価格は5月1日に2,196US$/tでスタートしてからは、乱高下しつつ上昇を続け5月16日に2,323US$/tまで上昇した。その後は下落を続け5月30日に1,980US$/tで終了した。

図3. LME亜鉛地金価格・在庫の推移(2007年4月2日~2008年5月30日)

2.3 ニッケル
【需要】
2008年1~3月のニッケル消費は345.7千tで、前年同期比4.0%減となった。消費量第1位の中国は20.4%増であったが、第2位日本は14.2%減、第3位米国は7.8%減、第4位ドイツは4.2%減、第5位台湾は32.5%減となり全体として減少した。
【供給】
2008年1~3月のニッケル鉱山生産は395.7千tで、前年同期比1.9%減となった。第3位インドネシアは26.5%増、第4位豪州は15.4%増であったが、最大生産国のロシアが前年並み、第2位カナダは2.2%減、第5位のニューカレドニアは26.9%減となり全体として減少した。
2008年1~3月の一次ニッケル生産は357.0千tで、前年同期比0.8%減となった。第2位中国は8.6%増、第5位豪州は19.3%増であったが、最大生産国ロシアは2.9%減、第3位カナダは2.9%減、第4位日本は13.2%減で全体として減少した。
【需給バランス】
2008年1~3月の需給バランスは、11.3千tの供給超過となっている。

LME在庫は回復傾向にあり3月末に50千t、4月末に51千t、5月末に49千tと推移している。

表5. ニッケル:需給推移

【価格】
 5月のLMEニッケル価格は月を通じて下落傾向にあった。5月1日に28,455US$/tでスタートした後は下落を続け5月29日に22,050US$/tとなり、5月30日22,130US$/tで終了した。


図4. LMEニッケル価格・在庫の推移(2007年4月2日~2008年5月30日)

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